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image0973.png公開年:2007年
公開国:アメリカ、イギリス、フランス
時 間:121分
監 督:ピーター・ウェーバー
出 演:ギャスパー・ウリエル、コン・リー、リス・エヴァンス、ケヴィン・マクキッド、スティーヴン・ウォルターズ、リチャード・ブレイク ドートリッヒ、ドミニク・ウェスト、チャールズ・マックイグノン、アーロン・トーマス、ヘレナ・リア・タコヴシュカ、イヴァン・マレヴィッチ、ゴラン・コスティッチ、インゲボルガ・ダクネイト 他
ノミネート:【2007年/第28回ラジー賞】ワースト前編・続編賞、ワースト・ホラー映画賞
コピー:すべてが明らかになる

1944年のリトアニア。戦禍に巻き込まれ非難した山小屋で両親を亡くしたハンニバル少年は、妹ミーシャと2人で隠れ住んでいた。しかし、逃亡兵集団が山小屋を占拠し、ミーシャは彼らに殺害されてしまう。なんとか脱出したハンニバルは、その後、孤児院で成長するも、かつて自分が生活していた屋敷が孤児院として接収されており、そこで生活することに耐えられず脱走する。そして唯一の親族である叔父を訪ねてパリへ向かう。しかしすでに叔父は死んでおり、その未亡人である日本人女性レディ・ムラサキに温かく迎えられる。ハンニバルはそこで安心した生活をすごすことができたが、それと反比例して押さえ込んでいた復讐の念を沸き立たせていく…というストーリー。

『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』を観て、比較的質の良いビギニング物を思い出したので、再度鑑賞。

かといって、不満な点がないわけではない。本作のハンニバルが、『レッド・ドラゴン』のレクター博士に繋がっているような気がしないという意見が多いのも事実。確かに、これまで描かれてきた彼の行動の根本原因だと納得させる説得力がいまいち不足していると思う。本作で妹の復讐をする青年ハンニバルが、『レッド・ドラゴン』において、演奏するフルート奏者を見て「美味そう…」と思うレクター博士になっていくといわれても、いささか腑に落ちないものがある。
その違和感の一番の理由は、レクター博士の知的な振る舞いが、本作のラストでアメリカ大陸に渡った後に獲得されたとは思いがたい点か。要するに、『羊たちの沈黙』のハンニバルの理知的で人並みはずれた洞察力を持ちながら情に欠ける人間性が、後天的に獲得されたものとは考え難いということ。いや、後天的に獲得はされるようなレベルではない…というのが正しいかな。
つまり、本作において、もっと“元々の性向・資質・能力だった”という点を強調すべきだったと思うのだ。犯罪者が幼少期のトラウマによって生まれるという理屈に傾倒しすぎていると思う(かならずしも、幼少期に虐待を受けたりトラウマを抱えた人間が、猟奇的な犯行を犯すようになるわけではないからね)。本作のハンニバルは情の部分が強すぎる。

でもまあ、原作のある話だし(未読だが)、そこからストーリーを大きくはずすわけにもいかないだろうから、仕方がない。これまでの“レクター博士”作品によってハードルが上がっているだけで、本作自体のデキは佳作といってよい(すくなくとラジー賞にノミネートされるほど悪くほど悪いとは思えない)。戦後まもなくの雰囲気もよく出ているしね。そこそこお薦め。
でも、“ビギニング”で全てを語らないといけないルールもないが、本作と『レッド・ドラゴン』の原作は無いので、やはり本作で語りきるべき…と、なかなか複雑な思いにさせてくれる作品だ。

各作品には、蝶や拘束衣、刺青など、ビジュアル的なアイコンがあったが、本作でのそれは“日本文化”だったと思う。しかしその描写が弱い。もしかすると、外国人にとってはあの程度の日本描写で充分なインパクトがあったのかもしれないが、私には不足ぎみ。おまけに、日本ぽくないのには若干閉口してしまう。



負けるな日本

 

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