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公開年:2001年
公開国:日本
時 間:137分
監 督:佐藤純彌
出 演:大沢たかお、長谷川京子、柄本明、生瀬勝久、渡辺裕之、加藤清史郎、中村ゆり、渡部豪太、須賀健太、本田博太郎、温水洋一、北村有起哉、田中要次、坂東巳之助、永澤俊矢、池内博之、榎木孝明、西村雅彦、伊武雅刀、北大路欣也 他
コピー:幕末リアリズム。
日本の未来を変えた、史上最大の事件
嘉永6年(西暦1853年)、浦賀沖にペリーの黒船が来航し開国を迫る中、幕府内では、井伊直弼ら南紀派と、水戸藩主・徳川斉昭を筆頭とする一橋派の対立が激化していた。諸々の巧策によって大老に就任した井伊は、天皇の意見を仰ぐことなく独断で開国を進め、徳川斉昭らを排斥。さらには尊王攘夷派を大量粛清した安政の大獄へ繋がっていく。これ以上の井伊の専横を防ぐにはもはや暗殺以外に手立てはないと、関鉄之介ら水戸藩士17名に薩摩藩士・有村次左衛門を加えた襲撃実行部隊が組織され、実行の機会を狙うのだったが…というストーリー。
小学生の歴史の授業でも出てくるので、事件の名前と“いいなおすけ”というキーワードは誰でも浮かぶだろう。でも、事件の内容とか経緯は良くわからない人が多いはず。そして私もすぐには思い出せず、観ながら「ああ、そうか」と思い出した、そんな感じ。
昔、NHK教育テレビでは、小額6年生の社会科番組で再現ドラマのようなようなものがあったが、本作を観ながらそれを思い出した。ほんとに映画というよりも教材みたい。挿絵や止め絵でのナレーションに字幕での説明。ストーリー的に重要ではない誰だか判らない人物の氏名・年齢・刑罰内容にダラダラと時間を割いてみたりと、歴史マニア以外おもしろく感じるわけがない演出が多々ある。
全体的な構成もちょっと意図がわからない。
国を憂いて売国奴を誅滅することに命をかけた男たちの心意気を賛美したいのかと思ったが、早々に暗殺の件は終わる。では、そんな義心をもって人たちの思いが報われない悲哀とせつなさを見せたいのか。でも、その割には、後半は逃げ回って徐々に捕まっていくだけで、特段何かがあるわけでもない。
国会議事堂と桜田門が近いというのは、「へぇ」と思ったが、この作品の中で、わざわざ差し込むのは何故か。単なるトリビアなのか、現在のグローバルスタンダード至上主義を非難しているのか(もう、そんな傾向も下火だが)、現政権の批判なのか(製作中に政権交代があったので、どっちの政権を批判したのか、よくわからないけど)。
結局は、歴史的な事実を整理して、こうやって日本の礎はできてきたんだよということを紹介したいのか。でも、それにしてはずいぶん水戸藩を贔屓した内容に思える。現実を無視して攘夷攘夷と騒ぐところまでは、百歩譲って許すとしても、井伊暗殺は攘夷のための手段だったのに、途中から目的に変質してしまったことに気付かない愚かさよ。他藩が手を引いたことをまるで裏切りであるかのように言っているが、最終目的である攘夷の手段として井伊暗殺が最適では無いと判断したから引いただけ。坂本竜馬が「今はその時期ではない」と言うのは、目的を果たすために、現時点では最適な手段ではないよ…といっているわけで、至極もっとも。それすら理解できないほど、私怨で頭が麻痺している。これでは単なるテロリストと言われても仕方があるまい。
私は、このように、手段を目的化してしまった組織をクレイジーだと思っており、自分への戒めとしているので、まったく共感できない。むしろ害悪だとすら思う。
ということで、歴史事実を整理しているようにみえて、製作している側も狭い視点で製作しているように思える。こんなことなら、多少事実から逸脱しても、軽率なことやってしまった人間に悲哀、そうやって突っ走っちゃうことってあるよね…っている誰しも経験したことがある理想へのこだわりゆへの失敗なんかにフォーカスを当てたほうが、おもしろくなっただろうと思う。
ということで、“他人に観てもらう”という意味で腰が座っていない作品なので、お薦めできない。
#中途半端に濡れ場があるから、歴史のお勉強ってことで子供に見せることもできないし…。使えねえ。
負けるな日本
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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