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公開年:2008年
公開国:日本
時 間:123分
監 督:蜷川幸雄
出 演:吉高由里子、高良健吾、ARATA、あびる優、ソニン、今井祐子、綾部守人、市瀬秀和、妹尾正文、市川亀治郎、井手らっきょ、小栗旬、唐沢寿明、藤原竜也 他
受 賞:【2008年/第32回日本アカデミー賞】新人俳優賞(吉高由里子)
【2008年/第51回ブルーリボン賞】新人賞(吉高由里子)
 コピー:痛くないと、感じない。
19歳、痛みだけがリアルなら痛みすら、私の一部になればいい。


渋谷界隈をブラつくだけの単調な日々を過ごす19歳のルイ。そんな毎日に苛立ち覚えていたある夜、クラブでアマと名乗る男と出会う。彼は赤く染めたモヒカンヘアで、顔中にピアスをしており、背中に龍の刺青、一番特徴的なのは“スプリットタン”と呼ばれる蛇のように先が割れた舌だった。未知の世界の人間と出会ったルイは、スプリットタンに特に心を奪われ、自分もやってみたいと思うのだった。アマに紹介してもらった店で、ルイは舌にピアスをあける。その穴を徐々に拡張していくのだ。その店の店長シバは、アマ以上に顔中がピアスで、全身彫り物だらけだった。それを見たルイは、自分の身体にも最高の絵を彫りたいと、アマの背中にある龍とシバの右腕にある麒麟を合わせたデザインをシバ依頼する。アマと同棲をはじめたルイだったが、彫ってもらう度にシバとも関係を続けた。しかし、いくら舌の穴を拡張しても、刺青を増やしても、ルイの心は満たされない。ただただ痛みだけが、生きている実感だとなっていた。そんなある日、町で絡んできたチンピラをアマが撃退。その場は逃げ帰ったものの、その後、その相手が死亡したことをTVニュースで知ったルイは…というストーリー。

自分がだれにも必要とされていない疎外感。自分が何をしても世の中に影響を与えていない疎外感。自分で何かをコントロールしたい欲求=自分がこの世にいる実感=自分の存在価値…という感じのロジックはわからんでもない。しかし、自分でコントロールしたいという割には、ピアスをあけてもらうのも、刺青を彫ってもらうのも、他人に体を委ねているわけで…。
普通は、あれ?自分のやってること何か矛盾してね?と気づくのだが、あまりいい環境で育っていないと、不安や疎外感で目が霞んでしまうのかな。
蜷川幸雄監督の演出だけど、意外とアクションシーンが気持ちよかった。キャラのバックボーンを説明しすぎないのは、当たり前ではあるけど、いかにもベテランらしい匙加減。小栗旬と藤原竜也の贅沢(?)な使い方なんて、蜷川幸雄にしかできんわな。

メインキャスト陣が体当たり演技なのは認める。ただそれはあくまで、彼らのキャリアとの相対的ながんばりである。
吉高由里子のナレーション棒読みは、演出なのかマジなのか。っていうか、あのナレーションは必要なのか?とか、酒しか飲んでなくて激ヤセしていくっていう設定なんだけど、“激”ってほどは痩せていなかったのが、ちょっと残念。デ・ニーロばりの仕事をしろとはいわないけど、もうちょっと観客がギョっとする程度は痩せてほしかった。
舌の穴を拡張するときは、痛くて攻撃的になる…ということだが、それが彼女の演技から伺えない。弱っている様子は伝わるが…。

同様に、人体改造という未知の世界なわけだけど、ARATAの顔ピアスも刺青もいまいち美しくないのは、いただけなかった。普段は、刺青なんかに魅力は感じないんだけど、一瞬心を奪われてしまったわ…くらいの美しさをみせてほしかった。まあ、そこはARATAの演技の問題じゃなく、演出の問題だね。

終盤は、親族でもない、ただ同居していただけの未成年に、警察が捜査状況を説明するという、リアリティのない場面があったり(ありえないとはいわないが違和感)、ちょっとストーリーに没頭できなくなってくる。これは、シナリオというよりも、原作の問題かも。

本作でユニークなのは、相手の犯罪行為を知ったときに隠蔽工作するというパターン。それを繰り返すルイ。現状を変えたいという意思と、変えたくないという意思のアンビバレントの共存。この両極端の感情の間を高速で揺れ動く軌跡が、彼女を形作っているってところか。

まあ、オチとかどうでもいい。いい雰囲気を最後まで貫いてくれた作品。けっこう気持ち悪い内容なのに、鑑賞後は案外さわやかな感覚に包まれたのは、何なんだろうね。これが蜷川演出なのかな。
#舌の穴拡張シーンはCGかな?そこは評価したい。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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