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公開国:タイ
時 間:130分
監 督:ウィシット・サーサナティヤン
出 演:アナンダ・エヴァリンハム、ヤリンダー・ブンナーク、ワナシン・プラスータクン、ポンウット・サーラシン 他
2016年、犯罪と腐敗が横行する都市バンコク。絶望感が支配する世界に、堕落した政治家とギャングを次々と処刑するヒーロー、レッド・イーグルがいた。しかし、若き刑事チャートは、レッドイーグルをただの殺人者とみなし、彼の逮捕に熱意を燃やしている。また、政府要人やギャングによって組織されている秘密結社マトゥリも、刺客ブラック・デビルを雇い、レッド・イーグルを追い詰めようとする…というストーリー。
昨日のとはタイつながりでチョイスしたのだが、始めに言っておく。予想の斜め上をいく珍作だった。とにかくヒーロー物っていうのが、まったくわかっていない。
まず、冒頭のTV討論番組の内容の段階でNG。まともな人間は鬱憤を晴らしてくれるヒーローなんか求めちゃだめ!って、そんな正論を言っちゃあダメでしょ。そうは言えども、観客の心の奥底にあるヒーローを待望する心や、勧善懲悪を望む心を刺激するからこそ、ヒーロー作品ってのは成り立つ。現実がそうでないことは百も承知してるのに、それを突きつけるなんて、観客をいきなり興醒めさせてどうするのやら。
タイ映画にはありがちなんだけど、他国の作品では有り得ない構成なの。
最後の方になるまで、レッドイーグルの正体がわからん。謎にしてるとかじゃなくって、正体の人すら、本当に登場してこないんだもん(新聞記者が正体なのか?とかフェイクかましてるわけでもない)。そして、最後まで観ても、なんでこの人がそこまで強いのか、そのスーツはどこから入手したものなのかさっぱりわからない。
さらに敵の組織もよくわからない。ものすごいテクノロジーを持っていて、そんだけのことができりゃ、一人の仮面被った男が暴れようが、どうにでもなるんじゃね?と思うくらい。敵味方のバランスの悪さが半端ない。
話の根底にある“原発反対”のロジックもいまいちよくわからない。
タイ発展のことを考えて、必要な電力量のことを考えたら、石油に変わるエネルギーなんて原発しかないじゃん…っていう推進派の理屈に対して、ヒロイン(っていっていいのかわからんけど)がまともな反論ができていないのがトホホの極み。あまり大風呂敷広げないで、判りやすい“悪”にすりゃいいのに。
政府は買収したり圧力をかけたり悪いことしてるに決まってる…という、決め付け設定で話は進む。敵がぼやけているのは、ヒーロー物として致命的である。
やっぱりヒーロー物の醍醐味がよくわかっていなんじゃないかなと思うシーンは他にもある。
途中でヒロインが「自分のことを救えないヒーローが、他人を救えると思う?」とか言う。むしろ救う気になるから。自己犠牲だから。ヒーローってそういうもんだから(笑)。
タイ映画といえば生身のアクションシーンなんだけど、はじめから超人どうしの戦いなので、アニメの戦闘シーンを観てる感覚で驚きがない。ラストの決戦など、凡庸で飽きる。その戦いの末に、なんと「つづく」で終わるという、ビックリ作品。ラストに“初代レッドイーグル”に捧げる…とかテロップが入ってギョっとする。タイでは昔からあるヒーローらしいわ。
技術では日本映画に決して劣っていないと思うんだけど、とにかく“物語”が作れないのが残念極まりない(そこの壁さえ越えれば、サブカル的な側面で、日本のライバルになると思うよ)。
未公開なのみ至極納得。もちろんお薦めのしようがない。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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