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image1360.png公開年:2008年 
公開国:カナダ、ブラジル、日本
時 間:121分
監 督:フェルナンド・メイレレス
出 演:ジュリアン・ムーア、マーク・ラファロ、アリシー・ブラガ、伊勢谷友介、木村佳乃、ドン・マッケラー、モーリー・チェイキン、ミッチェル・ナイ、ダニー・グローヴァー、ガエル・ガルシア・ベルナル 他
ノミネート:【2008年/第61回カンヌ国際映画祭】パルム・ドール(フェルナンド・メイレレス)
コピー:全世界、失明。


車を運転中の日本人男性が突然視力を失う。目の前が真っ白になるという奇妙な症状だったが、検査をしても眼球に異常はない。その後、同様の患者が各地で続出。感染症の疑いが深まり、政府は緊急隔離を指令し、発症者を片っ端からかつて精神病院だった隔離病棟へと強制収容していく。最初の患者を診た眼科医も結局失明して隔離病棟送りとなるが、妻は自分も失明したフリをして夫に付き添い…というストーリー。

結果からいうと、かなり納得いかないというか、不快に感じるレベルの作品。
以降、不満の感情にまかせてネタバレ連発になると思うの、ご注意を。

一人だけ目が見える人間がいるというのがポイントなのだが、書籍の場合は意味はあるだろう。その目を通じて文章にするほうが演出上の効果があって都合がいいから。でも、映画の場合は画像で伝わるのだから存在の必要性はものすごく薄い。そこは原作と違えても、設定や演出を変えないとおかしなことになるとは、思わなかったのだろうか。

大体にして、目が見える人間が一人いたとして、何か問題もあるのだろうか?空気感染らしいのだから、「あいつ目が見えているみたいだぞ!」ってばれたからって施設から出されるだろうか。そうはならないだろう。かえって、その人も一緒に隔離して面倒を見させたほうが都合がいいにきまっている。何で、隠さなければいけないのか、ただただ滑稽でならない。
そう考えると、防護服を着た保護者をつける選択肢を早々に政府が放棄している理由がさっぱり理解できず、リアリティが皆無である。本気で封じ込めたいのなら、軍隊に監視させるよりも、介護者をつけた人間に管理させるほうがいいにきまっているのに。盲目の人間だけを放り込む意味があるのとは思えない。そして、なんで施設は、精神病院なのだ?精神病院じゃないといけない理由や、そのメリットがあるとでも?意味不明だ。

また、あの状況で、“見える”ということは銃器なんかよりも強力な武器である。あんな悲惨な状況になる前に、どうとでも対処できる決まっているのに、眼科医の妻は何もしない。そんなこと有り得ないだろう。馬鹿らしい。
それに、病棟での状況は、ラース・フォントリアー作品が思い出されるが、とても足元に及ばない。やっぱり、本当に心が壊れかかっている人(ホメ言葉のつもりですよ)のえぐり方には敵わないよ。陳腐ですらある。

原作はノーベル文学賞受賞者によるものらしく、噂によればけっこう原作に忠実とのこと。現代人は偉そうなことをいっているが、一皮向ければ野獣とかわらん…といいたいのか、それとも、マルクスのモデル化による社会学的な説明をまねているのか、はたまた、サルトルばりのニヒリズムを気取っているのか。とにかく作風が気に喰わない。きっと原作者の性格がにじみ出ているに違いない。前時代のカビがはえた老人の説教にしか聞こえず、腹立たしくなるばかりだし、諸々のディテールが陳腐するぎる。ノーベル文学賞受賞者だろうが、はっきりいってしまうが、ツメが甘すぎる。
#これをノミネートするカンヌ映画祭のエセアーチスト気取りには、苦笑いしか出ない。

キャスティング的にも難点が。ジュリアン・ムーアが出てきて、やっぱりそういうシーンがあって、結局、脱ぎ専門女優扱い。そして、木村佳乃はヌードNGなのは明白。キャスティングで演出が見えてくるというのもどうなんだか。

で、最後は、“次は私だ”で終わるのだが、なんでそう思うのか意味がわからない。バカ映画だな。こりゃ。本当ならジュリアン・ムーアとダニー・グローヴァー、ハリウッド俳優と日本人が競演しているわけだから、もっと押してもいいはずなんだけど、この内容じゃ押せないわ。いろんな部分・段階で、少しずつ間違いを重ねて、いったい何の料理なんだかわからなくなったって感じ。もちろんお薦めしない。

#ここまで、酷評するのって久々かも。

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今日でやっと2000アクセス(長年書いてるのにね)。でもありがとう。
たまには、くだらないことでもいいから、映画の感想とかコメントくれるとうれしいです。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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