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公開年:2012年
公開国:日本
時 間:117分
監 督:細田守
出 演:宮崎あおい、大沢たかお、黒木華、西井幸人、大野百花、加部亜門、林原めぐみ、中村正、大木民夫、片岡富枝、平岡拓真、染谷将太、谷村美月、麻生久美子、菅原文太 他
ノミネート:【2012年/第36回日本アカデミー賞】アニメーション作品賞
 【2012年/第22回日本映画プロフェッショナル大賞】 ベスト10(第10位)
コピー:私は、この子たちと生きていく。


東京郊外の大学通う花は、教室でとある男性と出会う。彼は在校生ではなく、興味があり勝手に進入して徴候しているだけだった。興味をもった花は彼に声をかけ、一緒に勉強するなどして、次第に惹かれるようになる。ある日、その男は、自分がニホンオオカミの末裔“おおかみおとこ”であることを打ち明ける。はじめは驚いたもののそれを受け入れた花は同棲をはじめ、やがて“おおかみこども”である姉の“雪”と弟の“雨”が生まれる。感情によって狼の姿に変貌する二人のこどもに注意しながら、ひっそりと都会の片隅で暮らす4人。しかし、ある日突然、男は交通事故で死んでしまう。しばらくはなんとか生活していた花だったが、隠し通すことは困難と判断。都会からの移住者を募集している田舎へ移り、山奥の古民家を借りて生活を始めるのだったが…というストーリー。

興収42.2億円とことなので、文句なしの大ヒットってことでしょう。細田監督は、その名声で客が呼べる、数少ないアニメクリエイターですな。しかし、あえて苦言を呈そう。本作は、個人的には正直がっかりである。いや、アニメーションの技術、諸々の描写については、何一つ文句をつける部分は無し。狼人間の子を生んで、困難ながらも生きていこう、子供を育てていこうをいう、生きるということをユニークな角度から考えさせる基本プロットも良いと思う。昨今の近所付き合い、親戚付き合いの希薄な中、子供を育てていくというのは、狼人間を育てるのと何一つ変わらないわけで、そういう共感も得られたに違いない(逆に言えば男ウケは悪い作品かもしれない)。

ただね、シナリオにしっくりこない部分がある。不満は、本作の脚本にも細田監督が携わっているという点においてである。

こういう、異種間交配物語というのは、民話レベルでは少なくないので、どうということはないのだが、現代社会を舞台にこういう絵柄でやられると、はっきりいって生々しい。貞本義行の絵柄でやることで、さらにグロさが増していると思う。
#あえて、異種間交配という観も蓋もない書き方をしているのは、それを描写するシーンがあるからだ。実は、先に本屋でマンガ版をパラリと見ていたのだが、そのなんともいわれぬ気持ち悪さは、映画の3倍増しくらいだった。
男目線でもうしわけない。この姉弟、年子だよね。一人目で狼人間であることはわかるよね。ちょっと一人目を分別がつくまで次は間を開けようかとか考えないのか?何、おおかみ人間は、毎年、サカりが付いたら子づくりせんといかんの?もしかして、男が死ななかったら毎年生まれてたのか?(笑)

ちょっとネタバレ入っちゃうけど…。
小学校高学年の男児が行方不明になって、お咎めもなく生活できるわけがないよね。田舎に行ったのも、役所の人間から、ネグレクトを疑われたのが一つの理由でしょ。あの役所の人間が押しかけてくるシーンが、観客の頭にはしっかりこびりついている。姉が学校に通えるようになったのも、自分が仕事に付いたのも、役所のおかげ。この作品、要所要所でお役所が登場してくる。だから、弟がいなくなったときに、役所や警察が黙っているわけがないし、どうやって誤魔化したのかって、気になるに決まってるじゃない。
で、特に説明は入らないよね。村の人たちにあれだけやさしくしてもらった描写を入れているわけで、はい、いなくなりましたよ、わかりまへ~んが通用するわけなかろう。遠くの親戚に預けた…なんて言い訳は通用しないわけで、もう、あの嵐で発生した崖崩れで死んだこと(失踪宣告扱い)にでもしないと、まとまらない。
そんなことを考えるのは野暮だ?何いってんだ。そこまで考えさせたそのはそっちじゃねえか!とキレたくなる。

娘の語りで綴られるものだから、母親は死んでいるのだろうと思ったが、そうではなく健在。別にダメなわけじゃないけど、なんで娘目線で語られるのか、いまいち理由も効果もわからん。人間として生きることを選んだ狼人間ということで、人間と狼の両方の気持ちがわかる立場で語る…という演出なのかもしれないが、そうだとすると、終盤は、弟とほとんど心を通わせていないからなぁ…。なんかしっくりこない(弟が行ってしまったことを淡々と語ってるのもちょっと気持ち悪いような)。いっそこのことナレーションはいらなかったのではないかと…。

なんだろう。姉弟の片方が人間を選び、片方が狼を選びました。折半、折半。丸く収まりましたよね?的な、ピントのずれた講釈をタレられたような不快感。いや、正直、弟が死んだ後の整合性だけ取ってくれさえすれば、満足できたとは思うよ。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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