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image1737.png公開年:1984年
公開国:日本
時 間:93分
監 督:高野宏一
出 演:野沢雅子、池田昌子、石丸博也、石田太郎、金内吉男 他




 

M78星雲ウルトラの星。怪獣は全て悪物だと思っていた幼少期のタロウは、ウルトラの星に生息する善良な怪獣ドックンとの出会いを機に、平和を愛する怪獣もいるということを知る。その後、特訓を続けながら成長したタロウは、なぜウルトラの父が自分を実戦に投入してくれないのかを考えていたが、その矢先に失敗を犯してしまい…というストーリー。

興味のない人にはまったく食指が動くことのないジャンル作品。

1984年といえば、まだベータのビデオデッキが普通に存在しており、レンタルビデオ屋でも両フォーマットが並存していたころ。しかし、現在のように、ありとあらゆるといってよいほどのコンテンツがレンタル化されているわけでもなく、こういった子供向け特撮作品が充実していたとはいい難い。どちらかといえばマニア向けのレーザディスクとして流通しているのみの作品が多く、オマケに高価だったため、TVの再放送に期待する場合が多かった。

これより前の時代にいたっては、“東映まんがまつり”などでは、平気でTV放映した内容をそのまま上映していたし、ウルトラマンでも複数のエピソードを再編集したものが多かった。いまでは映画ビジネスとして成立するはずもない所業だが、それでも子供達は満足(というか納得)できた。ガンダムの3部作だって、基本的にはTV放送の再編集なのに、あれだけ空前の大ヒットを飛ばしたわけだから(3作目は新製作カットが多いけど)。
要するに、特撮やTVアニメの世界の映画化とは、世の子供達への供給枯渇状態の基盤の上に、限りなく安く製作して儲けるという、お祭りの見世物レベルのビジネスが成立していたわけだ。

で、本作の時代になってくると、さすがに同じノリのビジネスは不可能。しかし“特撮まんが”ごときに普通の映画並の製作費をかかけるなんてことは有り得ない状況。だから、過去のコンテンツと、できるだけ製作費をかけずに(それこそTVの2,3本の製作費で)新作カットを撮って、それを強引なシナリオによって1本のオリジナル作品然としたものを作り上げようという、方向性になってくる。

本作は、新作部分が時間にして半分ほどあるのだが、人間の俳優は登場せず、2,3体の新作着ぐるみと若干のセットを構築したのみ。それで、ウルトラマンタロウの“ビギニング”エピソードを作ってしまった珍作である。
ウルトラマンタロウが、幼少から青年になるまでの成長物語として展開されるのだが、元々の設定を無視した強引さがあるので、不整合を回避するために地球側のいわゆる科学特捜隊的な存在や変身前の人間体は存在しないことになっている。古来からのお祭り見世物的な姿勢による、安易なサービス精神も健在なため、『タロウ』よりも後に放送されたウルトラマンレオやウルトラマン80が先に地球で活躍しているなんていうのも、平気の平左である。

まあ、何にせよ、時代のあだ花のような作品で、一般の映画ファンにとっては、これを他の映画作品と同列に扱うのはどうか思うレベル。しかし、現在にまで続くウルトラマン・サーガの世界観を広げる一助にはなっているという、不思議な作品。
だからといって、お薦めはしないけど。




負けるな日本

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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