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image0812.png公開年:2004年 
公開国:アメリカ
時 間:100分
監 督:ザック・スナイダー
出 演:サラ・ポーリー、ヴィング・レイムス、ジェイク・ウェバー、メキー・ファイファー、タイ・バーレル、マイケル・ケリー、ケヴィン・ゼガーズ、リンディ・ブース、ジェイン・イーストウッド、ボイド・バンクス、インナ・コロブキナ、R・D・レイド、キム・ポイリアー、マット・フルーワー、ジャスティン・ルイス、ハンナ・ロックナー、スコット・H・ライニガー、トム・サヴィーニ、ケン・フォリー 他
コピー:それは、8歳の少女から始まった。
感染するまで、終わらない──。

看護婦のアナは愛する夫との二人暮し。ある日、彼女たちの寝室のドアが静かに開くと、何故かそこには隣に住む少女ヴィヴィアンが立っていた。少女は突然、とてつもないスピードで襲い掛かってきてルイスの首筋に噛み付く。何とか部屋の外にヴィヴィアンを撃退するも、夫ルイスは絶命。しかし、息絶えたはずのルイスは息を吹き返し、今度はアナに向かって襲い掛かるのだった。必死に屋外へ脱出すると、町には同じような状態の人々がたくさんおり…というストーリー。

オリジナルのロメロ版に比べると、悲惨な感じや虚脱しちゃう感じは無くなった気はするのだが、とはいえオリジナルの細かいディテールの記憶も薄くなっているので、それほど気にはならなかった。とはいえ、さすがににゾンビが“走る”という決定的な違いには気付く。元気元気。

おかげで、スピード感が出て効果的…と言いたいところだけれど、2002年製作の『28日後…』の影響を受けているのは明らかで、そう考えると手放しで評価できないかも。二番煎じと思われちゃあね。私なら、ノロいままにして、別の要素を加えたかもしれない。

いや、もしかすると、走らせることは、案外別の意図があったかもしれない。
ロメロ版では、ゾンビとは大衆消費社会の投影だといわれている。2005年のロメロ本人による『ランド・オブ・ザ・デッド』では、資本家と労働者という社会構造の、労働者側をゾンビにしちゃうという、いまいち時代錯誤な投影をしていたりするのだが、とにかくロメロがゾンビに何らかの社会事象を投影しているのは確か。1991年製のウェス・クレイブンによる『壁の中に誰かがいる』でも階級闘争を表現していたり、ゾンビ物というのは往々にして、そういう社会問題の代弁者だったりするものなのだ。

さて本作のゾンビは、現代社会の何の投影なのか。大衆消費社会における消費行動がすばやくなったから走らせて見たのだろうか?ネット社会の大衆の反応やレスポンスの速さを投影している?じゃあ、ネットショッピングができるような時代になったから、モールからは脱出しちゃうんだよ~とか?(オリジナルは脱出しない)
ん~、残念ながら、私にはピンとくるものは無かったが、観た人はどう感じただろうか。もしかすると、製作側はその辺を明確に定義せずに、作り進めてしまったのかもしれないね。

そういう肝心な点が呆けているにもかかわず、ザック・スナイダーはこのリメイク版をきれいにしっかりと仕上げた。これが初監督作品だったのだが、やはりすばらしい能力だと思う。彼の映像センス、私は好みだ。造形物のエッジがくっきりした映像がいいのかもしれない。おかげで、“走るゾンビ”が二番煎じだということに、ひっかかることなく楽しめたのだと思う。そして、ゾンビ映画という食人モノであるにもかかわらず、あまりスプラッターな感じがしないのも同様の理由だろう。

製作側の企画意図がいささか打算的でぼんやりしていたにもかかわらず、それを補って余りある能力で成立させた、まさに出世作。チャンスを物にするとはこういうことだ…という作品。いまどきのホラーとしては、おとなしめですらあるが、逆にホラー嫌いでも許容できる範囲かと。そういう意味で軽くお薦め。

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