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imageX0008.png公開年:1963年 
公開国:イタリア
時 間:140分
監 督:フェデリコ・フェリーニ
出 演:マルチェロ・マストロヤンニ、アヌーク・エーメ、クラウディア・カルディナーレ、サンドラ・ミーロ、バーバラ・スティール 他
受 賞:【1963年/第36回アカデミー賞】外国語映画賞、装デザイン賞[白黒](Piero Gherardi)
【1963年/第29回NY批評家協会賞】外国映画賞


映画監督のグイドは、日々の精神的・肉体的な疲れを癒す為、温泉に療養に出掛けるが、そこでも仕事や生活から逃れれられない。仕舞には、自分が温泉で余生を過ごす老人達の中にいるという幻覚まで見始める始末。そうこうしつつも映画制作は進行していくが、映画の内容は決まらないし、出資者への対応も苦痛極まりない。彼は次第に、自らの理想の世界へと現実逃避していく…というストーリー。

これを、「はっかにぶんのいち」と読むか「はちとにぶんのいち」と読むかで年齢がわかってしまうかな。昔は帯分数を‘か’と教えていたからね。独身女性の方々はお気をつけあれ(笑)。

かねてから観たいと思っていたのだが、近隣ではレンタルしておらず、BSで放送していたのをガッチリ録画。その後、しばらく溜め込んでいたのをやっと鑑賞。フェリーニの作品は、過去に『サテリコン』しか観たことがない。

冒頭の温泉保養所のシーンで北野武の『監督ばんざい!』が思い出された。調べてみると、北野監督自身が『監督ばんざい!』は影響をうけて作られていると発言している模様(私の映画観も鍛えられてきたかな(笑))。個人的に追い詰められていく芸術家の様子を、映像として表現する点など、影響どころか、基本アイデアはそのままに見えるけど。

はじめの夢のシーンで、いきなりいいパンチをかましてくれる。現実と夢想の境界をあいまいにする表現は洗練されていて、現代でも陳腐さを感じさせない。いいセンスの持ち主であることが、否が応でも判る。
全体的に美しい映像の連続ではあるが、アップショットの連続が多くて、空間が感じられない場合が多い。個人的に気に入らない点ではあるが、おそらくそれも狙いなのでよしとする。
その映像にドンピシャな音楽や、わからないまでも場の空気づくりに貢献している流麗なイタリア語もすばらしく、是非とも吹替えではなくイタリア語でご覧あれ、と、言いたいところ。しかし、映像に集中したいので吹替えで観たくもあり、このジレンマ、非常に苦しい。
#まあ、BS放送は字幕版だったので選択肢はなかったが、やはり映像に集中したかったので、吹替えでみたかったかな。

一般に難解だといわれているけれど、ここ数年のデイヴィッド・リンチに比べれば、かわいいものかと。とはいえ、映画史に残る名作と評されることが多いからといって、うかつにそれに乗っかって、わかったふりをすると怪我をしそう。正直に言うと、『サテリコン』もかなりの謎作品だったが、本作も同等レベルの謎作品だった。最終的に何がいいたいわけ?という問いは、おそらく無意味で、『マルコヴィッチの穴』のごとく、フェリーニの脳内が表現されていると考えれば、たしかによくできていると思われる。ただ、それが面白いかどうかは、別問題。

お薦めというわけではないが、美術館で絵画を鑑賞…的なノリで一度観ておくとよいかも…という作品。といっても、お薦めしたところおで、DVDレンタルしていないところが多いようではあるが…。

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