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image0786.png公開年:1995年 
公開国:アメリカ
時 間:123分  
監 督:ティム・ロビンス
出 演:スーザン・サランドン、ショーン・ペン、ロバート・プロスキー、レイモンド・J・バリー、R・リー・アーメイ、セリア・ウェストン、ロイス・スミス、ロバータ・マクスウェル、マーゴ・マーティンデイル、スコット・ウィルソン、ギル・ロビンス 他
受 賞:【1995年/第68回アカデミー賞】主演女優賞(スーザン・サランドン)
【1996年/第46回ベルリン国際映画祭】男優賞(ショーン・ペン)
【1995年/第11回インディペンデント・スピリット賞】主演男優賞(ショーン・ペン)

“希望の家”で働くシスター・ヘレンは、相棒が無期懲役なのに自分が死刑になる事に憤りを感じている死刑囚マシューからの手紙を受け取り、彼を信じ特赦を得ようと弁護士の協力を仰ぐが…というストーリー。

スーザン・サランドンとティム・ロビンスって夫婦なのね(内縁かな?)。一回り年齢が違うので、ちょっと結びつかなかった。不勉強。『スピード・レーサー』でスピードの母役をやったときは、とてもとても60オーバーには見えず驚いたのだが、それより13年前の本作のほうが老けて見える。メイク技術の進歩恐るべし。

死刑問題という重いテーマを扱った作品だが、ティム・ロビンスはなるべく加害者・被害者のバランスを取ろうと心がけているように見える。本当ならば、彼はバリバリのリベラル派なので、死刑反対のほうに倒したかったのだと思うのだが、自制したのかな。現在ではもっと死刑廃止について活発な議論がなされているし、日本でも今後活発に議論されると思うので、12年も前の作品だが、一つの視点として観ておいたほうがいい作品に思える。

私は、被害者・加害者のほかに、死刑を執行する側に注目した。薬物注射による死刑は、より人道的にという配慮からなされているといわれているが、それに対して殺すのに人道的も何も無いという反論がある。ただ、私は、殺される側の人道よりも、執行する側への配慮と捉えたい。それはなぜかというと、日本の場合は死刑は絞殺(首吊り)によってなされると決まっているわけだが、その踏み板をはずすボタンは数人が一斉に押しだれだかわからなくするなどという配慮こそあれ、その後、刑務官たちは絶命するまで見届けなければならず、その後の始末(みなまでは言わないが首吊りの場合は当然汚れる)をするわけである。中には精神に異常をきたすかたもいらっしゃるわけである。

死刑問題を語るといろんな価値観が交錯して、まず話がまとまらなくなるのだが、少なくとも刑務官の精神的な負担は軽減してあげたい気持ちが、私にはある。本作でも、執行官が前の日は眠れないというシーンがあるが、日本の場合はちょっとインパクトすさまじすぎる。当然、本作のように執行の様子を被害者家族が見にくるなどということは不可能だ。見せられるはずがない(『グリーンマイル』の電気椅子どころの騒ぎではない)。

本作を観て、被害者家族が死刑の様子を見られることが、なんと恐ろしいことかと思う人もいるだろうが、それは国家にやらせていることを(まあ、実際は州だが)国民として承認している証である。日本の場合は、自分にはとてもできないことを見えないところで知らない間にやらせているのだから、どっちが恐ろしいかは、微妙なところである。

ここでこれ以上、死刑論を繰り広げる気はないが、今、海外から日本に対して死刑を廃止するような圧力があるのも事実である。要するに日本が主張するような犯罪抑止力は無いのだよという論法であるが、残念ながら、それは捕鯨禁止と同じで、もっともらしい価値観の押し付けである感が否めないのが、残念なところである(断っておくが、私は死刑推進論者ではない。ただ現行法制化で、法務大臣が法に逆らって死刑執行を行わないこと自体は、三権分立の一角である行政のあるべき姿として、間違っているとは思う)。

などなど、日本の場合、ちょうど一回りくらい死刑廃止に関しては、議論の深まりが遅れているので、考えるきっかけとしては、ちょうどいい作品ではなかろうか。

#ちょっと『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』を観たくなってきた。
 

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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