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image0503.png公開年:1972年
公開国:アメリカ
時 間:175分
監 督:フランシス・フォード・コッポラ
出 演:マーロン・ブランド、アル・パチーノ、ジェームズ・カーン、ジョン・カザール、ダイアン・キートン、ロバート・デュヴァル、リチャード・カステラーノ、タリア・シャイア、スターリング・ヘイドン、ジョン・マーリー、リチャード・コンテ、アル・レッティエリ、フランコ・チッティ、エイブ・ヴィゴダ、ジャンニ・ルッソ、ルディ・ボンド、アレックス・ロッコ、シモネッタ・ステファネッリ、アンジェロ・インファンティ 他
受 賞:【1972年/第45回アカデミー賞】作品賞、主演男優賞(マーロン・ブランド※受賞拒否)、脚色賞(フランシス・フォード・コッポラ、マリオ・プーゾ)
【1972年/第7回全米批評家協会賞】主演男優賞(アル・パチーノ)
【1972年/第30回ゴールデン・グローブ】作品賞[ドラマ]、男優賞[ドラマ](マーロン・ブランド)、監督賞(フランシス・フォード・コッポラ)、脚本賞(フランシス・フォード・コッポラ、マリオ・プーゾ)、音楽賞(ニーノ・ロータ)
【1972年/第26回英国アカデミー賞】作曲賞[アンソニー・アスクィス映画音楽賞](ニーノ・ロータ)
【1990年/アメリカ国立フィルム登録簿】新規登録作品

第二次世界大戦が終わった1945年。ドン・ヴィトー・コルレオーネの屋敷では、娘コニーの結婚パーティが行われている。その華やかな宴の裏、ビトーの書斎で、彼は何人もの友人の表立っては相談できない頼みごとを親身に聞き、解決してやっていた。特に報酬を要求するわけでもなく、その恩は、いつかヴィトーが呼び出しをしたときに返せばよかった。それが彼らの掟である。そんなある日、麻薬ビジネスとしようとしているソロッツォが、一緒に商売をしようとコルレオーネ一家に相談を持ちかけてくる。しかし麻薬を嫌うヴィトーはこの話を断る。政界や警察をコネのあるコルレオーネ一家と袂を分かてば、麻薬ビジネスの成功はありえないと考えるソロッツォは、ヴィトーを排除したいと考え…というストーリー。

えっと…なんで本作を観ようと思ったかというと、昨日の『ストリング』で、タイトルロゴの操り人形の手元の絵を思い出したから(ただそれだけ)。

マフィアというものの好き嫌いは別にして、一つの家父長制度の類型が、本当の意味での小さな家族単位と、社会を一つの家族と見た場合の両方において実現されている、イタリア移民の社会。そこでの“ファーザー”とは何なのか。それが時代の変化と他文化との軋轢の中でどう対処を迫られるのか。何を大事にして何を捨てていくのか。

なぜ父は彼マイケル堅気にしたかったのだろう。他の子供たちとは違う持ってもって生まれた輝きが、自分ですら持っていないものだと感じ取っていたから。彼の政治家たちとの付き合いも、商売上のメリットだけを考えてのことだけではなくて、マイケルの将来を視野に入れてのことだったのだろう。さて、ドンとして非情になっていくマイケルは、その天賦の才を輝かせたのか、無駄にしたのか…。

ヴィトは、金儲けと家族の幸せを両立させていた。しかし、長男のソニーだけでなく、マイケルも娘のコニー(その婿であるカルロはもちろん)、誰一人両立することができていない。ラストシーンの姿を見るとマイケルもヴィトのようにうまくやれているとは言いがたい。

シナリオの構成としてなかなかユニークだなと思うのが、ヴィト中心に話が展開されると思いきやズドンとやられて画面から消える点。そして、いない時間も相当長い。もちろんその間は、もうひとりの主人公マイケルにスポットがあたっていくわけだが、ナイーブで堅気が既定路線だったはずのマイケルが諸々の感情の爆発や悲劇を経験して、次の“ドン”へと変貌(というか成長)してく様が展開される。
じゃあ、それでヴィトはフェードアウトしていくのかといえばそうではなく、次の世代がビジネスに比重を置いていく中、自分はファミリーの部分だけを見つめていくと決めたかのように引退し、そして最後は孫と遊びながら死んでいく。
タイトル自体も、マフィアのボスとカトリックでの名付け親のダブルミーニング。大きなストーリーの潮流もダブルの渦が重層的に渦巻いている…ということだね。

前回観たときとは、また違う観点での気付きや想像が沸いてくる。名作というのはこういうものなんだろうな。重ねてみるごとに違った味が染み出してくる。NHKの大河ドラマを3時間のダイジェストにしたとしても、ここまで濃くはならないだろう。コッポラの才能が日本刀のようにキレキレに発揮された文句なしの名作。




負けるな日本 

 

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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