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image1924.png公開年:2010年
公開国:デンマーク、スウェーデン
時 間:118分
監 督:スサンネ・ビア
出 演:ミカエル・パーシュブラント、トリーヌ・ディルホム、ウルリク・トムセン、ウィリアム・ヨンク・ユエルス・ニルセン、マルクス・リゴード、トーケ・ラース・ビャーケ、ビアテ・ノイマン、キム・ボドゥニア 他
受 賞:【2010年/第83回アカデミー賞】外国語映画賞
【2010年/第68回ゴールデン・グローブ】外国語映画賞
【2011年/第24回ヨーロッパ映画賞】監督賞(スサンネ・ビア)
コピー:憎しみを越えたその先でどんな世界を見るのだろう。

医師のアントンは、家族をデンマークに残し、アフリカの難民キャンプで医療活動を行っていた。アフリカでは、貧困や劣悪な衛生環境による患者だけではなく、“ビッグマン”と呼ばれる悪党が率いる武装集団によって、腹を引き裂かれた妊婦なども運ばれてくる。一方、デンマークで暮らす息子のエリアスは、毎日学校で執拗ないじめにあっていた。そんなある日、エリアスがいじめられいると、転校生のクリスチャンが救出に入るが、結局巻き添えで一緒にいじめられる。翌日、ふたたびエリアスがいじめられていると、そこをクリスチャンが急襲。いじめっ子を棒で殴り倒し重傷を負わせてしまう。クリスチャンの父親は、暴力で報復しても問題は解決しないと諭すがクリスチャンは聞き入れない。一時帰国したアントンは、息子エイリアスとその弟モーテン、そしてクリスチャンを連れて出かけると、公園でモーテンとよその子供が喧嘩を始める。止めに入ったアントンだったが、駆け寄ってきた相手の子供の父親が、理由もなくアントンに殴りかかってくるのだった…というストーリー。

昨今、日本でもイジメ問題はホット。まさにタイムリーな作品だと思う。似通った社会状況であれば、世界のどこでも同じ問題がおこっているということだ(外国ではこうしてるー、だから日本はダメなんだーとか言うヤツもいるけれど、頭に虫が湧いてるってことだな)。そしてイジメ問題からはじまり、怒り・暴力・戦争という、人間の歴史を振り返れば、もうそういう生物なんだよ…と言わざるを得ない習性にに、どう向き合っていくべきなのか…と考えさせる作品である。

イジメから傷害事件に発展したにもかかわらず、現場の教師の態度は、デンマークも日本も一緒。自分が現場を適切に制御できないとみるや、保護者の家庭環境にも問題があると的外れな指摘をしはじめる。家庭環境に“も”というのがまた共通していて、自分のミスを正当化するために、関係ないところから落ち度を見つけてくるという、詭弁を弄するものの特長である。まあ、教師である云々の前にクズ人間なわけだ。実際、こういう教師には遭遇する。
で、そんなにこの学校がいやならば、他の学校にでもいけばといわんばかりなのだが、大都会ならいざしらず、そうでなければいける学校なんか限られる。要するに、子供は学校に人質に取られた状態。そこで、そんな教育をされるなんて、犯罪に等しい。そんな理不尽な戦場に無防備な子供をいかせなければならないという苦境。

では、子供たちにはそういうが、大人はどうなのか。父親のアントンは、まったく理不尽な理由で、狂った大人に殴られてしまう。アントンは、警察を呼ぶでもなく、直接本人の仕事場に押しかけ、何故殴ったのか説明しろと問い詰める。はたしてこの行動が正しいのか。私にはそうとも思えない。
子供たちが警察を呼べという。どちらかといえばそっちが正しいようにも思えるが、経験豊富な父親からすれば警察が解決してくれることは少なくて、むしろ余計にこっちが傷つけられることを知っている。日本だって、イジメや虐待があったと告訴しても現場の勝手な判断で受理してくれなかったりするでしょ。それどころか、あなたの方にも落ち度があったのでは?とか、何の根拠もなく傷つけられることだってある。
でも、警察も教師も100%信用しちゃいけない…とか言いにくい。

私はこの映画を観て、思ったことは、経験を積み重ねることで得られた結論にしたがって、早期に対処すること。つまり“初動”がすべてだといっていると解釈した。その初動に失敗した場合は、もう初動で対処した人に続きをやらせない。別のプレーヤーに対処させる。これが大事だんだろうな。
あの、自動車工場に勤める狂った親父だって、これまでの人生で誰も彼を諌めてこなかったから、ああなっている。ああいう態度を取ることで、人生を乗り切ってきているので、ああいう行動が正しいと思って疑っていない。
会社勤めをしていれば、これまで仕事をうまくやってきているのは、事業環境のおかげだったり周囲の人の協力のおかげだったりするのに、自分の仕事の仕方がこの成功を生んだと信じて疑わず、横柄で傲慢な態度を取っているやつはいないだろうか。

今の日本でいえば、竹島問題。わが国の先人たちはすっかり初動を謝ってしまったが、さてどうするか。おまけに、売国奴が政権に就いてしまっているこの有様。
戦争をおこさないためには、衝突がおこってから対処するのではなく、そのシチュエーションにしないように何手先も読んで行動すること。しかし、あえてそれをしないよう、無防備でいるよう、仕向けた人間がが多数いるわけだ(貶めようと活動している人間がいる。今でもいる)。
そろそろ、もう手遅れだと思う。後はこのまま素直に“やっちまえ”じゃなくて、いかに効率的に被害を最小限にするかか…しかもうないだろう。日本には尊敬すべき先人は大勢いるが、いま“老害”といわれている世代は、偉人の功績をすべて無にしてしまうくらい害悪。そろそろやるしかないんじゃないかな。若い世代が立ち上がるしかないよ。そこまで追い詰められてしまったな、日本は…。

と、そこまで考えさせてくれる作品。映画として優秀とはいえないが、慧眼とおもいえる優秀な視点で貫かれた作品だと思う。是非、観るべき一作。

また、クリスチャン少年は、アスペルガー症候群ぎみ。この“ぎみ”というのがやっかいで、自分の価値観を正しいと信じて疑わないし、自分が思っていることは他人も思っているとしか考えられず、そうではないとわかるとブチ切れる。
とにかく教育現場は大変だわ。少数の教師では対応できないでしょ。チーム戦だと思う。教師一人のスキルを上げるんじゃなくて、どういう教育チームを作るべきなのか…という新しい視点を持たないといかんと思うよ、文科省は。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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