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公開年:1983年
公開国:日本
時 間:90分
監 督:富野由悠季
出 演:小滝進、横尾まり、島津冴子、古川登志夫、山下啓介、TARAKO、広森信吾、塩沢兼人、森功至、銀河万丈、二又一成、西村知道、緒方賢一、戸谷公次、龍田直樹、能村弘子 他
遠い未来の地球。今はゾラと呼ばれるその星は、一部の支配階級イノセントが支配する世界で、どんな罪を犯しても3日間逃げ切れば時効が成立する法律。だが、両親を殺されたジロンは、その法を無視して、殺し屋ティンプを追い続ける…というストーリー。
実は、TV版を観たかったのだが近所のレンタルショップには置いてなくて、仕方なく本作を観た次第。しかしながら、有り得ない珍作だった。何が珍作かというと、普通TVシリーズの劇場化となると、それなりにストーリーをまとめて一つの映画っぽく仕上げるものだが、まったくそのつもりが無いというところ。
まるで最終回の手前で、いままでの流れをおさらいしてみましょう…的なノリでつくられたダイジェスト放送みたいな感じ。だから、全然ストーリーと繋がりのないどころか、わざわざ劇場でみせる意味があるのか疑問に思うようなセクションが散見されている。だから、当時TV放送をみていなかった人には、皆目見当も付かないようなシーンのオンパレード。キャラクターの説明も繋がりも全然なし。
お祭り騒ぎもいいところで、4割くらいはふざけた感じ。おそらく、間に合わせの同時上映作品として、急造したことのだろう(確か、同時上映はダグラムで、そっちはきちんとストーリー仕立てでまとめていた記憶がある)。
はじめに言っておくけれど、これは映画とは呼べないので、知らない人は興味本位で観ないほうが良かろう。
本作は別として、ザブングルという作品自体の底辺に流れるテーマは、風の谷のナウシカの原作と一緒。汚染された地球を、生体テクノロジーで復活させるSF的なギミック。何か、日本人だけ海草を消化できる酵素を持っており、他の人種よりもヨウ素を摂取しやすくなっていて、そんな民族が何故か核がらみでの災難に遭い続ける歴史の不思議と、妙にダブってしまい本作を思い出したのかもしれない。だから、きちんと編集すれば、かなり良い作品になったはずなんだけどね。
もう、かなり昔の作品だが、『ザブングル』→『ダンバイン』→『エルガイム』という3年間連続のTV作品は、今考えるとちょっと神懸ったレベルで、20年くら時代を先取りしていたと思う。なんといっても、1年の間に主役ロボットが交代するとか、リアルロボットという概念は、このザブングルがパイオニアだからね。ここ10年くらいの日本アニメは、この勢いの10分の1もないだろう。
という、思い出だけが喚起された作品。もう一度言うが、見るならTV版DVDを観よう。
負けるな日本
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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