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image0016.png公開年:1997年
公開国:アメリカ
時 間:124分
監 督:グレゴリー・ホブリット、リチャード・ドナー
出 演:デンゼル・ワシントン、ジョン・グッドマン、ドナルド・サザーランド、エンベス・デイビッツ、ジェームズ・ガンドルフィーニ、エリアス・コティーズ 他
ノミネート:【1998年/第5回ジュラルメール・ファンタスティック映画祭】参加作品
コピー:「悪」は感染する。




刑事のジョン・ホブスは、自身が逮捕した連続殺人犯リースの処刑に立ち会う。その際、リースは意味不明な呪文を唱えホブズの手を握り、「俺は戻ってくる」と不気味な言葉を残して処刑される。すると、その直後から、リースと同じ手口の連続殺人が次々と発生する。捜査を進めていくと、かつて同じ署に、立派な刑事であったが殺人容疑がかけられ謎の死を遂げたロバート・ミラノという警部補の名前が浮かぶ。真相を探ろうとミラノの娘グレタに接触するが多くを語ろうとしない。また、上司のサントン警部補も口を閉ざし、その件に関しては何かが判っても口外するなといわれる。諦めきれないホブスは、ミラノが死んだ山荘でAZAZELの言葉を発見。グレタを問い詰めると、アザゼルは悪霊で、接触することで人から人へ憑依する邪悪な存在であるという。にわかに信じがたい内容だったが、連続殺人事件は継続発生し、なぜかホブスが容疑者であることを示唆する証拠が現場に残されており…というストーリー。

料理の仕方によっては、もっと深く面白い作品になったはずなのに、構成・演出がとにかくクソな作品。少なくとも、この作品でやってることを避けていれば、まともな映画が作れそうなくらい反面教師になる作品だと思う。

いきなり冒頭から、人から人へ“悪意”が移動していく様子が“わかりやすく(笑)”演出されている。音付きで(笑)。こんな冒頭から説明していることが、オチなわけがないよな…と思っていたが、敵の能力はそれ以外になにもないという稚拙っぷり。何か他に悪魔さんの秘密があるのかなと、思うでしょ。無いのよ。
まさか、こんな稚拙な内容のまま映画になるわけがない…と思い、何か裏があるだろうと一生懸命考える。ところが考えれば考えるほど変なところが見えてくる。大体にして“接触”とはなんだ?握手のように肉体と肉体が触れるならわかる。服越しでも移る。それじゃ接触じゃなく、距離の問題じゃないか。

乗りつった人が死んだら、数分のうちに誰かに乗り移らないといけないということで、人里離れた森で対決しようと考える主人公。でも冒頭でも中盤でも、動物に乗り移れるということを散々示唆しており、動物に乗り移ればいいじゃねえかと、10人いたら9人がそう思うはず。まさかそんなオチなわけがないだろうと思っていると、そのとおりだったりする(笑)。大体にして、接触しなくても数分ならOKな理由が、“悪魔が必死になるから”だってさ。馬鹿じゃねえか。

一番肝心な、なんでホブスと握手したのに乗り移れなかったのか?という理由が一切説明されずに終わるのもクソ。正義の心が強いから…とか、そういう理由かと思いきや、最後は乗り移れちゃうんだよ。“必死になった”から(笑)。馬鹿かと。

『アダプテーション』で、シナリオ講座の講師が「登場人物の考えていることをナレーションでかぶせるなんていうのは愚の骨頂」といっていたが、本作では連発。それもナレーションにする必要もなく、普通に演出すればいいのにわざわざナレーション。
ラストのアザゼルのドヤ顔的なナレーション。観客のみんな騙されたでしょ?みたいなの、はずかしくて聞いてられない。世界で一番はずかしい演出の映画だと思う。
こういうのって、逆に観て笑ってやってくれ!って言いたくなるものなんだけど、本当にクソだからとても薦められないレベル。
#“悪魔を憐れむ歌”っていう邦題も、まったく意味不明。

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