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公開年:1984年
公開国:日本
時 間:108分
監 督:澤井信一郎
出 演:薬師丸ひろ子、世良公則、三田佳子、三田村邦彦、高木美保、蜷川幸雄、志方亜紀子、清水紘治、南美江、草薙幸二郎、西田健、香野百合子、日野道夫、仲谷昇、梨本勝、福岡翼、須藤甚一郎、藤田恵子 他
受 賞:【1985年/第9回日本アカデミー賞】助演女優賞(三田佳子『春の鐘』に対しても)
【1984年/第27回ブルーリボン賞】主演女優賞(薬師丸ひろ子)



劇団「海」の研究生・三田静香は、女優としての幅を広げるために、先輩劇団員の五代淳と一夜を過ごす。翌朝、自分の部屋へ帰る途中に、公園で次のオーディションの練習をしていると、公園で寝ていた男から演技を賞賛される。男は不動産屋に勤務する森口昭夫。森口は静香の演技へのひたむきな姿勢に惹かれていく。劇団「海」の次回演目は『Wの悲劇』という本格ミステリーで、女性(“W"oman)の悲劇を描く作品である。作中でおこる事件の鍵を握る女子大生・和辻摩子役は、研究生の中からオーディションで選ばれることになっていた。静香もオーディションを受けたが、摩子役は、菊地かおりに決定。静香はセリフが一言しかない女中役と、プロンプターの役割が与えられた。落胆して帰宅した彼女のところに、花束を抱えた森口がやってくる。合格しなかったことを告げた静香は激昂するが、結局、二人は飲みに行き、そのまま森口の部屋泊まるのだった…というストーリー。

本作は劇場で観た。久々に鑑賞。実は併映の原田知世主演『天国にいちばん近い島』が目当てだったのだが、それがものクッソつまらなくてがっかりだった。しかし、本作が予想外におもしろくて納得して帰ったのを覚えている。でも、上のあらすじでわかるように、主人公が簡単に男を関係を持ってしまうので、(友達と観にいったのだが)ちょっと気まずかったけどね。一応、アイドル女優的ポジションだったと思うんだけど、こういう扱いでいいのかなぁ…なんて思ったものだ。

久石譲の映画音楽を聴いたのは本作が初めてだった。素人がとっつきやすい良い雰囲気の音楽で、ショパンの『別れの歌』に通じるキャッチーさを感じた。こちらもしっかり記憶に残っていたね。

その後、原作も読んでみようかな…なんて思って、珍しく買ってみたら(古本だけど)、本作で演じられている劇中劇の内容だった。原作ってクレジットされてるんだけど、“原案”ってレベルかな。本作の原作ではないことを知って、そのままそっと閉じた。
まあ、それはそれとして、夏木静子の原作を劇中劇として織り込んだ構成が秀逸。脚本の荒井晴彦、澤井信一郎の両氏の仕事が良い。舞台監修は蜷川幸雄で、本人も舞台監督役を演じているのもユニーク。
演劇の苦労話と並行して、森口と静香の恋愛模様を絡めつつ進行していくのかと思いきや、腹上死の身代わりになるという斜め上の展開に。いささか無理があるように思えるのだが、それを成立させようとする三田佳子演じる羽鳥翔の演技がうまい。演技っていっても“劇中で演技してる演技”だからね。
もう、森口なんかが置いてきぼりの展開になっちゃうのだが、最後に揺り戻すのがすごい。やるな澤井信一郎と思うのだが、ちょっと救急車が来るのが早すぎるんじゃねえかと、みんなツッコんでいたな(笑)。そこだけ玉に瑕だ。
#短めの時間によくまとめているな…とも思う。

薬師丸ひろ子の舞台上とそれ以外の演技の振り幅が、なかなかすごい。平凡な子なのに、役者として生きる覚悟を決める役をしっかり演じきっている。そして、劇団とは無関係の世良公則演じる森口が、その静香の“振り幅”に翻弄される。キャラクター自体も秀逸だったけど、世良公則自信も本作以降、“カッコいい役者”扱いされていき、役者の仕事が増えていったが毛量と共にそれも減っていく(ヒドい分析)。

秀逸な構成とアイデアと、ともすれば少女マンガかよ…で終わってしまいそうになるところを、グイっとひきつけた役者陣のお仕事がすばらしい作品。1980年代の角川アイドル映画では、群を抜いた出来映えの作品。
#今、観ると、ヌケヌケと芸能キャスター役で登場するご本人たちって、遠まわしに馬鹿にされていることに気付いていないのが、笑える。こういう大人になっちゃダメだよ…っていう見本だよね。 

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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