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公開年:2001年
公開国:アメリカ
時 間:145分
監 督:リドリー・スコット
出 演:ジョシュ・ハートネット、ユアン・マクレガー、トム・サイズモア、サム・シェパード、エリック・バナ 他
受 賞:【2001年/第74回アカデミー賞】音響賞(Myron Nettinga、Michael Minkler、Chris Munro)、編集賞(ピエトロ・スカリア)
コピー:僕たちはもう、戦う前の僕たちには戻れない
1993年、泥沼化した内戦を鎮圧するためソマリアに派兵したアメリカ。芳しくない戦況に焦りを感じたクリントン政権は、敵対するアディード政権の本拠地への奇襲作戦を決行。作戦は時間ほどで終了する予定だったが、敵の予想外の反撃により、ブラックホーク(ヘリ)が撃墜されてしまい、敵の真っ只中で兵士達は孤立してしまう。その後の救助はうまくいかず、その間に、兵士たちは必死に応戦するが、次々と相手の攻撃の前に倒れていく…というストーリー。
ベトナム戦争などとは違って、このソマリア派兵自体の意義をどうこう言う人は、さほど多くないように思える。内戦なので他国は干渉すべきでないという原論的な意見はあるだろうが、(本作の中でも説明されていたが)“虐殺”と判断され、且つその判断が国際的なコンセンサスを得ていれば(大抵、国連による非難という形になるが)、その鎮圧とその後の平和維持を目的として派兵することはさほど不自然ではない。特に一部の武装勢力が無法に他人民を抑圧・虐殺している場合などは。
ただ、“ソマリアへの派兵自体”だけを切り取って見れば、の話である。元々は、冷戦時代には、エチオピア(=ソ連が支援) VS.ソマリア(=アメリカが支援)という、世界中のどこにでも見られた代理戦争の舞台。その後の冷戦終結により両国は撤退するも、アメリカというかりそめの秩序を失ったソマリアでは、アメリカが残した武器によって氏族間の内戦が激化したわけである。そういう意味では、やらざるを得ない自分の尻拭いではある。
ただ、どうも本作は、その内戦の背景にまで遡って、問いかけをしているようには見えない。純粋な“戦争映画”として戦況を刻々と追い、戦争を舞台にした人間ドラマにスポットを当てようとはしていない(キャストはそこそこ豪華だが、戦闘中は顔も演技もよくわからないしね)。逆説的に反戦映画になっているか?というと、そうでもない。じゃあ、ケン・ローチのような客観的な視点で淡々と描かれているか?というと、そうでもない。“アメリカ万歳映画”と見る向きもあるが、たしかにベトナムの時のように、苦労して自国に戻ってみたら人でなしと言われるような状況は避けたいペンタゴンとしては都合がいいだろう(同胞のためにこんだけ苦労してるんだからさ~ってね)。でも、作戦自体が成功しているわけではないので、完全に肯定的とはいえないだろう。実際、この作戦で、アメリカ人の犠牲者は19人で、ソマリア人は1000人以上。まず、これって“作戦”だけど“戦争”か?って気にもなる。このなんともいえないモヤモヤを、とりあえず脇に置いて観ると、やっぱり激しい戦闘シーンだけが残滓となる。結局、私にはよくわからない映画ということなんだなぁ。
先頭シーンは大変秀逸で迫力満点ではある。だけど、『プライベートライアン』に劣るとは思わないが、特段、それを超えたとは思えない。人間ドラマが希薄だったり反戦アピール作品ではないところを、高く評価する人が結構いるのだが、「こういう映画をまっていた!」とかまでいわれると、引いてしまう。古臭いのかもしれないが、私は戦争映画は(表現がストレートでなくても)反戦映画であってほしいと思う。そういう評価をする人とは、友達になれそうもない…とすら思うのだが、皆さんはどうかな。個人的にはお薦めしない。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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