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image0018.png公開年:1990年
公開国:日本
時 間:119分
監 督:伊丹十三
出 演:宮本信子、津川雅彦、大滝秀治、北村和夫、金田龍之介、高瀬春奈、MITSUKO、洞口依子、一の宮あつ子、菅井きん、三田和代、黒田福美、橋爪功、柳谷寛、横山道代、杉山とく子、矢野宣、加藤善博、不破万作、上田耕一、宝田明、島田正吾 他
ノミネート:【1990年/第14回日本アカデミー賞】主演女優賞(宮本信子)、脚本賞(伊丹十三)、編集賞(鈴木晄)



捨て子だったナヨコは老夫婦に拾われ育てられるが、中学を卒業すると置屋に預けられ芸者の道に入る。一人前の芸者に育つが、18歳になったある日、僧侶多聞院に水揚げされる。すると多聞院の僧侶としての位がどんどん高くなっていく。しかし、多聞院ほどなくは死去。その後、ナヨコは多聞院と付き合いのあった銀行頭取の元で秘書として働き、10年が経過する。そんな中、ナヨコはうだつのあがらない支店長の主水と知り合い、やがて愛し合うようになる。一方、政界の黒幕と呼ばれている大倉善武も、ナヨコのあげまん相に目をつけていた…というストーリー。

『ミンボーの女』や『マルサの女』が、今では法律改正でピンとこなくなってしまっていることを考えると(『タンポポ』が地上派で放送されることはあっても、『ミンボーの女』や『マルサの女』が放送される可能性は限りなく低いだろう)、テーマ的には普遍な内容だと思う。
死、食欲、暴力、禁欲…さて本作のテーマは何か。それは、権力欲である。そして主人公のナヨコは、可愛がってくれた人に地位や権力を与える“妖精”である。

宮本信子の18歳っていう無茶をいきなり観せられるわけだが、荒唐無稽なお話なんですよ…と観客に認識させるためには必要な演出だったともいえる。まあ、キツイのは正直キツイ。なにも乳を放り出さなくてもよいと思うのだが、妖精だからしょうがないんだろう(そうか?)。大正文学のようなテロップが入るが、これも寓話のようなテイストを醸し出したい演出である(効果は甚だ疑問だが)。

で、肝心の話の筋が、かなり不可解。捨て子がそれなりに育ち芸者になる。はじめに坊主の愛人として囲われ、その坊主がものすごく出世する。まあ、それがナヨコのおかげだと周囲が言うのはよしとしよう。でも、その後の10年間まともに男と付き合ったことがないのに、ナヨコはあげまんだといわれる理由がわからない。もしかすると、その間も男と付き合って、あげまんパワーを発揮していたのか?そんな描写はなかったな。
それ以前に、坊主が不能者だったくだりが必要だったか?というのもひっかかる。主水がはじめての男だということなのか。だとして、その描写は必要だったか。あげまんを発揮する男が、結局3人しか出てこないのもいかがなものか。タイトルにするくらいの特徴なのだから、もっと短期間で破滅する男でもいいので、あと二人くらい登場させてもよかったと思う。

とはいえ、わらしべ長者的な、のどかな(というと語弊があるかもしれないが)サクセスストーリーや、転落話が展開され、それはそれで面白い。童話チックさと俗っぽさの振幅は楽しいと思う。他の伊丹作品にくらべて、業界のウンチク的な内容が不足しており、その辺を物足りないと感じる人はいるだろう。芸者遊びや色恋の話なのに、それにまつわるおもしろ話とかあるある話が、盛りだくさんとはとてもいえないし(伊丹十三自身が恋愛をウィットに語ることが得意だとは思えないし)。

まあ、他作品のおかげでハードルがあがっているだけであって、悪くない作品。何度目かの鑑賞だけど愉しめたもの。

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