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公開年:1996年
公開国:アメリカ
時 間:121分
監 督:スパイク・リー
出 演:チャールズ・S・ダットン、イザイア・ワシントン、ヒル・ハーパー、アンドレ・ブラウアー、トーマス・ジェファーソン・バード、オシー・デイヴィス、アルバート・ホール、ハリー・レニックス、リチャード・ベルザー、デオウンドレ・ボンズ、ガブリエル・カソーズ、バーニー・マック、ウェンデル・ピアース、クリスティン・ウィルソン 他




1995年10月14日。2日後に、ワシントンで黒人の自由と権利を訴えるミリオン・マン・マーチ(100万人の大行進)が行われる。そこに参加するためのバスツアー一向がロサンゼルスを出発する。参加者は、様々な事情の12人の黒人たち。裁判所の命令に従い犯罪を犯した実の息子を鎖で繋いだまま参加しているエヴァン。キャリアはほとんどないくせに口だけ達者な俳優フリップ。その他、ゲイのカップルや、イスラム教信者、片親だけが黒人の警察官。そしてベテラン添乗員のジョージも黒人だ。そんな彼らを、映画学校の学生エグゼビアはビデオカメラに収めていく。フィリップのゲイ嫌いに端を発し、諍いや反目の堪えない旅が続く。そんな中、バスがエンストし、替りのバスと運転手がやって来るのだが、新しい運転手リックはユダヤ人で…というストーリー。

監督がスパイク・リーなんで、妙に暴力的だったり、黒人バンザイ的だったりするのかと、ちょっと敬遠していたのだが、これ、隠れた名作だと思う。名作は言い過ぎかもしれないけど、スパイク・リー作品の中では異色で出色。偏見に聞こえるかもしれないがSEXシーンはないし、暴力シーンも喧嘩する部分はあっても暴力じゃない。

むしろ、“だから黒人はダメなんだよ…”っていう部分にイヤというほどスポットを当てている。無口なヤツは誰一人としていないという、口だけは達者だが、論理も我慢する姿勢も欠落している人間ばかり。コツコツ努力するとかできんのか?と思っていると、長老格の爺さんは、一生懸命文句も言わず働いてきたが、結局クビになった…とか語り始める。ただ、本当に黒人だからなのか?という気がしないでもないところがミソ。
イスラムかぶれは、元クリップスで何人も殺していると吐露。イスラムに出会ったから救われたとかなんとかノタマワって罪は無い…みたいな態度をとる(もちろん同乗してる警官は黙っちゃいない)。結局、マイノリティをこじらせている人間ばかり。

黒人差別に反発を抱いているくせに、冒頭からゲイカップルはガンガン差別される。途中でやってくるユダヤ人運転手のこともガンガン罵倒する。絶対に折れないし絶対に謝らない。あれ?俺も差別する側なんじゃね?とか絶対に考えない。
途中で、なぜか黒人をバカにしまくる黒人が乗ってくる。もちろん放っぽり出されるのだけど、その段になっても、あれ?自分も同じことやってね?とか思わない。その男、そこに気付かせるヒントをたくさん出しているのに誰も気づかない。黒人には反面教師という概念はないのか?と。

こんな感じで、人間性ははっきりしているので、揉め事が始まるとおもしろい。むちゃくちゃな理論で押収しまくるのに、全然終わらない。終わるタイミングは、別の揉め事か事件がおこるときだけ。

興味深かったのは、ツアー参加者の多くが民主党支持だってこと。まあ、経緯を考えれば、当然なのかもしれないけど、黒人だけじゃなくヒスパニックやらの支持を集めた現政権の無能っぷりを見ると、被差別意識を傘にきたまま、いつのまにかマジョリティになってしまうことの悲劇が見て取れるようだ。

なぜか、ゲイの人だけ共和党支持だったのだが、そこは、きっとエスプリのきいた部分なんだろうけど、アメリカ情勢に疎い私には、何を意味しているのかよくわからなかった(多民族主義を標榜しているような態度が、かえって差別しているように見えるとか?)。

すごく政治的だけど、末端のリアルな黒人社会の縮図を見せてくれた作品。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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