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image1381.png公開年:2008年 
公開国:日本
時 間:137分  
監 督:佐藤嗣麻子
出 演:金城武、松たか子、國村隼、高島礼子、本郷奏多、益岡徹、今井悠貴、斎藤歩、木野花、飯田基祐、猫田直、藤本静、大堀こういち、高橋努、田鍋謙一郎、神戸浩、市野世龍、要潤、串田和美、嶋田久作、小日向文世、大滝秀治、松重豊、鹿賀丈史、仲村トオ 他
コピー:怪人二十面相は誰だ!?
違う!オレは二十面相じゃない!

1949年、第二次世界大戦が回避された架空の世界。日本は、華族制度により極端な貧富の格差が生まれ、特権階級が富を独占する社会。巷では、富裕層を狙い、鮮やかな手口で窃盗を繰り返す怪人二十面相が出現し世間を騒がせていた。ある日、サーカス団の天才曲芸師・遠藤平吉は、見知らぬ紳士から羽柴財閥の令嬢・葉子と名探偵・明智小五郎の結納の様子を写真に撮ってほしいとの依頼を受ける。彼は曲芸を駆使してそれを実行するが、それは二十面相の罠だった…というストーリー。

第二次大戦が回避された世界という発想はとても面白いのだが、だからといって、極端な統制社会になっているという点については、もうすこし説明を加えないとリアリティがない。もし製作側が、そんなこと説明しなくても、そうなるに決まってるだろ?と考えていたとしたら、それは見識不足。冒頭の説明で思わず苦笑いしてしまった。SF冒険譚風に仕上げようという意図は見えてくるのだが、どうも世界観構築のツメが甘く、子供だましに思える部分が多い。そういう雰囲気をつくりたいなら、セットや小道具はもうすこし工夫しないと(工夫というのは、そのデザインや機能の文化的な理由まできちんと考えている…という意味で)。設定を考えた人間の想像力かやる気が足りなかったのだろう。

特高やら軍の制度もそのままだろうという想像から、やたらと暴力的な取調べシーンがあったりするが、人が殴られているシーンをみれば誰でも緊張するので、作り手側は効果があったと勘違いしているようだが、同様に細かいツメが甘く、深みのない薄っぺらな演出になっている。主人公がやむを得ず泥棒修行をするのだが、その結果として一番多様するツールが、修行の内容とか直接関係ないパワーウィンチというこの整合性の無さっぷり。複数の人間の思いつきをそのまま盛り込んでしまい、フラフラになって失敗しているんだろう(この監督さんは、もうちょっと我を通して、自分の思うままに進める力をつけたほうがいいですな)。

もう一つ惜しいのは、大根VS.大根というと失礼かもしれないが、他の俳優陣がなかなかの名演を繰り広げる中、金城武と仲村トオルの演技が、浮いていること。ある意味、子供向け冒険小説的な演技ではあるので、それを狙っているのかもしれないが(かなり好意的にみてあげれば…だけど)、それにしても浮いているかな。金城武の声を張り上げる演技は、観ているほうがはずかしくなる。

前半は、このように悪い点のオンパレードなのだが、設定の説明が終わって、ストーリー動き始めてからの後半は、うって変わって面白くなってくる。意外にも特撮がすばらしい。技術ひとつひとつについては、特段、高等な技術を用いているわけではないのだが、場面々々で適した演出ができており、最終的に“どう見せるか”という目的は充分果たせている。
色々文句を言ったが、後半で大きく挽回し、及第点は超えていると思う。軽い漫画映画だと思って観れば充分たのしめると思うので、軽くお薦めする。

今回、なぜ観たかというと、本作が中国で公開されるというニュースを聞いたから。中国のことだから、とっくに裏で出回っているだろうに、興行的にうまくいくとは思えないのだが。いまさら階級闘争のためのプロパガンダ映画にするつもりだろうか。第二次大戦が回避された世界がいい社会になっていない…という状況を見て、中国人の溜飲が下がるとも思えないし、中国政府の目的がよくわからない。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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