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公開年:1998年
公開国:フランス
時 間:80分
監 督:フランシス・ヴェベール
出 演:ジャック・ヴィルレ、ティエリー・レルミット、カトリーヌ・フロ、ダニエル・プレヴォスト、フランシス・ユステール、アレクサンドラ・ヴァンダヌート 他
受 賞:【1998年/第24回セザール賞】主演男優賞(ジャック・ヴィルレ)、助演男優賞(ダニエル・プレヴォスト)、脚本賞(フランシス・ヴェベール)
パリ在住で、出版業を営むブロシャンは、毎週友人たちとディナーパーティを催していた。しかし、そのパーティはただの食事会ではなく、仲間の間では“奇人たちの晩餐会”と称されていた。友人たちは持ち回りで、市井の変わり者を連れてきて、晩餐会で彼らの趣味や日々の生活などを好きなだけ語らせる。その奇行や変人ぶりをひそかに嘲笑するという、なんとも趣味の悪い会なのだ。そして今回はブロシャンが見つけてきた税務局勤めのフランソワ・ピニョンという男が招待される番だ。彼はマッチ棒の工作に熱中している不細工な小男だ。しかし、ブロシャンは晩餐会当日にぎっくり腰になって動けなくなってしまう。おまけに、夫の悪趣味さに辟易した妻クリスティーヌは家を出て行ってしまう。そこに、自分の趣味に興味を持ってもらったとウキウキのピニョンが、約束通りやってきて…というストーリー。
フランスのコメディって、イヤミが過ぎるとか、ヒネてるのとかが多いかな。逆に微笑ましいタイプのもあるね。その両極端だと思う。いわゆるコント的なのは、あったとしても面白くないのが大半。国民性の違いといわれればそれまでだけど、見下したり小バカにしたノリが多い。
本作のプロットも、変な人をわざわざ見つけてきては小バカにするという物なんだけど、"笑い”の質としては、そういう感じではない。むしろ、そういう上から目線の人間を逆に馬鹿にするテーマ。そして、純粋なドタバタコメディ。ドタバタといっても本当にドタバタ動くのではなくて珍騒動って感じ。
ピニョンがブロシャンの家に着くまでは、ちょっと作為がすぎるなぁ…という印象で期待薄だったのだが、彼らが二人きりになった瞬間から、馬鹿にしていた奇人に翻弄されまくるという、逆転の構図が繰り広げられる。もちろんピニョンは自分が馬鹿にされているなんて微塵も気づいていないし、ブロシャンとしてもそれに気付かれるわけにはいかない。とっとと帰ってほしいんだけど、ブロシャンに手伝ってもらわないとままならない。やることをやってもらってとっとと帰ってもらいたいんだけど、その度にピニョンがやらかして、ズブズブはまっていく。ぎっくり腰であまり動けないってのがすごく効いている。
ずっと2人芝居というわけじゃなく、ブロシャンの元恋敵や愛人、ピニョンの同僚、もちろんブロシャンの妻も登場するが、無駄に登場してわちゃわちゃするんじゃなく適度なペースで登場するのでごちゃごちゃしていない。そして全員が全員、ピニョンにやられちゃう。
フランスのコメディで、ニヤリじゃなくて普通に笑ったのは本作が始めてかもしれない。ピニョンは馬鹿にされて気の毒だなぁ~と理性では思うんだけど、一方で「こいつマジのアホじゃ~」って本気で笑った。酢をいれたらうまくなってる…とか、このレベルの小ネタも、個人的に好きだわ。
最後、自分が馬鹿にされていたことにやっとピニョンは気付く。ちょっと切ないんだけど、いい味になってる。本当にお薦め。コメディ映画としては、世界中の10指に入れてもいいレベルかもしれない。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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