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公開年:1979年
公開国:日本
時 間:102分
監 督:実相寺昭雄、下村善二
出 演:黒部進、二瓶正也、原保美、福田善之、吉野謙二郎、永井秀明、奥野匡、小林昭二、桜井浩子、平田昭彦、毒蝮三太夫 他







科学特別捜査隊員ハヤタと一体化したウルトラマン。子供たちの落書の怪獣が宇宙線を浴びて生まれた二次元怪獣ガヴァドン、地上の人々に対して復讐をする地底人に操られた地底怪獣テレスドン、宇宙開発の犠牲者が変身した彗星怪人ジャミラ、20万トンという凄まじい体重のメガトン怪獣スカイドン、“怪獣墓場”から月ロケットにしがみついて落下してきた地球に落ちてきた亡霊怪獣シーボーズとの戦いを綴る。

ウルトラマン自体は1966~67年の作品なので、放送当時ではなく、後に発生したウルトラマンブームの際に作られた作品。ウルトラマン80の前くらいなので、ザ☆ウルトラマンあたりか。TV放送のフィルムを使ったブローアップ版なのだが、さすが実相寺監督というところか、余白のあるカットなど、とにかく画が味わい深い。

チョイスされている怪獣も特徴的。ガヴァドンは子供の想像から生まれた怪獣で、大人から抑圧された子供たちの反発心の象徴。絶対悪として退治するにはちょっと憚られる存在。テレスドンは、かつて地上人によって虐げられて地底に追いやられた不幸な一族が、臥薪嘗胆で復讐するために連れてきた怪獣。かつて地上人がやったであろう非道を考えると、これも若干、倒しづらい。ジャミラにいたっては、その正体は人間だ。科特隊のメンバーも任務を放棄しようとするくらいかわいそうな存在。科学信奉の犠牲者だ。とにかく本作の怪獣は、どうにもひっかかる相手ばかり。

“争いは悪い”というのは簡単だが、そんな綺麗ごとだけで解決できる事柄だけではないのよ…という難題を、抜き身で子供に突きつけているようなもの。今の特撮作品にはない切り口。子供向け番組に、政治的シニカルさを加えるのはどうだろう…という見方もあるだろうが、大人といっても、所詮は大きくなった子供だからね。子ども扱いしないっていうのは大事なのかも。

後半は、さらに実相寺節全開の演出のオンパレードとなる。スカイドン戦ではバロック調のBGMに、寝起きパジャマ、カレー、お茶会。
シーボーズのコミカルさに加えて、供養という名目で、過去の総集編になっているという優秀演出。さらに、何か違和感を感じた人はなかなかするどい。本作では、ウルトラマンがスペシウム光線を使っていないのだ。
#地球にいるときと宇宙空間で、VTOLの推進エンジン(アダプターなのかな)が違うという、地味にしっかりした設定もすごい(が、その点は実相寺演出とは無関係)。

単なるブローアップなのに、監督の色を出しまくって成立させているのがすごい。さすがに監督名が冠されるだけのことはある。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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