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image1449.png公開年:2008年 
公開国:アメリカ、フランス、スペイン
時 間:132分  
監 督:スティーヴン・ソダーバーグ
出 演:ベニチオ・デル・トロ、デミアン・ビチル、サンティアゴ・カブレラ、エルビラ・ミンゲス、ジュリア・オーモンド、カタリーナ・サンディノ・モレノ、ロドリゴ・サントロ、ウラジミール・クルス、ウナクス・ウガルデ、ユル・ヴァスケス、ホルヘ・ペルゴリア、エドガー・ラミレス、ヴィクター・ラサック 他
受 賞【2008年/第61回カンヌ国際映画祭】男優賞(ベニチオ・デル・トロ)
 

1955年、メキシコ。アルゼンチン人の青年医師ゲバラは、南米大陸の旅を続ける中で貧しい人々の様子を見て、彼らを救いたいという気持ちが芽生える。ある日、独裁政権に牛耳られたキューバで平等社会の実現を目指すカストロと出会い意気投合。無謀とも思える政府軍に対するゲリラ作戦への参加を決意するゲバラだったが…というストーリー。

本作の日本で公開するに当たって、日本の若い女性タレントに「ゲバラってかっこいい」と賞賛させた、アホなキャンペーンを思い出す。多くの日本人がTシャツのチェ・ゲバラの顔しか知らないような状態のなか、教養がありそうもないタレントにまで賞賛されるなんて、ゲバラも草葉の陰でさぞや喜んでいることだろう。最近、海外映画の興行収入も堕ちてきていると嘆く声を聞くが、配給側がこういう作品に対して失礼な態度をとっているのだから、あたりまえでしょう。馬鹿らしい。

まあ、それは置いておいて、いまさら社会主義革命家を取り上げる理由は、私にもよく判らない。
カンヌで男優賞を取りパルムドールにもノミネート、スペインではゴヤ賞をとっているが、それぞれの国が歴史的に社会主義革命に対して造詣が深いからだろう。日本でも評価する人がいるが、評価してるのは学生運動世代だけ。チェのすばらしさがわからないほうがおかしいような言いっぷりなのだが、そういう闘争だけが社会を変える手段だと、いまだに思ってるのが、何か腹立たしいといか、みじめにすら映る(まあ、人々を救いたいという気概には共感するけれど…)。

本作はパート1ということで、『チェ 39歳別れの手紙』につづくので、この1作だけで評価できないことが、観終わって判る。とにかくキューバ政府とのゲリラ戦が延々と2時間以上続くのは、実に厳しい。元々ゲリラ戦自体が厳しいものなのだが、それを超えて特筆するような困難な事件や、彼の考え方の変遷があまりない。事実なのだろうから仕方ないけれど、それを映画として観せられても、この緩急の無さは、眠気を誘う。
実は2泊3日の旅行のバス中で観ているのだが、何度寝てしまい巻き戻したことか。

本作を観たきっけけは、『そして、ひと粒のひかり』のカタリーナ・サンディノ・モレノが出ているから。彼女が気に入っているわけではなく、とても米アカデミー賞にノミネートされるような力があるように見えないと文句をいったものの、一作だけで評価するのはフェアではないと考えたから律儀に観たまでのこと。本作ではアレイダ・マルチ役(後にゲバラと結婚する役)で出ているが、またもやゲリラ部隊の女性兵で表情に乏しく硬い演技しか必要とされない役なため、評価のしようがない。やっぱり容姿だけで、役者としてはポンコツなのでは?と思いはじめてきた。

本作だけみるととても作品として成立していないが、パート1とされている以上、パーツ2も観ないわけにはいくまい。トータルで評価することにする(でも、これを劇場で1800円で観せられたらかなわないなぁ…)。

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