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公開年:1983年
公開国:日本
時 間:104分
監 督:大林宣彦
出 演:原田知世、高柳良一、尾美としのり、上原謙、内藤誠、津田ゆかり、岸部一徳、根岸季衣、入江たか子、松任谷正隆、入江若葉 他
受 賞:【1983年/第7回日本アカデミー賞】新人俳優賞(原田知世)





高校生の芳山和子は、同級生の堀川吾朗や深町一夫と一緒に理科室の掃除をしていた。和子は実験室で物音を聞き、中に入ってみるが誰もない。床に倒れていたフラスコから垂れていた液体から湧き上がる白い煙の臭いを嗅ぐと、気を失っていしまう。保健室で目を覚ました和子は、先生たちに顛末を話し、再び実験室に行くものの、室内は何事もなかったようにきれいな状態だった。気のせいということで片づけられてしまうが、和子は煙がラベンダーの香りだったことを強く記憶する。その事件の後、和子は同じ時間を繰り返すような奇妙な感覚に襲われるようになり…というストーリー。

自分が今まで観てきた映画を振り返ると、変な言い方かもしれないが、“映画”を映画として認識した初めての作品がこれだと思う。言い方を変えれば、映画というメディアの愉しさを知ったというか…。でも、大林演出は決して好みではないので、それを認めることを拒否する自分もいたりするのだが(笑)。
当時は、ビデオを持っていたわけではないのに、よくもまあ、劇中のセリフや歌を、学校でマネして遊んでいたな…と、思い出すとちょっと驚愕する。♪もも~くりさ~んねん…とか、古文のレ点のシーンとかね。ビデオとかがないから、記憶に焼きつけよう!ってくらいに勢いで、真剣に映画を観ていたんだと思う。そして、デジャビューという言葉を始めて知る映画。

加えて思い出深いのが、この映画に原作があることを知り、筒井康隆の原作を買ったものの、全然違って腰抜かすというアルアル。筒井康隆の存在を初めて認識したのも本作がきっかけ。

いい思い出が、今目の前にいる好きな人とのものじゃなかったとか、結構せつない。このせつなさの“匂い”が、本作の魅力。そして、ラベンダーという“匂い”の小道具。
だれか愛する人が別にいるような…という違和感のために、いまいち相手にされないごろーちゃん、かわいそう!と思いつつ、両方とも記憶が消えているのに、再会したらなんか引っかかるとか、そんなレベルの恋愛あるんか!という、子供には刺激的な衝撃。
で、何で彼女がその力を持ってしまったか、明確な説明はなされないという適度な投げっぱなし感が心地良い。そして、ローテクな合成が、ストーリーにマッチしてるんだよねえ。

本編とは関係ないが、本編のリフレインかと思いきや、突然登場人物が主題歌を歌い始めるというエンディングがあまりにも秀逸。これ映画史に残るエンディングだと思う。なんか知らんけど胃がキュットなる。

角川アイドル路線があったけど、薬師丸ひろ子も渡辺典子も、すぐにちょいヨゴレ入ってたし、真の意味の角川アイドルは原田知世だけだったかも。でも、逆にそこからの展開が難しくなってしまったと。芸能の世界は難しい。
仲里依紗版はおもしろくもせつなくもなかったな。ちょっと前ならももクロの玉井さんとかでリメイクして欲しいが、今の玉井さんじゃちょっと難しいか。

閑話休題。“様式美”と言ってもよいほど監督の色が濃くて、人の心に残るという意味では、日本映画史屈指のユニークさを誇る作品だと思う。
#当時、すごく弓道に魅力を感じたものだが、今観ると、あんなグラウンドでやるのあぶないような気がする。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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