[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
公開年:2010年
公開国:日本
時 間:108分
監 督:中村義洋
出 演:錦戸亮、ともさかりえ、今野浩喜、佐藤仁美、鈴木福、忽那汐里、堀部圭亮、中村有志、井上順 他
コピー:人生はケーキほど甘くないでござる。
シングルマザーのひろ子は息子・友也を抱え、子育てと仕事の両立に追われる生活。ある日突然、武士の格好をした青年が表れる。ひょんなことから、彼女の家に居候することに。その青年は、木島安兵衛という180年前からタイムスリップしてきた本物の武士だった。やがて安兵衛は、居候のお礼にと家事一切を引き受けはじめ、そんな安兵衛を友也は父親のように慕い、ひろ子も仕事に打ち込むことができて、万事OK。安兵衛は家事の傍ら、お菓子つくりに目覚め、ママ友の間で話題になり…というストーリー。
江戸時代の武士が現代にタイムスリップして、母子家庭の家に転がり込む。そしてなぜだかパテシェ修行を…っていう基本プロットは悪くない。こういうタイムスリップネタは、ハリウッドでも散見されるので、新規性こそないけれど、使い古されているというわけではない。
でも、このシナリオはアウトだ。ストーリーとか展開の仕方に問題があるわけではなく、純粋にシナリオのテクニックとしてダメだろう。
突然出現する武士を簡単に受け入れすぎる。不審者として通報するなり対処するのが普通。なしくずし的に受け入れざるを得なくなるような状況をつくるとか、もっと工夫すべきだろう。
さらに、現代のことを何から何まで知らない武士なのに、簡単に現代を理解できてしまいすぎる。貨幣システムから流通システムまで、根本的な素養が身についていないのだから、一緒に行動して覚えるとか、散々苦労するとか、そういうシーンをつくれるはず(子供の手ほどきで覚えていく…なんていうおいしいシーンをつくれただろうに)。
家事をしはじめてから結構な時間が経過していることを、月代の毛が生えてきたことで表現したいらしいのだが、月代をまったくアップにしないから、どれだけ時間がたったのかピンとこない。
母親が子供を捜してをいうセリフがひどい。「あの子、見つけて“あげて”」だって。「あの子、見つけて」だろ。なんだよ“あげて”って。そんなこと言うわけないだろ。
会社の後輩が、一回かばっただけで、そこまでひろ子を尊敬するのがリアリティが無さ過ぎる。その後、また定時退社するようになったのに…。
眠っていたにせよ、生きた子供がダンボールに入っていることに気付かないわけがない。
ぶつかりそうになった車から、チンピラが出てくるのが遅すぎる。子供救出のひとくだりが終わってから、ちょうどいいタイミングで出てくるわけないだろ。バカらしい。
あーーーーー、もう、とにかくディテールの荒さにもほどがある。こんなシナリオが、複数のプロの推敲やチェックを通過して、最終的に劇場にかけられるなんて、日本映画ってどうなっちゃってるのだろう。
私でもシナリオライターになれるかもしれない。すごく自信が出てきた。よし!俺はシナリオライターになる!なんて、こんな素人が、まじめにそう思えてしまうほど、テクニック不足なシナリオ。
薦めるとか薦めないとか、そういう次元じゃないかも。
#あまりいいたくないけど、ともさかりえは噛み合わせをなんとかしたほうがいい。悪い女優さんじゃないんだから、すこしお金をかけましょう。もったいない。
負けるな日本
公開年:1964年
公開国:アメリカ、イギリス、ギリシャ
時 間:146分
監 督:マイケル・カコヤニス
出 演:アンソニー・クイン、アラン・ベイツ、イレーネ・パパス 他
受 賞:【1964年/第37回アカデミー賞】助演女優賞(リラ・ケドロヴァ)、撮影賞[白黒](ウォルター・ラサリー)、美術監督・装置賞[白黒](Vassilis Fotopoulos)
英国人作家のバジルは、父がクレタ島に遺した炭鉱を再開するために船を待っていた。すると、ゾルバと名乗る男が何でもするから自分を雇えと言い寄ってくる。底抜けの楽天家で体も見るからに頑強なこの男に押し切られ、一緒に島に向かうことに。その後、島に着いてはじめに泊まった安ホテルの女主人とゾルバが親しくなったり、炭鉱の監督の息子に言い寄れらている美しい未亡人とバジルが恋仲になったりしながら、炭鉱の整備を進めていくが、工事は一向に進まず…というストーリー。
いくら父が島に炭鉱を遺したからって、別に生活にこまっているわけでもなさそうなのに、なんでこのイギリス人作家はそんなことするのかな?なんて疑問に思っていると、小汚いおっさんが自分を雇えと押しかけてくる。なんか秘密がありそうなヤツだな…なんて見ていると、今度は元娼婦のホテルのおばちゃんが出てくる。工事をしても島の奴らは、はっきりいってポンコツの田舎者ばっかり。これ、どうなっちゃうの?と、ワクワクしたりハラハラしたりで、なかなか面白くなりそうな予感がした。
『最後の誘惑』と同じ原作者。随所にキリスト教を匂わす描写もあるし、ゾルバがバジルに対して“資本家らしくしろ”みたいなセリフも出てきて共産主義思想の匂いもしてくる。
しかし、ちょっと時代背景が判らなすぎて、面食らってしまった。本当は、様々な困難を飄々とした態度で立ち向かっていく男達の様子を愉しむべき作品なんだろうけど、その後に巻き起こる、クレタ島民の行動のインパクトが強く過ぎて、観るべき部分をしっかりと観ることができなかったかも。宿のおばちゃんが思い出として語っている戦争はバルカン戦争(1912~13年)の話だろうか。だとすると本作の時代はいつなのか(第二次大戦前?後?)。この原作者はクレタ島の出身者みたいなので、まんざらフィクションではないんだろうけど、あまりに社会環境が特殊すぎる。リンチが公然と行われるは、独身者が死ぬと家財を掠奪するは、宗派の違う人間は葬式をしないで放置するは…。観ているこっちの頭がおかしくなりそうだった。
因習に支配され、日常と違う出来事に怯え、おろおろしたりぎゃーぎゃーと極端な行動をとる島民を見ていると、自分たちも原発を持っているくせに勉強せずもに、ただただ“放射能だ”と騒いで逃げろ!日本は危険だ!と騒ぎまくる外国人に重なって、非常に腹立たしくなってしまった。
#クソみたいな精度の機材で放射能測定して、東京に寄港しただけの積荷から日本ですら検出されていない放射線量が検出されたとバカな発表をした、どこかの国のことは、私は一生忘れない。
金田一耕助に解決してほしくなるくらいなんだけど、等々力警部すら存在しないくらい無法地帯のクレタ島。もう私だったら、それを見た時点で、この島で何かしようなんて思わず、一目散に島から去ると思うが、彼らはそれでも炭鉱を掘り続ける。だけど、最後になっても、なんでバジルはここまでして鉱山を再建しようとしているのかよくわからなかったりする。また、一方のゾルバの軽はずみな行動も、受け入れがたいものがある。
古い作品だからというわけではなく、とにかく不思議に映った作品だった。観終わっても“理解した”とは言いがたく、咀嚼し切れなった感じで、お薦めしにくい作品。
負けるな日本
公開年:2010年
公開国:アメリカ
時 間:104分
監 督:ジム・フィールド・スミス
出 演:ジェイ・バルシェル、アリス・イヴ、T・J・ミラー、マイク・ヴォーゲル、ネイト・トレンス、クリステン・リッター、ジェフ・スタルツ、リンゼイ・スローン、カイル・ボーンハイマー、ジェシカ・セント・クレア、デブラ・ジョー・ラップ、アダム・ルフェーヴル、キム・ショウ、ジャシカ・二コール、ヘイズ・マッカーサー、アンドリュー・デイリー、シャロン・モーン、トレヴァー・イヴ、アダム・トメイ 他
空港職員のカークは全然イケてないパっとしない青年。ある日、絶世の美女が、手荷物検査場に携帯電話を忘れ、それを届けることに。それをきっかけにその美女・モリーと付き合うことになる。自分に自信が持てないカークは、まさかそんな美女が自分に好意を抱くはずがないと、素直に彼女の愛情を受け入れることができず…というストーリー。
主人公の人は『魔法使いの弟子』の人ですな。残りはダレがだれだかわからないような役者陣なので、日本未公開なのも仕方が無い。それに、いまさら『ボビーに首ったけ』調のジャケットデザインっていう、本当に売る気があるんだか無いんだかって感じなんだけど、観てみたらどうしてどうして、なかなかの佳作だった。
女性向け作品に見えるかもしれないけれど、これはどちらかといえば男性向け作品で、世のイケてない男性が共感することまちがいなし。確かに見た目はイケてないかもしれないけど、本当にイイやつで、誰もが自分との共通点をどこか見つけるんじゃなかろうか。そんな彼の恋の行方と、自信を得ていく過程を、一緒になってみていくような作品。
ただ、なんとも割り切れないのは、“絶世のイケてる女”っていう設定のヒロイン役の人が、私には微塵もいい女に見えなかったという点。いや、別にブサイクだなんて思わないけど、街ゆく人がみんな色めき立っちゃうほどには…。ま、いいか。
単純なロマンスコメディなんだけど、全然最後飽きなかった。次回作で何かやってくれそうな気もするので、この監督は覚えておこうと思う。もうちょっと評価されてもいいんじゃないか…とは思うので、軽くお薦めしたい。
負けるな日本
公開年:2008年
公開国:アメリカ
時 間:131分
監 督:キャスリン・ビグロー
出 演:ジェレミー・レナー、アンソニー・マッキー、ブライアン・ジェラティ、レイフ・ファインズ、ガイ・ピアース、デヴィッド・モース、エヴァンジェリン・リリー、クリスチャン・カマルゴ 他
受 賞:【2009年/第82回アカデミー賞】作品賞、監督賞(キャスリン・ビグロー)、脚本賞(マーク・ボール)、音響賞[編集](Paul N.J. Ottosson)、音響賞[調整](Paul N.J. Ottosson、Ray Beckett)、編集賞(ボブ・ムラウスキー、クリス・イニス)
【2009年/第44回全米批評家協会賞】作品賞、主演男優賞(ジェレミー・レナー)、監督賞(キャスリン・ビグロー)
【2009年/第76回NY批評家協会賞】作品賞、監督賞(キャスリン・ビグロー)
【2009年/第76回LA批評家協会賞】作品賞、監督賞(キャスリン・ビグロー)
【2009年/第63回英国アカデミー賞】作品賞、監督賞(キャスリン・ビグロー)、オリジナル脚本賞(マーク・ボール)、撮影賞(バリー・アクロイド)、編集賞(ボブ・ムラウスキー、クリス・イニス)、音響賞
【2009年/第63回放送映画批評家協会賞】作品賞、監督賞(キャスリン・ビグロー)
コピー:永遠を思わせる戦場。刹那を生きる男たち──。
2004年、イラクのバグダッド。アメリカ陸軍の爆弾処理班のリーダーが殉職したため、新たにジェームズ二等軍曹を加え、サンボーン軍曹とエルドリッジ技術兵を補佐役とした新チームが編成される。チームの任期は残り38日。任務が開始されたものの、ジェームズは通常の手順を無視して、自ら爆弾に近づいて淡々と解除作業を進めていく。サンボーンとエルドリッジは、始めは彼の行動に混乱し衝突したものの、私大に打ち解け結束を深めていく。しかし、とある任務の途中で、ジェームズは冷静さを欠い行動に走ってしまい…というストーリー。
比較的有名なガイ・ピアースが早々にいなくなり、さらに、残りはさほどメジャーな俳優がキャスティングされていないので、次に誰が死ぬのか予想がつかない。おかげで、爆弾処理の一挙手一投足に集中できて、映画であることを一瞬忘れるくらい、リアルに感じられた。このキャスティングは非常に効果的。
ただし、その緊張感も中盤の狙撃シーンまでで、後は惰性の感がある。戦場の緊張感が快感になってしまうようなDNAを持っている人間の悲しい業…っていうのも、この映画の一つのテーマだと思うけど、観ている側も一緒に慣れるちゃうのかもしれない(でも、それまでの貯金で余裕でカバーできてはいるんだけど)。
遊びが一切ない演出が続くんだけど、いつまでも息を止めているわけには行かないから、観ている側の適当なタイミングで息を吐いちゃって、そのまま集中力が削がれた状態でおしまい…みたいな、そんな印象。この緩急の無さは、監督の能力としてはマイナスポイントかも(抜くところを意図的に誘導するのも、監督の仕事だと思うんだけどね。書籍みたいに、受けての自由で、途中休憩できないんだからさ)。
個人的に気に喰わないのは、反戦どころか、戦地の兵士を賞賛してるように見えてしまう点。たぶん監督本人は、そんな政治的な意図を前面に出すつもりはなくて、ただただ、異様な緊迫感を取り続けることで、逆に戦争の不毛さを感じ取ってくれたらな…そんな視点だったに違いない。ところが、結局、戦地に赴いてる兵士賞賛の為に利用されてしまったような気がする(穿った見方かな?)
アカデミー受賞についても政府の圧力があったとか陰謀説があるみたいだけど、本当にそんなことがあったとは思わないけれど、そう思わせるだけの不自然さがあるのは事実かと…。
アメリカがお節介な世界の警察っぷりを発揮しつづける今の情勢の間はいいけれど、後々まで観続けられていくような作品だとは思えない。時事ネタ要素が非常に強くて、5年後に観ても同じように良い作品と思えるかどうかは微妙ってこと。
確かに、観ている間はリアルに思えるんだけど、様々な爆弾は何の目的で設置されたものなのかとか、後で思い返すしっくりこない部分がある。ということは、もう二度と観ないだろうな…ってことである。
逆に言えば、愉しんで観るなら今しかない作品ってことだろう。下手なアクション映画を観るくらいなら、本作をみるべし。ただし、ただのドキドキムービーと割り切って。
負けるな日本
公開年:2010年
公開国:アメリカ
時 間:88分
監 督:ショーン・レヴィ
出 演:スティーヴ・カレル、ティナ・フェイ、マーク・ウォールバーグ、タラジ・P・ヘンソン、コモン、ジミ・シンプソン、ウィリアム・フィクトナー、レイトン・ミースター、J・B・スムーヴ、クリステン・ウィグ、マーク・ラファロ、ジェームズ・フランコ、ミラ・クニス 他
ノミネート:【2010年/第16回放送映画批評家協会賞】コメディ映画賞
倦怠期をむかえた夫婦フィルとクレア。たまには気持ちを切り替えようと、子供をシッターに預けてNYの有名レストランへ繰り出したものの、予約で満席だったためバーでキャンセル待ちをすることに。なかなか順番がこないので諦めかけたときに、“トリプルホーン”という予約客が訪れていない事を知り、二人は成りすまして着席することに成功。ようやく食事を始めた二人だったが、突然謎の男二人組が現れ、例の物を返せを迫ってきた。何が何やらわからないフィルとクレアだったが、どうやらトリプルホーンは殺し屋に追われる身で…というストーリー。
『ナイト&デイ』のパロディームービーですよーといわんばかりの邦題なのだが、実際の中身は、男女が事件に巻き込まれていく展開こそ共通しているが、それほど直球のパロディではない。というか、このタイトルでなければ、頭をかすめることすらないと思う。
主演の二人はマイナーだし、日本未公開なのは理解できるが、じゃあ、それほどショボい作品か?と聞かれると、案外そうでもなかったりする。マーク・ウォールバーグにレイ・リオッタにジェームズ・フランコと、地味に出演者は豪華。バカみたいに高予算ではないけれど、それなりにお金の掛かる必然性のある演出も、全然惜しんでいる風は無い。
ご都合主義な展開も多いし、下ネタや顔芸が多いんだけど、直接それで笑わせに掛かっているのかどうかよくわからない。元々上品な二人が下品なことをいっても似合ってないのよね…みたいな、一周廻って逆に面白い的な状態をつくるために、わざと寒い感じにしているのかも。けど、日本人にはピンとこないかも。簡単にいってしまえば、コメディ映画だけど、笑いの部分がおもしろいわけではないということ。じゃあ、なにがおもしろいかというと、アクション部分である。
普通の夫婦なんで、アクションといってもモタモタしてるんだけど、それがかえって非現実的な浮揚感とは違う雰囲気になって、いい結果に繋がっているのかもしれない。
さすがに新作料金だと考えちゃうけど、旧作料金なら全然OKなレベル。拾い物を考えてよいのではなかろうか。ビール片手に頭を使わずに鑑賞すべき作品。軽くお薦め。
負けるな日本
公開年:2009年
公開国:アメリカ
時 間:112分
監 督:ドリュー・バリモア
出 演:エレン・ペイジ、マーシャ・ゲイ・ハーデン、クリステン・ウィグ、ドリュー・バリモア、ジュリエット・ルイス、ジミー・ファロン、ダニエル・スターン、アンドリュー・ウィルソン、イヴ ローザ・スパークス、アリア・ショウカット、ゾーイ・ベル、ランドン・ピッグ、アリ・グレイノール、ユーレイラ・シール、カルロ・アルバン 他
コピー:転んだ分だけ、強くなる。
彼女はドレスを脱いで、傷だらけのスケート靴に履き替えた。
テキサスの小さな田舎町。17歳の女子高生ブリスは、娘を美人コンテストで優勝させようと必至な母親にうんざりしつつも、小さな抵抗こそすれ言うことを聞いている。そんなある日、比較的都会のオースティンに出かけた彼女は、そこでローラーゲームリーグの存在を知り、そのワイルドさにすっかり魅了されてしまう。そして、家族には嘘をつき、さらに年齢を偽ってチームのトライアウトを受験。意外にも、初心者とは思えないポテンシャルを発揮して合格してしまう。年上の個性的な仲間にもまれながら練習を重ね、チームに無くてはならない存在になっていくのだが…というストーリー。
ドリュー・バリモアは、『チャーリーズ・エンジェル』『ドニー・ダーコ』等々、これまでも製作や製作総指揮として参加した作品は数多くあり、元々作り手側えの意欲は高かった人。この度、やっと初監督ということだけれど、結果から言えば、満を持しての登板は大成功。スポーツムービー、グローイングアップムービー、ファミリードラマ、これらの要素すべてがうまく噛みあった青春ドラマに仕上がっている。
しかし、もう一声!という部分はある。ローラーゲームは日本でも大昔に流行ったらしいが、そのスポーツとしての面白さはイマイチわからない。つまりルールがよくわからないのだが、本編の中でも説明はあったものの、それでもルールがピンとこなかった。アメリカではそれこそ、ケーブルテレビなんかで細々とやってたりするので、この程度の説明をしておけば充分なのかもしれないが、私には不足である。
#先日の『しあわせの隠れ場所』よりも決定的に劣るポイントである。
新人監督の気概なのかもしれないが、クライマックスの展開が、お約束のスポーツ物ならばこうするだろうな…というところをあえてはずしてきている。そのせいか、決勝戦シーンの盛り上りが欠けてしまったように見える。ここはもっとベタベタでもよかったかも…と思うが、そうすると、まあまあの作品として埋没した可能性も否めなくて、判断はしかねる。
エレン・ペイジのそんなにかわいくないところが、本作の内容にぴったりだし、ジュリエット・ルイスの悪役は笑けてくるほどハマリ役。どのだれよりも、ドリュー・バリモア本人が一番かわいく撮れているというのも、女のエゴってなぁ…って感じでおもしろい。これまで、アメリカ人がドリュー・バリモアがかわいいっていっているのを聞いて、常々何だそりゃ?と思っていたのだが、ちょっとだけ理解できた。
女子学生からおっさんまで、広い層がおもしろいと感じられる作品だろう。肌がピリピリくるような盛り上がりが随所にあって、娯楽ムービーとしては一級品。受賞歴なんか無くたって、手放しで強くお薦めできる作品。愉しかった。まさか、ドリュー・バリモア監督の次回作を期待することになるとは、思いもよらなかった。
#アメリカのコンテスト馬鹿っぷりは、海外ニュース等で聞き及んでいるが、あまりにアホらしくて正直ピンとこないほど。
負けるな日本
公開年:2009年
公開国:アメリカ
時 間:89分
監 督:マーカス・ダンスタン
出 演:ジョシュ・スチュワート、マイケル・ライリー・バーク、ダニエラ・アロンソ、アンドレア・ロス、マデリーン・ジーマ、カーリー・スコット・コリンズ、ロバート・ウィズダム、ファン・フェルナンデス 他
金庫破りの前科を持つアーキンは、宝石ブローカを営む家庭にて防犯設備を取り付ける作業をしていた。そんな中、元妻が借金の返済ができなくなり追い詰められていることを知り、再び犯罪に手を染めることを決める。作業中に見た金庫を目当てに、再び家に侵入し、いよいよ金庫を開けようというときに、旅行に出ているはずの家の中で物音が。何者かがいると判断し、一旦家の外に出ようとするが、何故か鍵がかかっており出られない。すると家のどこかから、人のうめき声がする。さらに家中には残虐なトラップがあちこちに仕掛けられていて…というストーリー。
『ソウ』という映画が、2000年代の映画業界に一番影響を与えた作品なのかもしれないな…と、考えさせられる。
様々な仕掛けによって、猟奇的な惨劇が繰り広げられる…という基本線は『ソウ』のそれと一緒。二番煎じというか同様のテイストならば、独自の味付け(+α)が必要なのだが、それが本作にあるか否か。
確かに『ソウ』は特異な仕掛けによって繰り広げられる残虐シーンで有名だが、それを繰り広げている“ジグソウ”の、独善的ながらも観ている側が理解できなくもない“義憤”というものがあったと思う。その両輪こそが、シリーズを重ねることができた原動力だと思う。
では、本作の犯人さんには何があるのか。原題は“THE COLLECTOR”というくらいなので、何かを収集しているのだろう。どうやらなんらかのルールで人をコレクションしているらしい。しかし、どういうルールなのかもわからないし、そこまで人を苦しめる理由もわからないし、コレクションする動機もわからない。それにコレクターっていうくらいだから、複数のものを集めてしかるべきだし、カラスの収集だって“光る物”っていう共通点があるのに、この犯人の行動からはそれがまったく見えない。
簡単に言ってしまうと、なんだかわからないのだ。そのくせ、最後はまるでシリーズ物ですよ!続きをお楽しみ!と言わんばかりの終わり方をする。ふざけるなよ…といいたくなる。
途中で銃を使い始める統一感の無さにもがっかり。猟奇シーンこそ、たしかに痛々しくておふざけは無い。そういうグロ趣味の人だけが見ればよろしい。まったくお薦めしない。日本未公開なのも、さもありなん。
公開年:2009年
公開国:フランス
時 間:92分
監 督:リュック・ベッソン
出 演:フレディ・ハイモア、ミア・ファロー、ペニー・バルフォー、ロバート・スタントン、ローガン・ミラー、セレナ・ゴメス、セレニア、ヌープ・ドッグ、ステイシー・ファーガソン、ルー・リード、ジミー・ファロン、ウィル・アイ・アム 他
コピー:ミニモイの国とセレニア姫の最大の危機!
奇跡のファンタジー・アドベンチャー三部作、第二章!
今日は“10番目の満月”の日で、ミニモイの国への扉が開く日。アーサーは、ミニモイに変身して、王女セレニアたちとの再会することを楽しみにしていた。しかし、そんな時、一匹のクモが“HELP”と書かれた米粒を彼のもとに運んでくる。それをミニモイ達からの救難信号と思ったアーサーは、彼らが再び魔王マルタザールから襲われたのではないかと、気が気でない。やっと扉が開く深夜0時がやってきたが、扉を開くために必要な月の光が、突然湧き上がった雲で遮られてしまい…というストーリー。
一作目も観たはずだが、ほとんど記憶にない。たしか行方不明のおじいさんを救出するようなエピソードがあったと思うが、タイトルに“マルタザールの逆襲”とあるように、一作目の悪役もマルタザールだったんだろう。本当に記憶にない。でも、わざわざ観返す気もおきなかった。
でも、結果から言うと、これは一作目の内容を思い出さないと、???のオンパレードになるので、可能ならば観なおしたほうがいいのかも。
公開年としては前作から3年経つが、設定的には何年経ったことになってるのだろう。主人公のフレディ・ハイモアはすっかり成長してしまってかなり雰囲気が違う。
肝心のCGも、動きはよくなったけれど、絵自体は荒くなった気がする。前作ほどの気合も技術の進歩も感じられない。
一番の問題はストーリー構成。一作目は、三部作とはいえども、一つの冒険ファンタジーとして完結できていた。しかし、二作目の本作は、名探偵コナンの前後編の前半のように、ズバっとぶち切れて終わる。言うに事欠いて“こうご期待”だって。名探偵コナンは一週間しか空かないから許せるけど、次がいつになるかわからん状態で、こんな“つづく”状態は、最悪だろう。これで1800円とるのってサギみたい。
それに、本作の内容は、93分も必要な内容ではない。ちょっと長くなってもいいから3本目になる予定の話とくっつけても問題ないんじゃないの?と思うくらい、うすっぺらな内容。お話に大きな山場も緩急も何もない。小ネタの繰り返し。観ていて本当飽きてくる。
ここのところ、こんな感じのファンタジー三部作が多くはないだろうか?このビジネスモデルは成功しているのだろうか。観ている側からすると、はっきりいってイライラするし、少なくとも、続編といえども一つの映画として愉しめるようにつくるべきではなかろうか。もう、エンターテイメント界の害悪なのではないか。
とにかく本作は、三部作が全部揃うまで、観る必要なし。もう、注意報発令作品といってもよい。よって、評価対象ですらない。以上。リュック・ベッソン、もうちょっとしっかりせいや。
負けるな日本
公開年:2008年
公開国:アメリカ
時 間:92分
監 督:ニコラス・ファクラー
出 演:マーティン・ランドー、エレン・バースティン、アダム・スコット、エリザベス・バンクス 他
ノミネート:【2010年/第26回インディペンデント・スピリット賞】新人脚本賞(ニコラス・ファクラー)
コピー:私を忘れてしまった夫 もう一度あなたに恋をする
孤独な毎日を送るスーパー勤務の老人・ロバート。ある日、仕事から帰宅すると、見ず知らずの女性が家の中に。メアリーと名乗るその女性は、最近向かいの家に引っ越してきたといい、ドアが開いていて心配だったから勝手に上がり込んだと釈明する。あまりのことに驚くロバートだったが、思いかけずメアリーに一目惚れしてしまう。そして、そのメアリーからデートに誘われると、今まで女性と付き合ったことがないロバートはみるみる舞い上がってしまい、スーパーのオーナーや同僚たちにアドバイスを求める始末。その甲斐もあってか、2人の交際は順調に進み、みるみる距離は縮まっていくが…というストーリー。
何も知らずに観ることをお薦めする。どんな映画かな?なんて興味を持ったからってネットで内容を調べちゃいけない。直感を信じて、レンタルビデオ屋で手に取ったら、迷わず観始めよう。
老いらくの恋。老人だって恋愛するよね…、そんな微笑ましい展開からスタートする。高齢化社会の今、こんな映画もいいかもね…、小汚いジジィが何やってんだか…、でも自分もいずれ通る道だな…、なんて色々思いながら観ていた。
その進み具合は中学生の恋愛のようにノロノロ。
さすがにその恋愛模様だけで、総時間の半分が経過してしまい、とてもとてもこの恋愛の先に何かがあるとは思えなくなったところで、もしや?!と気付く。これ、サスペンスみたいなもんだよね。
じゃあ、この邦題もコピーもダメだよ。ヒントになっちゃってるじゃん。日本の配給会社、最低ー。
もう、これ以上話しちゃうと、弊害があるので言わないけれど、ズバっと割り切ってミスリードにここまで徹する作品は、そうそう無いと思うので、軽くお薦めする。
公開年:2010年
公開国:アメリカ
時 間:98分
監 督:クリス・ルノー、ピアー・コフィン
出 演:ジェイ・バルシェル、ジェラルド・バトラー、アメリカ・フェレーラ、クレイグ・ファーガソン、ジョナ・ヒル、T・J・ミラー、クリステン・ウィグ、クリストファー・ミンツ=プラッセ 他
ノミネート:【2010年/第83回アカデミー賞】作曲賞(ジョン・パウエル)、長編アニメ賞
【2010年/第68回ゴールデン・グローブ】アニメーション作品賞
【2010年/第64回英国アカデミー賞】作曲賞(ジョン・パウエル)、アニメーション賞
【2010年/第16回放送映画批評家協会賞】長編アニメ賞
コピー:少年はドラゴンに翼を与え ドラゴンは少年に勇気を与えた
バイキング達が暮らすバーク島は、日々ドラゴンの襲撃を受け、代々戦いが繰り広げられていた。バイキングたちは、幼い頃からドラゴンを倒すために訓練を積み、ドラゴンを倒す力を持つ者こそ一人前のバイキングと認められる。しかし、バイキングのリーダー・ストイックの息子ヒックは、非力で落ちこぼれ扱い。そんなある日ヒックは、怪我をして飛べなくなったドラゴンを発見。誰にも気付かれないように、こっそりエサを与え、トゥースと名づける。次第にトゥースと心を通わせていくと、ドラゴンがそれほど恐ろしい生き物ではないことに気付き始め…というストーリー。
“あなたのドラゴンのしつけかた”って原題直訳の方がよかったんじゃないかな。内容が読めてしまうって思ったのかもしれないけど、かといってセンスのかけらもない邦題かと。
冒頭の世界観の説明的な部分が若干モタつきぎみで危うかったんだけど、ストーリーが動き始めたらおもしろいおもしろい。
バイキングとドラゴンとの争いを、異種族間の争いと考えると、『アバター』とタブってる気もする。だけど、異文化和解の物語と捉えて観てしまうと、つまらない。非力な主人公が自らの特徴を生かして、自分の運命を切り開いていくっていうヒロイックファンタジー的なところが、グっとくるのだ。何をいっても周りの人々の理解は得られず、半ば腐りながらも、最終的には自分を信じて進み続ける。それがヘナチョコ少年だっていうんだから、グっとこないわけがない。
トゥースをはじめドラゴンのデザインが中々良い。トゥースは雌?と、一瞬頭をよぎるけど、製作側としては、ドラゴンに性別を持たせないことに腐心しているように見える。ヒロインとヒックの関係にヤキモチを焼く…みたいな要素は排除したかったんだろう。たしかにその方がよい。本作が伝えたい内容の味を削ぐので、正解。
ドラゴンをペットにする感じで、『アバター』ってよりも『ポケモン』に感覚は近いね。
おとぎ話的に綺麗なラストではないけど(観てもらえばわかる)、人間が成長するってことは傷を伴うものだ…という意味なら好感が持てる。
#まあ、心の汚れた大人としては、あれだけバカにされて、言うことを聞いてくれなかった父親と、そう簡単には和解したくないけどね。
女性がどこまで面白く感じるかはわからないが、男の子向けアニメとしてはかなり質は高い。同じアニメで比較すると、昨日の『怪盗グルーの月泥棒』の2倍は満足。強くお薦めしたい作品。
負けるな日本
公開年:2010年
公開国:アメリカ
時 間:95分
監 督:クリス・ルノー、ピアー・コフィン
出 演:スティーヴ・カレル、ジェイソン・シーゲル、ラッセル・ブランド、ジュリー・アンドリュース、ウィル・アーネット、クリステン・ウィグ、ミランダ・コスグローヴ、デイナ・ゲイアー、エルシー・フィッシャー、ダニー・マクブライド 他
ノミネート:【2010年/第68回ゴールデン・グローブ】アニメーション作品賞
【2010年/第64回英国アカデミー賞】アニメーション賞
【2010年/第16回放送映画批評家協会賞】長編アニメ賞
大泥棒グルーは、だれよりもスゴいものを盗んで、人々を驚かせること。しかし、何者かにピラミッドが盗まれ大ニュースに。負けないように、もっとすごいものを盗んでやろうと、月を盗むことを決意。しかし、月を盗むためには、ピラミッドを盗んだライバルの泥棒ベクターから、ある装置を盗まなければいけない。そこで、ベクターを騙すために、養護施設で暮らすマーゴ、イディアス、アグネスの三姉妹を利用することを思いつき、彼女たちを養女に迎え入れ…というストーリー。
ストーリーボードの段階ではかなりイケる!と思ったことだろう。確かにキャラデザインは悪くないし、CGの技術も高いと思う(物体の動きなどとても自然)。しかし、肝心の主要キャラの動きがぎこちない(特に子供の動きに違和感を感じる)。普通の大人の動きをモーションキャプチャーして、むりやり子供の頭身のキャラに当てはめた感じ。
あの黄色い奴の正体は何なのかと、ずっと頭に?マークを浮かばせながら観ていた(かなり後になってわかるのだが)。グルーが街を破壊してもお咎めはないし、泥棒という職業が悪人なのか否かも疑問に思えてくる。正直、世界観がいまいちつかめなくてとまどった。
悪人の心が子供とのふれあいによって変化していくという、ありがちな話ながらも、ほんわかしたいい作品に仕上がってはいる。しかし、笑福亭鶴瓶の吹き替えが、悪人としてのパンチに欠けるので、はじめから良い人の印象なのが逆効果だったかも。
#『ビートルジュース』の西川のりおには劣るかなと(単なるダミ声繋がりで比較する意味は、あまり無いんだけど)。
一番小っちゃい子供の声は人気子役の芦田愛菜かな。声だけでわかるということは、やっぱり何か持ってる子なんだろう。でも、良かったか?といわれると、そうでもない。この二人にプロモーションに参加してもらえば宣伝効果は抜群だろうけど、結局、山ちゃんに参戦してもらってるってことは、本当のプロに締めてもらわないと不安だ…と日本の配給会社は考えたってことかも。まあ、置きにいったストライクって印象。
所詮子供向けだろ…とハードルを下げきって観た人は、充分愉しめただろうが、それなりに期待をしていた人には物足りなかったと思われる。私は後者。でも、子供も大人も一緒に愉しめるという意味では大成功。被災地の子供を集めて上映会をしてあげたくなるような作品。
個人的には、『くもりときどきミートボール』には劣ると思う。大人が週末観る作品としては、特段お薦めしない。
負けるな日本
公開年:2010年
公開国:アメリカ
時 間:140分
監 督:ライアン・マーフィー
出 演:ジュリア・ロバーツ、ハビエル・バルデム、ジェームズ・フランコ、リチャード・ジェンキンス、ヴィオラ・デイヴィス、ビリー・クラダップ 他
ニューヨークでライターをしているリズは、多忙ながらも平穏な結婚生活を営み、幸せな人生を送っているように見えた。しかし、彼女の中には常に何か満たされていないという思いが募っており、とうとう離婚を決意するまでに。離婚調停のさなかに出会った年下の男とも長続きせず、そんな自分の恋愛依存体質にうんざりしてしまう。そこで彼女は自分を変えようと思い立ち、思い切って仕事とも男とも一旦距離を置いて、かねてから行きたいと考えていたイタリア、インド、バリ島を1年で巡る旅に出るのだった…というストーリー。
まあ、都市生活や分業化が進んだ社会になれば、バランスの悪い人間の方が重宝される…どころか、むしろバランスの悪い人間じゃないと生き残っていけないくらい。だから世の中は、モラトリアムな人間や、理想という名の屁理屈にまみれた未熟人間で溢れかえっている。何かが違う!と、その何かが何なのかわかりもしないくせに、むずがゆさにただ理屈をつける。多分、私もその部類の人間。
リズの友人だって一見まともに見えるけど、もっともらしいこと言ってるようで、けっこう幼稚だし、リズが八方塞がりになるのも何となく理解できる。むしろDNAの叫びを素直に受け取っているリズの感性のほうが正常なのかもしれない。
でも、彼女の感じてることはわかるなぁ…と思うと同時に、くだらねえ…という思いが共存するのも確か。大抵の人は折り合いを付けて生きてると思うけど、リズはそうしないでズバっとぶっちきる。その行動力を羨ましいと思う反面、それも1年働かずに暮らせるだけの蓄えがあればこそだよね…と、その非現実っぷりにうんざりしかける。でも、そういううんざりを覆すくらい、イタリアやインドでのできごとが楽しそうに映るのだ。
そりゃ、自分探しの旅とかいって、思いっきりそんな生活ができりゃ、そりゃ楽しいさぁ…なんてイヤミを言う暇がないほど、羨ましいなぁ…愉しそうだなぁ…ってシーンの連続。こちとら男性だけど、リズと一緒になって、日常を忘れられそう。SFやアニメなんかとは種類の違う非現実感が実に心地よい。本作を観て、私も行こう!って思った独身女性は多いかもしれない。
そんな感じだから、私にとって、最後の恋愛の結末なんか正直どうでもよかった。彼女がどういう決断をしようと、どんな答えを見つけようと、この映画の面白さとは無関係。ジュリア・ロバーツの見た目の劣化っぷりのおかげで、彼女に対してハートマークを抱いたり、相手の男性を特に羨ましいと思ったりすることはないので、ある意味心を乱すことなく異国の雰囲気が愉しめる。
“食べて”と“祈って”の部分だけで、大人の現実逃避ムービーとしては一流だと思う。女性向けの恋愛映画だという先入観は捨てて、男性にも軽くお薦めしたい。
#ちょっと、サントラが欲しくなる作品かも。
負けるな日本
公開年:2008年
公開国:スウェーデン
時 間:115分
監 督:トーマス・アルフレッドソン
出 演:カーレ・ヘーデブラント、リーナ・レアンデション、ペール・ラグナー 他
受 賞:【2009年/第63回英国アカデミー賞】外国語映画賞
【2009年/第22回ヨーロッパ映画賞】作品賞、音楽賞(ヨハン・セーデルクヴィスト)
【2008年/第14回放送映画批評家協会賞】外国語映画賞
コピー:怖ろしくも、哀しく、美しい12歳の初恋
ストックホルム郊外のアパートで母親と2人で暮らす12歳の少年オスカー。同級生からのいじめに耐えながら、いつか復讐しようと悶々とする日々。そんなある夜、オスカーはひとりの謎めいた少女と出会う。彼女は、隣の部屋に引越してきたエリという名の少女。次第に言葉を交わすようになり、心惹かれていくオスカー。その頃、町では猟奇的な殺人事件が次々と発生し、住民たちは不安に包まれるのだったが…というストーリー。
いままでにみたヴァンパイア映画の中で、ぶっちぎりの一位。アイドル映画まがいの『トワイライト』なんか、まるで鼻クソのレベルである。もう本作をみちゃったら『トワイライト』の次回作なんかどうでもよくなってしまう。
冬の北欧(かつ1980年代の設定)という、変に都会だったり田舎だったりしない具合が、内容にベストマッチ。凍てつく夜の空気が、幼い二人の恋のコントラストを際立たせる。
この監督は相当ウマい。最後のプールのシーンなんかは、映画史に残る演出かもしれない。
最後のカットで、父親と思われていた男が何者だったか、そしてオスカーがどういう道を選択したのかを示唆しているのだが、とても簡潔に表現できていて感服する。救いのない結末なのに、妙に魅力的に映るのは、それが初恋の純粋さ故なのか。ああ、コレが耽美というものか…と、久々にいい空気を感じながらエンドロールを眺めた。
これは、是非是非是非、観るべき。強くお薦めしたい作品。技術的な穴も見当たらないし、傑作だと思う。ハリウッドが食指を伸ばしそうな感じだけど、すっかり完成しているので、リメイクなんかして汚さないことを祈る。
#その後、オスカーが同じ道を歩まずに、病院に忍び込んで輸血用の血液を調達するなり、知恵を発揮してくれればいいのに…なーんて思うけど
負けるな日本
公開年:1998年
公開国:アメリカ
時 間:94分
監 督:ジョン・アミエル
出 演:ビル・マーレイ、ピーター・ギャラガー、ジョアンヌ・ウォーリー、アルフレッド・モリナ、リチャード・ウィルソン、ジョン・スタンディング 他
コピー:その男は本当に知らなかった!![ダイ・ハード]より運がよく、[007]より女にモテ、ヒッチコックよりも先が読めない映画史上最強のウルトラC級スパイ・ムービー。
アメリカ在住のウォーレスは、ロンドンで銀行に勤務する弟ジェイムズから、誕生日のお祝いとしてイギリスに招待される。そして弟は、参加者が主役となって俳優たちに混ざって生のドラマが体験できるという、演劇体験ゲーム“ライブ劇場”のチケットをプレゼントする。そのゲームは、街角の公衆電話で助けを求められるところからスターとするが、偶然、本物の殺しの指令電話がかかってきてしまい、英国とロシアの諜報機関による陰謀に巻き込まれていく…というストーリー。
タイトルからすると、ヒッチコック監督の『知りすぎていた男』が元ネタなのかな(でも、観たこと無いから比べようがないけどね)。
ボケるどころの騒ぎではなく、頭から最後まで完全に何も知らないまま突き進む。Mr.ビーンレベルでずっと勘違いしまくるのだが、ビル・マーレイがここまでのボケ役をやるイメージがなくて、違和感を感じた。多分、『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』『天才マックスの世界』とか『ロスト・イン・トランスレーション』なんかの、飄々としていながらも充分に正気が残ってる彼の役柄が好きで、ここまでネジが飛んでいる役を見慣れていないからかもしれない(『ゴーストバスターズ』でもここまでではなかったと思う)。
演劇体験ゲームというかなり無理のある設定から始まり、スパイ小説に出てきそうな展開をずらっと用意して、あとは主人公にゲームだと思わせ続けるだけ…というプロット。基本的にはヒネりも芸もなく(まあ、そういう原作なんだろうけど)、シナリオにもうちょっと力が注がれていればなと思う。とても『薔薇の名前』の脚本家が関わっているとは思えない。とはいえ、結局最後までブレることなく貫いたことで、なんとか成立させたともいえる。
大抵なら『オースティン・パワーズ』みたいに下品な方向に寄っちゃうんだけど、極端なお下劣表現は一切なし(途中で出てくるSM夫婦なんてかわいいもんでしょ)。逆にこの品行方正な感じに堪えられるかどうかが、愉しめるか否かの分岐点かもしれない。まるで笑点の大喜利を1時間半観せられる感覚に近いかもしれない。
私はそれなりに愉しんだ方だと思うが、さすがに、ラストのビーチでのくだりにはうんざり。一人で観るには物足りないけど、だれかと一緒に観るなら、気まずくなることがない安全な作品といえる。用途限定で軽くお薦めする作品。
負けるな日本
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |