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image1246.png公開年:1925年 
公開国:ソ連
時 間:66分
監 督:セルゲイ・M・エイゼンシュテイン
出 演:アレクサンドル・アントノーフ、グリゴリー・アレクサンドロフ、ウラジミール・バルスキー 他





1905年6月、戦艦ポチョムキンは、労働者のゼネストが行なわれているオデッサ港付近に碇泊。食料の牛肉に蛆が沸いていたことから、水兵たちの怒りが爆発したが、士官のギリヤロフスキーにより鎮圧され、食卓には腐肉のスープが並べられる…というストーリー。

何でこんな古い映画をいまさら観るかというと、映画検定的な目線…というか、映画のお勉強のため。常々観たいと思ってはいたのだ。『アンタッチャブル』の乳母車が階段を落ちるシーンが本作のオマージュだというのは有名な話。モンタージュ手法を確立した作品として映画史に輝く作品であるが、少し観ただけで、オマージュを捧げたくなる理由、その偉大さにすぐ気づく。アップショットのカット割りや、現在では当たり前の細切れのシーンを編集する方法が、1925年の段階で“完全に”確立されているということだ。要するに、今、我々がいうところの“映画”は、この作品が始まりだったといってよいのである(本作の前の『ストライキ』という作品も同様の手法らしいのだが、レンタルしていないので確かめる術が無い)。
ストーリーは、あくまでソ連のプロパガンダ映画なので極めて政治色が強く、決して楽しめる内容ではないのだが、とにかく技法の面では、驚きしか感じない。1925年って大正14年だからね。エイゼンシュテインという人、天才だよ。もっと広く評価されてもいいのにね。

ただ、そのストーリーも、今観れば、逆に革命思想の馬鹿らしさを揶揄しているように見えるのが不思議。とことんまで過剰に表現することで、遠い将来、逆の見方がされてもおかしくないように仕込んでいたとしたら、エイゼンシュテイン恐るべしなのだが(まあ、違うだろうけど)。

いやいや、久々に驚いた。娯楽作品としては一切お薦めできないが、学術的な価値はあまりにも高いので、映画を語りたいならば、見ておくべきかも。

#本作に登場するオデッサの階段が、セットではなく実物なら、行って記念写真と撮ってみたいね。

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