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image1665.png公開年:2008年 
公開国:カナダ、フランス
時 間:104分
監 督:ヴィンチェンゾ・ナタリ
出 演:エイドリアン・ブロディ、サラ・ポーリー、デルフィーヌ・シャネアック、ブランドン・マクギボン、シモーナ・メカネスキュ、デヴィッド・ヒューレット 他
コピー:禁断の実験で生まれた“美しき新生命体”──




天才遺伝子科学者のクライヴとエルサは、複数の動物の遺伝子を融合させて未知の生物を作り出し、そこから人類に有益なたんぱく質を採取するプロジェクトに参加していた。しかし、企業内の倫理コードに阻まれ、思うように研究を進めることができず、その苛立ちから別の研究所で独自に遂行することに。やがて、人間と動物の遺伝子を合成させた生物を産み出すことに成功。2人はその生き物を“ドレン”と名付け、極秘に育て始めが、ドレンは驚くべき速さで成長し、徐々に人間の女性の姿に近づいていくのだった…というストーリー。

『スピーシーズ』と似てはいるが、あっちは行為の時は人間のフォルムだったけど、こっちは異形の実験動物だものな。
ヴィンチェンゾ・ナタリ作品の特徴って、荒唐無稽にならないギリギリの線の科学ギミックと、軽く吐き気を及ぼすような演出って共通点があると思う。だから、いまさら『CUBE』ほどの独創性を感じない。

一番よくないのは、あわよくば続編ができるように…という終わり方をしているところ。『キューブ』で味をしめているのが見え見えなのだが、いつも言っているが、続編ができることなんか気にしてるようでは、ヌルい作品になるのだ。一作入魂だっつーの。

まあ、興味深い点もないわけではない。当初の肉塊のような生物が次第にエルサに近づいていく様子。恐ろしい異形の生物よりも、微妙な線で人間に似ているほうが、よっぽど恐怖を感じるということを証明してくれている。いろんな生物のハイブリッドという設定で突き詰めていくと、ああいう造形になるんだろうな…っていうデザイン面の説得力もある。

それに、人造生物っていうありがちなSF設定ではあるが、女性がパートナーとの子供じゃなくって、純粋に自分の子供を求めるっていうのが、なんとも現代世相らしくてユニークだと思う。

SFであることを考えると、可もなく不可もないというところだろう。アメリカ作品でないことも、ありがちなハリウッド作品とは色合いの違いが生まれている遠因なんだと思う。お薦めはしないが警告もしない。

#エイドリアン・ブロディはオスカーを獲ってしまった余裕からなのか、逆にオスカー俳優のイメージを払拭したいからなのか、このレベルのキワモノ作品に躊躇無く出演している気がする。これが彼にとっていいことなのかどうか…。




負けるな日本

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