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公開国:アメリカ
時 間:103分
監 督:ラリー・ピアース
出 演:トニー・ムサンテ、マーティン・シーン、ボー・ブリッジス、セルマ・リッター、ブロック・ピータース、ルビー・ディー、ドナ・ミルズ、ジャック・ギルフォード、エド・マクマホン、ダイアナ・ヴァン・ダー・ヴリス、マイク・ケリン、ジャン・スターリング、ゲイリー・メリル、ロバート・フィールズ、ロバート・バナード 他
深夜のニューヨーク。チンピラ2人組のジョーとアーティは、金欲しさに通りすがりの老人から強盗したうえ撲殺してしまう。その頃、午前2時をまわった電車には、続々と帰宅を急ぐ人が乗り合わせていた。4歳の娘を連れたサラリーマンのウィリクス夫妻。若いカップルのトニーとアリス。息子夫婦のことで言い争う老夫婦ベッカーマン夫妻。テフリンジャー1等兵とカーマッティ1等兵。高校教師パービスと夫に不満のある妻ミュリエル。アルコール依存症で妻に逃げられたダグラスと、酒場から彼を追いかけてきたゲイのケネス。夫が白人嫌いである黒人のロビンソン夫妻。そこに、ジョーとアーティが乗車し、すでに泥酔して寝込んでいた浮浪者に悪戯をしはじめ、社内に不穏な空気が流れ…というストーリー。
冒頭のならず者っぷりから、なかなかハードでスピーディな展開が期待されたが、その後は、順番に言い争う二人組が登場し、みんなが電車に乗り込んでいく。いったい何組登場するのだ?というくらい登場してくる。まだ出てくるのかよ!と、そこまでくるとお笑いコントじゃねえか…ってくらいで、酒場のゲイと黒人夫婦にあたりになると、本当に笑いがこみ上げてきた。
相当時間が経過してやっと冒頭で殺人を犯したジョーとアーティが乗車。いきなりのスルスロットル。都合よく車両のドアが壊れていたりして、浅はかな演出が鼻に付くのだが、とにかくジョーとアーティのクレイジーっぷりがヒドいのでそっちに気が集中する。
とにかく彼らの暴力は理不尽極まりない。観ている方は、イライラマックスになってくる。肩に力が入って、肩こりしてくるほど。こりゃあ『ファニーゲーム』だ。ファニーゲームが1997年製作だから、30年も前に同じアプローチの作品がアメリカには存在したわけだ。
(以下ネタバレ)
しかし、『ファニーゲーム』ほど理不尽さを追求できていない。黒人差別とか、口だけで一皮剥いてしまうとちっぽけな人物を皮肉ってみたりするとか、中途半端な要素がちりばめられる。いざ歯向かってみたらそれほど強くもなかった…という展開も、あまり面白くはない。
演出の方向性に腹が据わっていない部分はあるが、1967年当時を考えると、斬新であったことは事実。何とも釈然としない展開と後味の悪さのせいで、大ウケすることもなかったろうな…と思えるのだが、まさに“早すぎた”一作と言える。観終わった後は、虚無感と気まずさが、画面の中にも、観客の心の中にも溢れてくる。妙味あふれる作品。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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