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image1450.png公開年:2008年 
公開国:アメリカ、フランス、スペイン
時 間:133分  
監 督:スティーヴン・ソダーバーグ
出 演:ベニチオ・デル・トロ、ヨアキム・デ・アルメイダ、デミアン・ビチル、カルロス・バルデム、エルビラ・ミンゲス、フランカ・ポテンテ、カタリーナ・サンディノ・モレノ、ロドリゴ・サントロ、ルー・ダイアモンド・フィリップス、マット・デイモン、カリル・メンデス、ホルヘ・ペルゴリア、ルーベン・オチャンディアーノ、エドゥアルド・フェルナンデス、アントニオ・デ・ラ・トレ
 

1965年、キューバ革命で功績を残し、要職に就いていたゲバラだったが、地位や市民権を放棄して忽然と姿を消す。それを不振に思う世界に対し、カストロは、ゲバラが書いた手紙を公表。その手紙は、革命を必要とする場所に身を投じる旨が書かれていた。1966年、頭髪の薄い中年男に扮してボリビアに入国。当時、ボリビアはアメリカの支援を受けた大統領による独裁政権下にあった。ゲバラはゲリラ部隊を組織して革命へ動き出すが、ボリビア共産党の協力も得られず、アメリカに援護された政府軍に圧倒され、さらには地元民の協力も得られず物資が滞り、いよいよ窮地に立たされ…というストーリー。

要職を放棄して革命を輸出するという、ゲバラを知らない人には意外な展開かも。
虐げられた人々を自分の持つ力で救おうという姿勢自体は、海外青年協力隊などと違いはないし、当時の南米諸国の状況を考えれば、私は頭ごなしに否定はしない。

自分を革命請負マシンと定義して、それに徹するという姿勢。職人に徹しているともいえ、そういう面では日本人にも共感ができるのかも。でも、彼が何度も失敗した末に成果を勝ち取ったならばよかったかもしれないが、初めて本格的に加わったキューバ革命にて成功を収めてしまったことが、不幸であると私は考える。これにより彼は成功体験の呪縛から逃れられなくなってしまった。同じ目的を果たすために、それ以外の手段ををとれない(考え付かない、考えようとしない)というのは、想像力の放棄に繋がる。それでも時代は動くので、彼の行動は次第に状況と乖離して、取り残されていく。彼が評されるのは、その“胆力”と“遂行力”。たしかに道具としては優秀かもしれないが、ボリビアでの行動は、缶切りで瓶詰めを開けようとしているようだった。

加えて、(私は常々言っているが)自分が良いと思ったことは他人とっても無条件で良いと思われるに違いない…という、一神教宗教をベースとする社会にありがちな思想の呪縛にも陥っている。宗教と相容れないと思われる社会主義的思想の中にいるだけに、ますます惨めに見える。
一見、強烈な個性に見えるが、その思想にはふらつきというか、根本的な一貫性が私には見えない。

本作を集中して観られたのは、ボリビアに潜入してゲリラ部隊を組織するまで。あとは延々とゲリラ活動の緒戦を見せられて、最後は拙攻の末に殺されるまでが延々と。監督の問題というか製作側の問題だとは思うが、なぜ、これを2時間映画二本に分けるか。3時間10分の映画1本で充分というか、そうすべきでは?。
よほどゲバラに興味があれば別だが、映画としては観る価値なし。資料映像としてなら…といいたいところだが、それなら、キューバ革命後の諸国訪問の様子を入れることが重要だと思うが、それもなし。いずれにせよ中途半端なのだ。

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