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image0655.png公開年:2004年
公開国:デンマーク
時 間:93分
監 督:アンデルス・ルノウ・クラルン
出 演:ジェームズ・マカヴォイ、キャサリン・マッコーマック、デイヴィッド・ヘアウッド、クレア・スキナー、イアン・ハート、サマンサ・ボンド、デレク・ジャコビ、ジュリアン・グローヴァー 他
コピー:あなたは、誰とつながっていますか?




マリオネットの世界。すべての生き物は空から垂れる糸で繋がっており、頭の糸が切れると死んでしまう。そんな世界にあるバロン王国は、数百年に渡って周囲の国と激しい争いが繰り返していた。年老いた国王カーロは、王国が犯した数々の悪の所業を悔いて王子ハルに王位継承する旨の遺書を遺し、自ら命を絶つ。しかし、王位を狙う王の弟ニゾは、遺書を破棄。王の死をバロン王国と敵対するゼリス族長サーロの仕業に見せかける。そうと知らないハル王子は父の仇を討つため、家臣エリトと共に復讐の旅へと出るのだが…というストーリー。

頭の糸が切れると死ぬ、他の糸に関してはパーツ取替えができる…実にユニークな発想。
だから、この世界には屋根なんか存在しないし、洞窟なんかに入ることもできない(とはいえ、いまいちそういう設定が徹底されていない点がないわけではないけど)。格子が中空につるされていて、糸が固定されることで身動きできないというデザインの牢屋は、実に慧眼。日本も文楽で似たような試みはできるとおもうんだけど、古い様式だけに縛られてるよね。こういうダイナミズムを忌避する文化は廃れていくよね。

「王の弟と息子の王位継承争い」「異民族征服・侵略」「敵勢力間の禁断の恋愛」「王子が身分を隠して旅」「預言者」etc…とよくある神話の類型の塊みたいなストーリー。まあ、王の弟と息子の王位継承争いなんて、日本でも壬申の乱っつーのがあったくらいで、人間の根源的性格という意味でも普遍的な内容ってことだね。あまりにありがちなストーリーなので、後半飽きてはくるけど、そこは世界観の魅力と操演の妙技で持ちこたえる。

ものすごくよく動くマペットで、実に表情豊かで、特に目、瞼の動きが秀逸である。ただ、目は動くんだけど口が動かないというところに、限界はあったりする。口が動かないだけに、吹替えの声優は必要以上の過剰さが求められるところなのだが、大半の声優はタレントさんなのだ。
字幕を負っているとせっかくの操演を味わうことの邪魔になるので、吹替えがいいのは間違いない。でも、草なぎ剛、中谷美紀、劇団ひとり、優香、 香取慎吾…、う~ん、もうしわけないが、中学校の学校祭の演劇レベルなのだよ。せっかくの良作が、これで凡作に落ちてしまった感じ。

ヨーロッパのアニメとか、こういう客寄せ目的のタレントをつかわんといけない法律があるわけもあるまいし。まあ、米アニメとかは製作元がうるさいから勝手なことができないけど、欧アニメとかは日本の配給会社がプロモーション名目で好き勝手にやってるってことなんだろうけど。でも、それで、せっかくの作品が毀損されてしまっては元も子もないと思うけどね。

最後の鳥のシーンは、糸を落とす必要はあったのかなかったのか。半ば夢のシーンのようなものとはいえ、“糸”のルールだけは破ってはいけない気がするのだが…。

#志村、後ろ、後ろ! (笑)…って、思った人は私だけではあるまい。

 

負けるな日本

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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