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公開年:1981年
公開国:イギリス
時 間:103分
監 督:テリー・ギリアム
出 演:ショーン・コネリー、クレイグ・ワーノック、ラルフ・リチャードソン、シェリー・デュヴァル、ジョン・クリーズ、イアン・ホルム、デヴィッド・ワーナー、キャサリン・ヘルモンド、ピーター・ヴォーン、デヴィッド・ラパポート、ケニー・ベイカー、マイケル・パリン 他





イギリスの住宅地に暮らす家族。両親は息子のケヴィン少年のことを相手にせず、新しい電化製品やクイズ番組にご執心。そんなある日、ケヴィンの部屋に、突然、馬に乗った騎士が出現し、壁を通り抜けて消失する。おどろいたケヴィンは両親にそのことを話すが、まったく相手にされない。ケヴィンは懐中電灯とポラロイドカメラをこっそり持ち出しベッドに入り、再び騎士の出現を待った。しかし、煙の中から現れたのは6人の小人。彼らは創造主から、タイムホールの場所を示している地図を盗み出し、それを使って時空を移動して、お宝を盗み出そうとしているという。すると、ケヴィンの部屋に創造主が出現し、地図の返却を迫る。ケヴィンは6人と一緒にタイムホールを通過。初めて辿り着いたのは、1796年のイタリアの町。この町はナポレオンに征服されており…というストーリー。

その後、シャーウッドの森、ギリシャの砂漠、タイタニック号などなど、色々な世界を旅する。いかにもテリー・ギリアムらしい陰湿なファンタジーと、いかにもイギリスらしいコメディの融合作品。
脈絡のない展開というか、取り止めもないないというか、とても愉快な時空の旅で、子供でも十分に楽しめそうな内容なのだが、要所要所でなにかひっかかる。そのひっかかる部分を真剣に考えると、あまりに難解でさっぱり答えが見えない。特にテリー・ギリアム作品が大好きというわけでもないので、全作品観ているわけでもないし、真剣に考察したわけでもないのだが、彼のすべての作品に通じる何かが、本作に潜んでいる気がしてならない。テイストの違う『12モンキーズ』の萌芽ですら、本作にを感じてしまう。それは何だろう…

両親は息子のケヴィンに対して、ああしろこうしろと文句は言うけれど、基本的に愛情を注いでいない。それどころか、根本的に興味がないように見える。息子よりも新しい家電製品のほうに興味がある模様。ある意味、ネグレクト状態。その寂しさをなんとか補おうとするケヴィン。

そんな彼の元に突然、煙の中から小人の集団が登場。オチを言ってしまって申し訳ないが、タイムホールの旅の後、自分の家は火事で煙が充満。煙繋がりをどう解釈するか。
さらにラストでケヴィンを救い、ウインクして去っていくのはショーン・コネリー。ショーン・コネリーは、アガメムノン王も演じている。アガメムノン王はケヴィンを自分の後継者にしようとまでしていた。なぜこの二つの役をショーン・コネリーが演じている。この繋がりをどう解釈するか。

登場した創造主は小人たちを元の世界に連れて帰ろうとする。ケヴィンも一緒にと小人は言うが、創造主は「彼は自分の戦いを続けるのだ」…と。はて、何と戦うというのだろう。親から虐待された末、家も無くなり両親も死んでしまうという辛い現実に対峙しなければいけなくなるということ?それとも、逆に、再びつらい現実を忌避するための旅を続けるということ?わからん。

多重人格者は、とても耐えられない虐待などを受けたときに、それを専属的に受ける役回りの別人格を構築する。ケヴィンの旅も、つらい現実からの忌避ということなのか?
いや、もしかして、調理器具に細工をして、火事をおこしたのはケヴィンなのではないか?それを忘却するための、幻想の旅だったのでは?

わからん。どうとでも解釈できるような気もするが…もっとヒントがあるようにも思える。正直、この明確な手がかりの見つから無さ加減は、失敗作といわれても仕方が無いレベル。でも、やはりどうにも引っかかる。いままで、他のギリアム作品を観るとき、このような、現実と夢想の世界の関係性について考えながらみたことがなかった。この観点でもういっかい他の作品も観直したほうがいいのかも…。『未来世紀ブラジル』『バロン』『フィッシャー・キング』を観直しますかな。
#でも、この難解さ加減が、商業的に失敗しちゃう要因なんだろうなぁ。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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