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公開年:2005年
公開国:アメリカ
時 間:145分
監 督:リドリー・スコット
出 演:オーランド・ブルーム、エヴァ・グリーン、ジェレミー・アイアンズ、デヴィッド・シューリス、ブレンダン・グリーソン、リーアム・ニーソン、エドワード・ノートン、マートン・ソーカス、ハッサン・マスード、アレクサンダー・シディグ、ヴェリボール・トピッチ、ジョン・フィンチ、イアン・グレン、マイケル・シーン、ブロンソン・ウェッブ 他
コピー:守りたいのは、父の夢。見つけたいのは、真の平和。
12世紀のフランス。妻子を失い悲しみに暮れる鍛冶屋の青年バリアンの前に、十字軍の騎士としてエルサレムへと赴く途中の騎士ゴッドフリーが現われ、バリアンが自分の息子であると告白し、バリアンに帯同を求める。一度は拒否するも結局参加したバリアンは、長い旅の道中でたくましい戦士へと成長し、幾多の困難を乗り越え、ついにエルサレムへ到着く。重い病のため常にマスクをしているエルサレム王と面会したバリアンは、その平和主義に感銘を受け、彼に忠誠を誓う。しかし、エルサレム王の妹シビラの夫で好戦的なギーは、サラディンへの挑発を繰り返し、微妙に保たれていた均衡を崩し交戦状態にしようと画策する。そんな中、バリアンはシビラと禁じられた恋に落ちるのだったが…というストーリー。
歴史の授業では、十字軍はイスラムに奪われた聖地エルサレムを奪回するために、欧州連合軍の形で出征した…と教えるわけだが、この映画を見るかぎりは、かなり様子が違う。十字軍の綺麗事意外の部分も描かれいて、逆にイスラム教徒の視点からも公平に聖地回復運動という十字軍の正義を問い正しているといえ、聖地エルサレムを巡って敵対するキリスト教とイスラム教という、中世から延々と続けられる構図を解りやすく観せてくれているのだが、いずれにしろ、この歴史背景とか宗教的感心の薄い部分なので、日本人にはわかりにくいはずである。
私は、どうも頭の中にある十字軍のイメージとズレていたので、すべてフィクションなのかなと思っていたが、バリアンが十字軍に参加するまでの前半がフィクションで、後半は、史実に沿っているらしい(つまりバリアンも実在の人物ということですな)。
雰囲気は『アラビアのロレンス』となぜか『サテリコン』をうっすら感じた。セット・戦闘シーンについては『グラディエータ』と同じく、感嘆すべきスケールで表現できているのだが、トータルで失敗作と感じさせてしまう理由はなんだろう。
最初はイスラム教徒の脅威からエルサレムを守るために生まれた十字軍が、次第に兵士の堕落や権力闘争によって崩壊する様子は、現在のアメリカに通じる。火玉が飛び交う戦闘シーンは、現代の湾岸戦争や諸々の中東での戦闘と重なる。宗教指導者のエゴ、権威主義、支配欲。戦争を止めない愚かな現代人に対する監督からのメッセージが滲み出ているといえるのだが、そのメッセージ性の割りに、映画的な見所はかなり希薄なことが理由かもしれない。
戦闘の勝利こそが真の勝利ではないという、もっともなのだが映画としてはカタルシスを感じない部分。バリアンのその前半フィクション部分に見られる非現実的キャラクター(簡単に強くなったり出世しちゃう)。さらに、オーランド・ブルームのいかんせん力不足な演技。引き算される部分が多々ありすぎるということだろう。
ただ、個人的には「時代のせいで正しい行いができませんでしたという言い訳は通用しない」とか、「私は先人の戦いを背負わされて何の恨みもない敵と闘うのだ」という端々のセリフには重いものを感じたので、やはりもったいないとしか言いようが無い。
強くお薦めはしないが、及第点といえる。テーマ的に興味を感じた人は見て欲しい。
#ただ、コピーは、歴史的センスのかけらもないなく且つインパクトもないという。苦笑するしかない。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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