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image0290.png公開年:2001年 
公開国:フランス、イタリア、ベルギー、イギリス、スロヴェニア
時 間:98分  
監 督:ダニス・タノヴィッチ
出 演:ブランコ・ジュリッチ、レネ・ビトラヤツ、フイリプ・ショヴァゴヴイツチ、カトリン・カートリッジ、サイモン・キャロウ、ジョルジュ・シアティディス、サシャ・クレメール、セルジュ=アンリ・ヴァルック、ムスタファ・ナダレヴィッチ 他
受 賞:【2001年/第74回アカデミー賞】外国語映画賞
【2001年/第54回カンヌ国際映画祭】脚本賞(ダニス・タノヴィッチ)
【2001年/第27回LA批評家協会賞】外国映画賞
【2001年/第59回ゴールデン・グローブ】外国語映画賞
【2001年/第14回ヨーロッパ映画賞】脚本賞(ダニス・タノヴィッチ)
【2001年/第27回セザール賞】新人監督作品賞(ダニス・タノヴィッチ)
コピー:For Peace 平和こそすべて

ボスニア紛争を舞台に、ボスニアとセルビアの中間地帯に取り残された敵対する兵士たちの姿を描くストーリー。

典型的なシチュエーションドラマ。二人が膠着状態ってことで『ソウ』を想像してしまった(全然違うけど)。

華々しい受賞歴ではあるが、戦争映画として純粋にすばらしいのか?というと、それはちょっと違うと思うのだ。他の戦争映画(特にアメリカの戦争映画)とは、あまりにも趣が違って、それがものすごく新鮮に写ったということではなかろうか。戦争の恐ろしさを迫力ある特撮で見せるといったモノが多いと思うし、悪くいえば説教くさかったりするものだが、本作は淡々と淡々と現在の戦争の様子が表現している。
メインのキャラは全員、愛すべきキャラではなくて全然共感できない。前日に『ワグ・ザ・ドッグ』を観たからかもしれないが、登場するマスコミ連中の腹立たしさといったらない。国連なんかあんだけ金をかけて何やってんだ?とみんな思うだろう。皮肉でもなんでもない。これが事実なんだもの。

以下、ネタバレ含む。

始めに、話が進んでくと、この2人の間に友情とか芽生えるのかな?つまんねーなと思っていたが、そうならなかったことが実に素晴らしい。戦争で友情なんか芽生えるわけないし、仮に1つ友情が芽生えたって、その10000倍の憎しみが生まれているのは間違いないんだから、こういう描き方は正しい。至極真っ当な戦争映画といえるだろう。どんなドラマティックでグロテスクな悲劇を見せるよりも、本作を見せたほうが、戦争に嫌気がおきるだろう。そういう意味で高い評価なのだ。

ただ、映画としては、このノリは始めにやったもん勝ちだ。同じテイストで似たような映画をつくったってまったくウケないと思う(二番煎じだって、絶対にいわれるもの)。この着想の閃き1本でたくさん受賞できたのだ。この監督が、その後、評価の高い作品を世に送り出しているか?というと、そうでもないところが、その証拠ではなかろうか。同じような閃きが彼に再び訪れることを祈ろう。

戦争映画がお好みで無い人もいるだろうが、ちょっと他とは視点が違うので、観てはいかがだろうか。
観終わった後に、特段カタルシスがあるわけでもないのだが、逆にモヤモヤするわけでもない。心にカッサカサの空っ風が吹く感じを、味わってみてほしい(それがまた悪くないのだよ)。

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