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公開年:2003年
公開国:アメリカ
時 間:99分
監 督:スティーブン・ソダーバーグ
出 演:ジョージ・クルーニー、ナターシャ マイケルホーン、ジェレミー・ディヴィス、ナターシャ・マケルホーン、ヴィオラ・デイヴィス、ウルリッヒ・トゥクール 他
コピー:人類は、まだその領域には足を踏み入れてはならない





未来の地球。ある日、心理学者のクリス・ケルヴィンの所に、彼の親友ギバリャンのビデオを携えた男達がやって来る。ジバリアンは、惑星ソラリスを探査中の宇宙ステーション“プロメテウス”に派遣されていたが、ステーション内で不思議な現象が頻発し、今は地球との交信も途絶えてしまっているという。クリスは、事件の調査を依頼され、ステーションに向かう。到着したクリスは、そこでジバリアンの遺体を発見する。ステーション内には2人の科学者スノーとゴードンがしていたが、他の乗組員はすべて自殺したという。生き残った2人に事情を聞くクリスだったが、またく要領を得ない。やがて、クリスが睡眠から目覚めると、そこには死んだはずの恋人レイアの姿が…というストーリー。

結構前に本作は観ているのだが、昨日『惑星ソラリス』を観たので、改めて連続鑑賞。タルコフスキーの難解さと迂遠さを、ハリウッド流のシナリオ術や演出で作ってみましたよ!というところだろう。同じ原作の作品というか、あくまでリメイクといった感じ。プロットは見事に同じといってよいだろう。

以前に観たときはクッソつまらんと思ったのだが、改めて観ると、j重要ポイントを残しつつ且つ哲学的な要素も毀損していないと思う。
ステーション内で親友のビデオを発見するのではなく、親友のビデオが送られてきたことがステーション派遣のきっかけになっており、親友の死はステーションに行ってから…というシナリオ構成。これにより、前作の大尉のくだりは一切不要になったし、ソラリスで何がおこっているのかについて想像しにくくして、よりミステリー要素を増すことに成功している。これぞ、ハリウッド流のシナリオ術だなと感服。ハリウッド作品の短絡さをバカにする向きもあるが、こういうシナリオ術は真剣に学ぶべきだろう。

時代が下っているので、もちろん科学的な要素もグレードアップしている。今年のノーベル賞受賞でおなじみのヒッグス粒子の描写もある(反ヒッグスなる反粒子が作れたとして、それで物質が消滅するかとは、それを機器によって放出することが可能かは不明だが…)。

また、レイアとの過去を順序立てて回想することにより、じわじわ真綿で首を絞めるように、ニセレイアと離れられなくなってくる様子が綴られている。前作では、単純に愛情が湧いたという感じだったが、本作は単なる愛情を超えた“何か”に目覚めたような様子に描かれている。ウェットさも増している。ただ、これによってノイローゼ的な感じが強調されすぎてしまっているとは思う。

哲学的な要素を毀損していないと書いたが、それは確かだが、宗教的な領域にまで踏み込んでしまったような気がする。これを良いと感じるかは好みのわかれるところ。レイアが液体酸素を飲んで死んだ後に組成するが、本作のそれは、不死というよりも同じ人格への輪廻転生に近いように思えた。そしてそれは、幸福という名の地獄を象徴しているようにも思える。

地球に帰還した想像(?)の意味がいまいちよくわからなかったのだが、思考も見た目も同じならはたしてそれは、本人とどう違うというのか? 引いては自分はどうなのか? もしかして自分もソラリスから生まれたのではないのか?(乗組員だと思ったら実はソラリスだった…という展開が加わっているので、そこはあえて強調されていると思う) そういう思考を地球への帰還として差し込んだのだと思うが、わかりにくい演出だったかも。
で、その判然としない状況を良しとして受け入れた先に何があるか。死んだ人がどんどんと、死んだ時点の姿で現れる…それは、終末のときに訪れるという、死者が蘇る=天国の様子である。そういう意味で、ちょっと宗教寄りに踏み込んでしまったな…と。

また、単なる脳内の記憶のコピーであるというところを強調したのは、ちょっとマズかったように思える。元々人間の記憶なんかあいまいだと思われているが、人間自身は表層に取り出せないだけど、実はしっかりと脳には仔細に記憶されていて、それこそリバースエンジニアリングのように、人間を構築できるくらいの情報量があるのだ…というくらいのSFっぷりを発揮してほしかったかも。
また、なんで、一人だけしかレイアが登場しないのか。そこはソラリスの作為というか意思に違いないと思うので、説明…とまでは言わないが匂わせて欲しかった。

評判の悪い本作だが、改めて観ると悪くない。が、もう一度観るかと聞かれれば、それは難しい。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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