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image1926.png公開年:2010年
公開国:ドイツ
時 間:105分
監 督:フィリップ・シュテルツェル
出 演:アレクサンダー・フェーリング、ミリアム・シュタイン、モーリッツ・ブライブトロイ、ヘンリー・ヒュプヒェン、ブルクハルト・クラウスナー、フォルカー・ブルッフ、ハンス・マイケル・レバーグ 他
コピー:きみに見つめられるだけで、幾千の詩が生まれる。



1772年ドイツ。父親の命令で法律を学ばされているヨハン・ゲーテ。しかし、ゲーテの夢は作家になることで、法律の勉強には興味を示さない。父親に作家で生計と立てると豪語してみたものの、出版社に送った原稿が認められることはなく、意気消沈する。業を煮やした父親は、ゲーテを田舎町ヴェッツラーにある裁判所で実習生として働くように命ずる。渋々着任したゲーテだったが、町の舞踏会で出会ったシャルロッテという女性に強く惹かれてしまう。一方、裁判所の上司であるケストナーも、シャルロッテに好意を抱いており、彼女の父親に縁談を申し込んでいて…というストーリー。

ゲーテといえば『若きウェルテルの悩み』。『若きウェルテルの悩み』といえばゲーテ。有名な小説といえばあとは『ファウスト』くらいか。
その青年ゲーテが『若きウェルテルの悩み』を出版するまでのお話。田舎町ヴェッツラーでシャルロッテという少女と恋に落ちたこと。そしてシャルロッテがケストナーという友人と婚約していたこと。友人が人妻との不倫の末、自殺したこと。そして、シャルロッテとの恋愛の顛末と、その友人の自殺をくっつけて『若きウェルテルの悩み』が誕生したというのは、定説である。

その恋の行方、というか、上司と部下による一人の女性を巡るすったもんだは、女性マンガか韓国ドラマか…というくらいの内容。シチュエーションはかなりドロドロなはずなんだけど、これが結構さっぱりと描かれて、男性でも楽しめるかも。
ただの二股じゃねーかって思うかもしれないが、当時の状況を考えれば、家族の窮状を救えるチャンスを放棄できるような状況ではないだろうし、それでもシャルロッテは自分の意思を表出したほうだと思う。
では、このまま史実を描いて、この作品は終わるのか…。

(以下ネタバレ)
ゲーテが拘禁されたあたりからはすっかり創作である(上司をひっぱたいたくらいで拘禁されるのも変な話なんだけど)。拘禁中に『若きウェルテルの悩み』の原稿を書き、それをシャルロッテに送ったのも創作だし、それをシャルロッテが出版社に送ったのも創作。
#実際は、普通にヴェッツラーを離れ、友人の自殺も町を離れてから知ったはず。
でも、この創作があることで、『恋におちたシェイクスピア』ほどではないが、楽しい作品として締めくくることができていると思う。

『若きウェルテルの悩み』が大ヒットした当時は、真似をして自殺する若者が増え、社会問題になったとか。まあ、一昔前にはやった『失楽園』とか、そういうジャンルですな。
意外と、軽妙なラブロマンスに仕上がっており、男性でも楽しめる作品かと。軽くお薦め。

 

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