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公開国:香港、中国
時 間:115分
監 督:ピーター・チャン
出 演:ドニー・イェン、金城武、タン・ウェイ、ジミー・ウォング、クララ・ウェイ、リー・シャオラン 他
コピー:挑むは、偽りの真実。
1917年の雲南省の小さな村で、両替商に押し入った2人組の強盗が、紙職人ジンシーともみ合っているうちに死んでしまうという奇妙な事件が発生した。事件を担当する捜査官シュウは、死んだ強盗の一人が名手配中の凶悪犯イェンだと気付く。イェンは武術の達人だったことから、いくらジンシーが必死に抵抗したとしても、丸腰の彼が偶然倒してしまうことがあり得るか?と疑問を抱く。さらに死体をくまなく調べると、高度な殺しのテクニックが使われている可能性が上がる。シュウは、真面目でおとなしいジンシーの素性を疑い始めるのだが、ジンシーは村を救った英雄として祭り上げられ…というストーリー。
金田一耕助の中国版かな…と思ってレンタル。金田一耕助の世界観である、因習が残る地方の村と、戦後まもなくの何でもありの舞台っていうのは、中国にもマッチするに違いない。いや、むしろ中国のほうが面白くなるかも…。
大変期待したのだが、原題は“武侠”なんだな。ここがその作品にポイントだった。
前半は予想したとおりに、派遣されてきた捜査官が、比較的近代的な捜査技術を用いて、真犯人を捜してく流れ。身なりも特徴的で、物腰はやわらかく、そのくせ鋭い考察力で、金田一耕助に近い。ちょっとく薬でやられちゃってるところは、原作の金田一耕助に近い。きっかけとなった事件は解決したものの、ジンシーの行動や死体の状況がどうも引っかかり、村の英雄に祭り上げられたジンシーを、個人的に調査をする。この流れはなかなか興味深い。
しかし問題は、推理劇からアクション劇にシフトするところの、違和感がハンパないことだ。そして、その間、主人公と思っていた金城武演じる捜査官シュウが、お留守になってしまう。というか、前半に作り上げたキャラが台無し状態に。
所詮香港の作品なので、カンフーアクションを差し込まなければ観客も満足しないは仕方が無いにしても、ジンシーが主役に踊り出るのはまずい。この構成のマズさが、敗因だと思う。
#というか、こういう内容なのに、“捜査官”にスポットをあてる邦題ってのが騙す気マンマン、悪意満載なんだよね。
過去に発生した猟奇殺人で、二人に繋がりがあったというのは、悪いシナリオではない。しかし、肉屋での猟奇殺人が、個人による犯罪ではなく、組織犯罪だったという流れは興醒めする。日本人にはこういう集団での猟奇殺人がピンとこないから。中国人は日本人こそ、軍でおぞましいことをやったではないか! というかもしれないが、残念ながらそれはほぼ中国側の捏造である。日本でこういうことが起こるのは、個人もしくは少数での犯行。金田一耕助で猟奇殺人の犯人が集団だったなんてことないでしょ。桐野夏生の『OUT』でせいぜい4人だもんね。日本人のメンタリティにはそぐわないんだ。自分たちにそういうことができるから、相手もできるだろうと勝手に思い込んでいるのだろうが、集団行動で抑制が効かなくなるのは中国人の特徴である。文革も反日デモでも証明済だろう。
犯人にリアリティが感じられなければ、サスペンス物はつまらなくなる。というか、後半は謎解きなんかどうでもよくって、単なる、1対他のアクション物に変貌してしまう。冒頭で紹介されていた猟奇殺人犯の例は、個人だったのにね。なかなか練られているな…と思ったのに、“七十二地刹”って…、実にがっかりさせられた。
捜査官シュウがジンシーを助ける理由が、中途半端な贖罪意識というのもいただけない。彼を助ける強固な理由が欲しかった。そして最後は落雷で解決って、いくらなんでもさ。凡作以上の評価を出せる要素がない。期待していただけに残念。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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