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公開年:1953年
公開国:日本
時 間:97分
監 督:溝口健二
出 演:京マチ子、森雅之、水戸光子、田中絹代、小沢栄、小沢栄太郎、青山杉作、羅門光三郎、香川良介、上田吉二郎、毛利菊枝、南部彰三、光岡龍三郎、天野一郎、尾上栄五郎、伊達三郎、沢村市三郎、村田宏二、横山文彦、玉置一恵、藤川準、福井隆次、菊野昌代士、大美輝子、小柳圭子 他
受 賞:【1953年/第14回ヴェネチア国際映画祭】サン・マルコ銀獅子賞(溝口健二)、イタリア批評家賞(溝口健二)
戦国の世、貧しい陶工の源十郎は、陶器を売りに出た都にて若狭姫という女に見初められ、契りを結び生活をともにする。だが若狭姫の正体が死霊であることに気付き故郷に逃げようとするが、彼女は執拗に追いすがる…というストーリー。
『さらばベルリン』が少しがっかりな内容だったので、別の白黒映画を観てみようと、本作をチョイス。
ヴェネチア銀獅子賞をとった作品であることは、映画検定的にも(笑)押さえていないといけない情報。よっぽど受賞がうれしかったようで、しばし冒頭に、獅子像のお姿が差し込まれている。
日本にもアメリカ国立フィルム登録簿みたいなのが存在すれば、間違いなく登録される一本だとは思うのだが、当時、どういうポイントが評価されて受賞に至ったかは、もちろん判らないわけで、予想するしかない。場面間の繋ぎやアングルなど注目に値するポイントはあるし、衣装やセットの時代考証もしっかりしていて穴がない。脚本も、男の愚かさを寓話的に表現しつつ、女の情念というものの類型をうまく散りばめまとめあげている点は評価できる。しかし、無条件に、傑作々々とありがたがるほどのものかどうかは微妙なところ(と私は思う)。
まあ、観も蓋もないことを言ってしまえば「エキゾチック・ジャパン」ということだろう。ヨーロッパの映画賞にありがちなのだが、「俺は海外でこんなのを見つけてきたぜぇ」的な、発掘合戦的な要素がある(小津安二郎だってそういう目線で見つけられたものだろう)。そういうバイアスがかかった上での受賞だと私は考える。
などと、こんな評価をしているとお叱りをうけそうなのだが、問題は、今、お薦めできるかどうかなわけで、芸術性や歴史的意義を振りかざしても仕方がないのだから、許して欲しい。そういう観点で言わせていただくと…、、、もう仕事のこととかで、ちょっと疲れているんだけれど、アクション映画を観てスカっとしたいとかそういうポジティブな気力はないんだよね…っていうときに、フラットな気持ちで観てくれれば楽しめるかもしれない。
まあ、大人の寓話ではあるけれど、娯楽作品ではないということかな。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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