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公開年:1997年
公開国:ドイツ
時 間:90分
監 督:トーマス・ヤーン
出 演:ティル・シュヴァイガー、ヤン・ヨーゼフ・リーファース、ティエリー・ファン・ヴェルフェーケ、モーリッツ・ブライブトロイ、フープ・スターペル、レオナルド・ランジンク、ラルフ・ヘアフォート、コーネリア・フロベス、ルトガー・ハウアー 他
除去不可能なほど脳腫瘍が肥大したマーティンと、末期の骨髄腫のルディは、偶然、同部屋でベッドを並べていた。病室でおかまいなしに喫煙するマーティンにルディはいらつき、はじめは険悪な雰囲気だったが、お互い死期が迫っている者同士であることが判ると、急速に距離を縮める。病室を抜け出し、食堂でテキーラをこっそり飲んでハメははずした二人は、まだ見た事が無い海に行こうと思いつき病院を抜け出す。駐車場にあったベンツを盗んで旅をはじめる二人だったが、そのベンツはギャングの所有物で、中には大金が積まれていたため、ギャングから追われることになる。思いつきで旅に出てしまった二人は、すぐにお金に困ってしまう。マーティンは、車に大金があることも知らず強盗を働き…というストーリー。
ハリウッドとは違うノリが実に小気味良い。お互い死ぬことが決まっていて、偶然にも同部屋だったから交流しただけであって、粗暴で女ったらしのマーティンと、パッとしない風体にうじうじした性格のルディは、あまりに性格も価値観も行動様式も違い、本来は絶対に交わることなどないはずだった。
死期が迫って自暴自棄ぎみになった二人によるロードムービーなんて、珍しくもないストーリーなんだけど、カー・チェイスや強奪劇は、それほど過激ではなく、軽妙にうまく描けていると思う。途中、スポット的に差し込まれる音楽もなかなかよろしい(The offspringの『Come Out&Play』みたいな曲だったけど、別の曲か?洋楽は詳しくない。すまぬ)。
この軽妙さと、二人はもう死んでしまうんだ…という重さとのバランスが、非常にいい味になっている。ただ死ぬんだ…という設定だけでなく、マーティンがちょくちょく発作を起こすのが効いているんだよね。そのピンチによって、ルディの行動にも影響を与えるし、後々その発作をウマくつかった脱出劇もあるし。
死ぬ前に自分がやりたいことを言い合うんだけど、その望みが片方のキャラクターが言いそうな望みなのがおもしろい(望みが何かは観てくだされ)。もう死期が迫っている二人ということで、成長や変化という部分は描きにくいテーマなんだけれども、その部分は“心の解放”という形で描かれていて、非常に好感が持てる。
最後、ギャングのボスは、なぜ二人を許したのか。二人の病状を知ったから…だけではちょっと弱いなと感じる。何らかの仕掛けか、泣きエピソードか、ここで一工夫あったら、最後の海のシーンもガツンを効いてきたことだろう。その点はちょっぴり残念かな。でも、是非お薦めしたい作品。
#劇中で“ヘルシンキ・シンドローム”という表現が出てくるが、“ストックホルム・シンドローム”ではないのけ?
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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