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公開国:アメリカ
時 間:102分
監 督:ゲイリー・フレダー
出 演:ゲイリー・シニーズ、マデリーン・ストー、ヴィンセント・ドノフリオ、トニー・シャルーブ、ティム・ギニー、リンゼイ・クローズ、ゲイリー・ドゥーダン 他
コピー:侵略者は捕獲し、複製する。
西暦2079年。地球は異星人ケンタウロスと戦争中で、青い空と豊かな大地の大半を失った人類はドームの中で生き延びていた。科学者スペンサーは異星人を撃退するための兵器開発に携わっており、軍極秘プロジェクトの議長との会談を控えていた。いつものように出勤すると、特殊部隊ESAのハサウェイ少佐が現れ、逮捕されてしまう。その理由は、本物のスペンサーは既に殺されており、今ここにいるスペンサーはケンタウロスが作ったクローンだという。さらに、体内にはウラン爆弾が仕掛けられており、標的である議長に近づくと爆破する仕組みなっていると。以前に捕まった同様のクローンから爆弾が取り出される映像を見たスペンサーは、このままでは処刑されてしまうと思い、一瞬の隙をついて脱出。自分が本物であることを証明するために、地下組織の人間と手を組み、とある場所を目指す…というストーリー。
宇宙人と交戦状態にある社会という設定なのだが、作中は宇宙人不在。これは、長けてた演出だと思う。
極めてSF的な設定から逃走劇へ。しかし、スペンサーは本物か否かという疑問、そして細胞レベルまで同じで、本人もコピーであることを知らなければ本人だろ?っていう、SFではお馴染みの視点が、人間のアイデンティティとは何なのかという哲学的な視点に昇華して、非常に味わい深い作品に仕上がっていると思う。
テンポもアクションもやりすぎの一歩手前で、好感が持てる。妻との一連にくだりは、伏線としても引っ掛けのネタとしてもウマかったと思う。
(以下、ちょっとだけネタバレ)
あの恣意的で高圧的ながら、どこか抜けているESAの少佐が最後まで悪役を通す。最後にコイツが破滅するんだろうな…と予測していたが、どんでん。そこに、本当の遺体があるんだから、そっちを抱きしめるべきだと思うんだが…なーんて思いつつも、「うーむ、角度を変えてきたな…」なんて考えていたら、さらにどんでん。やっぱり破滅。良く出来ている。
#ちょっと、『セブン』的な空気も漂う。
観客は弄ばれぎみになってしまうけど、騙されても満足。さすがディック原作。
観終わってから考えると、なんとなく爬虫類的な目のゲイリー・シニーズはいいキャスティングだったと思う。
「知っている人?」「そう信じたい」。要所要所でいい台詞がある。同じディック原作の『トータル・リコール』よりも良いデキだと個人的には思うのだが、世の評価はそうではない模様。いや、こっちのほうがウマいと思うなぁ。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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