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公開年:2006年
公開国:アメリカ
時 間:100分
監 督:リチャード・リンクレイター
出 演:キアヌ・リーブス、ロバート・ダウニー・Jr、ウディ・ハレルソン、ウィノナ・ライダー、ロリー・コクレイン 他
コピー:オレを監視<スキャナー>しているオレがいる。
近未来のアメリカでは、“物質D”と呼ばれるドラッグが蔓延。覆面麻薬捜査官のボブは、物質Dの供給源を探るため自らジャンキーとなり潜入操作しているが、捜査官の正体は完全に秘密扱いのため、捜査対象組織の中の誰がボブなのか、上司や同僚すらもわからない。そんな中、ジャンキーとしてのボブが密告されてしまい、彼は自らを監視するハメになってしまう。さらに、捜査官として疑われないように自ら摂取していた“物質D”が脳を侵しはじめ、彼は自らのアイデンティティを次第に見失っていく…というストーリー。
鑑賞は2回目。以前は返却期限ギリギリだったため、しっかり観られなかった上に、元々、このデジタル・ペインティング手法はどんなもんか…という興味だけで借りていたので、内容をあまり注視していなかった。
おとり捜査のために摂取した麻薬に加え、二重生活のストレスで本当に自分を見失ってしまう過程が、この映画の見所だ。ネタバレなのではっきりは言わないが、騙し騙されの展開の末に、ボブはおとり捜査の裏に気付く。それで全てが終わったように見えるが、最後にもう一枚騙しが加わる(本当はこれから…ってこと)。原作は、さぞや面白いんだろうな…と感じさせてくれる。
この展開はは大変よろしいのだが、演出方法がよろしくない。本作では、結局この物質D流通の黒幕が誰なのかはまったく判らない。ボブがどうなるかもわからない。示唆すらされない。でも、この演出だと、「どうなるの?」と強く期待してしまう。あくまで騙し騙されの過程を楽しむことをメインにしたいなら、変に期待させるようなラストの展開は好ましくない。
続編があるわけでもなし、見ている側は、ひたすらモヤモヤと知りたい欲望を抑えなければいけない。手の届かない異性に恋しそうになったら、無意識に人は忘れようとするだろう。それと同じように、観終った後、無意識に本作のことを深く考えるのをやめよう…という気になっていたのは私だけだろうか。悪い内容ではないのに、話題にならないのは、このせいだと、私は思っているが…。
目玉の“ロトスコープ”というデジタル・ペインティングだが、よい効果を生んでいるとは言いがたい。
まず、(予想だが)撮影した画像をコンピュータに取り込んで、その画像の陰影を階層化して(1フレームごとに階層化しているのかはわからないが)着色範囲を決定。その後、1フレームごとに着色しているんだろう。まさに力技。着色自体は高い芸術性も技術も不要なので、大量のバイトを総動員したに違いない(守秘義務契約だけでもたいへんだろうから、美術とかコンピュータ専攻の学生と、学部単位でまるごと契約したりしたのかもしれないね)。
で、このアートのように見せかけて実際は芸術性など介在しない工程の結果として、半分以上のシーンは、実写となんら変わりが無い。結局は、覆面スーツとドラッグの影響により出現した虫以外に、この技術を用いた意味は薄い。ようするに費用対効果が小さいのだ。もっと、実写感が薄れるような効果が得られれば、“独特の世界観”と高く評価されていただろうが。案外、日本人がやればおもしろいものになっていたと思うので、ダメ元でだれかやってみてもいいかも。
このストーリー自体はものすごくおもしろいので、別の手法で再映画化してもらいたい。ふつうのCGでいい。けっこうモヤモヤするので、お薦めはなしない。わざわざ観る必要はないかな。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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