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公開年:2010年
公開国:アメリカ
時 間:111分
監 督:ロベルト・シュヴェンケ
出 演:ブルース・ウィリス、モーガン・フリーマン、ジョン・マルコヴィッチ、ヘレン・ミレン、カール・アーバン、メアリー=ルイーズ・パーカー、ブライアン・コックス、ジュリアン・マクマホン、リチャード・ドレイファス、レベッカ・ピジョン、クリス・オーウェンズ、アーネスト・ボーグナイン、ジェームズ・レマー、ドミトリー・チェポヴェツキー、マシュー・オルヴァー 他
ノミネート:【2010年/第68回ゴールデン・グローブ】作品賞[コメディ/ミュージカル]
【2010年/第16回放送映画批評家協会賞】アクション映画賞
コピー:それは、アメリカが最も恐れた危険なオヤジたち…
かつてCIA工作員として活躍したフランクだったが、引退した今はオハイオの田舎町で孤独な年金暮らし。役所の年金係りの独身女性サラと電話で会話することを唯一の楽しみにする日々。そんなある日、フランクの家に武装集団が侵入。昔とった杵柄で難なく一味を撃退したものの、通話が全て監視されていたことに気付き、サラの身にも危険が迫っていることを察知。ニューヨークの彼女宅に急行し暗殺の危機から救出する。自分がなぜ襲われたのか調査すると、フランクを含め10名が記された暗殺リストを発見。その10名は中米グアテマラでの特殊任務の関係者たちだと判明するが…というストーリー。
ロートル生活のゆるさと、ドンパチの激しさのギャップを愉しむ作品。ブルース・ウィリスが年金暮らしのおっちゃんには、とても見えないのはご愛嬌で無視するとして、見たこともないお姉ちゃんにかわいく恋している様子は、なかなかかわいい。そして突然のドンパチをかっこよく乗り切って、彼女を救う為に迅速に移動。サラもそこそこの年齢なんだけど、お互いツンデレぎみなのも微笑ましい。
一番愉快なキャラクターを演じてくれたジョン・マルコヴィッチ。こういうネジはずれちゃった系のキャラが、味方で活躍するのは面白い。『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』のマードックがTV版ほどキレっぷりを発揮してくれなかったのを残念に思っていたのもあって、これはちょっとうれしかった。だが、残念なことに空港でドンパチやるシーンが、本作アクションの最高潮点で、それ以降の活躍はイマイチ。最後までキレてくれよ。
なぜかヘレン・ミレンが出てくるところでノリが失速する(何度も眠くなって巻き戻してしまった)。サラやフランク以上にツンデレで悪いキャラでは決して無いのだが、なぜかピリっとしない。彼女に輪をかけてモーガン・フリーマンはもっとピリっとしない。特殊能力を発揮するわけでもないし、献身的な最後で終わってしまうのも、ウィットがなさすぎ。
この原因は、彼らの隠居生活の掘り下げが足りないからだと思う。今までこんな感じで普通を装ってきましたよ…っていう部分をもうちょいリアルに描くとか、さぞや現役に復帰したいんだろうなぁ、ストレスがたまっているんだろうなぁ、だけどそうもできない理由がいろいろあるんだろうなぁ…なんて部分を強調するとか。要するにキャラの粒立ちが悪いってこと。病気でした、恋人を失って以降は失意の生活でした…ってだけでは、ただ設定の説明でしかなくて、伝わってこないから。
仮面ライダーが最終回に近づくと、歴代ライダーが集まって…って展開があるけれど、往々にして集まる過程はワクワクするものの、いざ集まってしまうと大して面白くなかったりする。その感じに近いかもしれないな。
結論からいうと、及第点超えはしていると思うけど、それ以上の尖がった部分が少ない作品ってところか。でも、普段アクションを見ない女性にも愉しめる作品なのかもしれない。ああ、もしかするとそういう層を狙ってたりするのかな。案外正解なのかもしれない。
負けるな日本
公開年:2008年
公開国:韓国
時 間:121分
監 督:キム・ジフン
出 演:アン・ソンギ、キム・サンギョン、イ・ヨウォン、イ・ジュンギ、ソン・ジェホ、ナ・ムニ、パク・チョルミン、パク・ウォンサン、ソン・ビョンホ、チョン・インギ、イ・オル 他
コピー:今日、弟が殺された。オレの目の前で──
両親を早くになくしたミヌは、タクシー運転手として弟ジヌを親代わりに育てていた。ミヌは、弟と同じ教会に通う看護師のシネに憧れていたが、奥手ゆえに告白することができずにいた。しかし、なんとか弟を入れて3人で映画に誘うことに成功。楽しく映画を鑑賞していると、映画館の外では学生の民主化デモ隊と戒厳軍の衝突が始まる。なぜか眺めていたミヌたちまで、この衝突に巻き込まれてしまい…というストーリー。
なんで韓国が、狂ったように反日教育をしたり、○○の起源は我が韓国也!といい続けるのか、理解できてしまう作品。というか、この事件が今の韓国を決定的に形作ったといっていいのではないかと、私は考えている(あ、これは実際に韓国で発生した軍事クーデターのお話。それもそんな昔じゃない)。
これが自国でおこった出来事だとしたら、私は頭が狂ってしまうだろう。だって、数万人単位の自国民同士が、怒りが沸点に到達して、撃ち合いを繰り広げるなんて普通の国ではまず有り得ないこと(本作では数百人規模の戦闘に見えるかもしれないが、実際は市まるごと封鎖して、軍隊と戦闘したわけだからね)。差別や貧困に端を発する階級闘争だというならわからないではないが、これはそうではないのだ。
もちろん光州市民が反乱分子だったわけでもなく、軍内部の権力争いにマッチポンプ的に利用されたわけで、それ自体とんでもない行為なのだが、その原因はさておき、末端のぶつかっている人間同士は、庶民と庶民。それでも、プチっと切れて鳩同士の喧嘩のように殺すまでやりあった。
そして、この光州事件が終わって、やらかした奴らは断罪されました…、悪い奴が栄えることはありませんな…、ってオチならまだしも、この光州事件の首謀者である全斗煥はその後大統領になり(!?)、1990年代の初頭まで軍事政権が続くのである(お隣韓国が民主化したのはつい最近ってこと)。
そして、そんな国民同士が、これからも一緒に生活していかねばならないという、気持ち悪さ。だって、いつ導火線に火がついて、お互い殺しあうかわからないのだから。
ちなみに、後に光州事件は裁かれ、全斗煥・盧泰愚は実刑になるのだが、金大中は彼らを特別赦免で釈放する(国民に直接銃を向けた人間が赦免される意味がまったくもってわからない)。
こんな、同じ国土で同じ顔をしている人間同士が、腹の底では信じあうことができないような状態で国がまとまるわけがない。そうなったら国外に敵を作るしかない。そこで、極端な反日教育を行い、内部に向く敵対心を外にそらすしかないのである。そうしないと精神が壊れるのだ。
しかし、いくら自分達は一流国家だ一流国家だと吹聴しても、世の中を見渡せばそのギャップは目に入ってしまう。特に、日本を目の敵にしてしまっている以上、先に進んでいる日本の様子は目に入ってしまうというジレンマよ。そうなると、剣道の起源は韓国だ、漢字の起源は韓国だ、と、自分達は元々高貴で選ばれた存在なのだということにしないと、バランスがとれなくなってしまう訳だ。
まあ、簡単に言うと現実を見つめることができないということ。国民総出で現実逃避しているのだろう(おそらく、本作についても韓国民はまともに直視していないと思われる)。現実を直視するリハビリを国民全員でしなくてはいけないなんて、100年たっても治療できるとは思えない。もしかすると、北朝鮮や中国よりもよろしくないお国なのかもしれない。しかし、もう本作を観てしまうと、みじめすぎて批判するのもかわいそうになってしまう。
まあ、韓国アイドルに浮かれている日本人は、これを観るべきかと。いまだに日本の音楽や映画を地上派で流すことを禁じている国の音楽をなぜ、喜んで受け入れているのか私は神経を疑うけどね。韓流ドラマ好きとか韓国アイドル好きとか、個人の自由だから別にいいけど、公共の場で言うのって少し恥ずかしい気がするんだけど。
まあ、映画自体は決しておもしろいわけではないけれど、みておくべき作品。財閥でなければ人にあらず、韓国の現在はそんな感じだけど、軍閥が財閥に変わっただけなのかもね。他人事ながらせつなくなるわ。
#こんな事件のたった8年後にオリンピックが開けるのって、私の感覚では信じられないんだけどね。
負けるな日本
公開年:2007年
公開国:アメリカ
時 間:95分
監 督:カーステン・シェリダン
出 演:フレディ・ハイモア、ケリー・ラッセル、ジョナサン・リス=マイヤーズ、テレンス・ハワード、ロビン・ウィリアムズ、ウィリアム・サドラー、レオン・トマス三世、ジャマイア・シモーヌ・ナッシュ、ミケルティ・ウィリアムソン、アーロン・ステイトン、ロナルド・ガットマン 他
ノミネート:【2007年/第80回アカデミー賞】歌曲賞(Tevin Thomas、Charles Mack、ジャマル・ジョセフ“Raise It Up”)
【2007年/第13回放送映画批評家協会賞】若手男優賞(フレディ・ハイモア)、ファミリー映画賞
コピー:きっと会える。この音の先に、愛が聞こえるから。
ニューヨークの養護施設で育った11歳の少年エヴァンは、類い希な音楽の才能を持っており、音楽こそが自分を両親の元へ導いてくれると信じて疑っていなかった。11年前、新進チェリストのライラとロック・ミュージシャンのルイスが運命的に出会い恋に落ちたものの、ライラの父によって仲を引き裂かる。その後妊娠が発覚した後、ライらはは交通事故に遭ってしまうが、目覚めたとき死産したと父親に告げられたのだった。実は赤ん坊は父親により施設に預けられていたのだったが。以来、ライラは傷心の日々を過ごし、彼女を失ったルイスも音楽への情熱も失い金融業界で働いていた。両親への思いが募るエヴァンは施設を抜け出し、マンハッタンに辿り着き、やがて、ウィザードと呼ばれる元ストリート・ミュージシャンにギターの才能を見出され、路上パフォーマンスで日銭を稼ぐ生活に身をやつすのだったが…というストーリー。
ファンタジーでもなかろうに偶然に偶然を重ねすぎて、戸惑ってしまうほど。主人公の能力が超人的過ぎるのも、ちょっと共感するのを阻害している感じ。ロビン・ウィリアムズが最大の悪役であることからわかるように、エグいシーンも残酷なシーンもまるでこの世には存在しないような世界観。まず、このノリが許容できるか否かが一つ目のハードル。これがダメなら、半分くらいで観るのを止めてしまうはず。
この、偶然すぎる感じを逆手にとって、「そんなアホな!」ってくらいに突き抜けてくれれば、割り切れたかもしれないけど、そこまで昇華されてはいない。
それを乗り越えたとして、するすると都合よく“わらしべ長者”ばりに話が展開する。本当はピンチの連続のはずなのに全然ピンチに思えず。エヴァンは音楽に導かれているのだから…ということとで、行く先々に音楽関係者が現れ、彼に手を差し伸べてくれる。
音感の良さや楽器を我流で弾いてしまうのは良しとするが、観ただけで音符の概念を理解してしまうのは、どうなんだか…(わたしはここで完全に冷めてしまったけど)。
まあ、韓国ドラマのベタベタ展開を観て、「それがいいんじゃない!」と言える人には、間違いなく愉しめる作品ではあると思う(←ああ、これが一番本作を端的に現しているかも)。親の出会いも出来過ぎて引きまくりではあるのだが、臆面も無くとことんベタベタやられると、やっぱりちょっと鳥肌がたってしまう。ただ、鳥肌がたってしまった自分に腹が立つというか、「ま、いいか」とイライラが半分の変な感覚。あまり文句を付ける気もおきなくって、駄作ではないが凡作ってところ。特段お薦めはしない。
#フレディ・ハイモアがハーレイ・ジョエル・オスメントがよくやる媚びたような表情をすることがって、少し気持ち悪く感じた。
負けるな日本
公開年:2008年
公開国:日本
時 間:104分
監 督:李闘士男
出 演:松山ケンイチ、加藤ローサ、秋山竜次、細田よしひこ、大倉孝二、岡田義徳、高橋一生、美波、大地洋輔、大谷ノブ彦、濱田万葉、たくませいこ、米原幸佑、山根和馬、唐沢美帆、小林きな子、藤本道、フジヤマ、東真彌、真、ノゾエ征爾、駿河太郎、マーティ・フリードマン、鮎貝健、ジェレミー・コルソン、鈴木一真、カジヒデキ、K ダブ シャイン、DJオアシス、柊瑠美、菅原大吉、加藤諒、池澤あやか、吉田尚記、ウォード・セクストン、宮崎美子、松雪泰子、ジーン・シモンズ 他
受 賞:【2008年/第32回日本アカデミー賞】話題賞[作品](松山ケンイチ)
【2008年/第18回日本映画プロフェッショナル大賞】特別賞(松山ケンイチ)
コピー:僕がしたかったのは…こんなバンドじゃない!!
オシャレ系のポップスミュージシャンを夢見て九州から上京してきた根岸崇一。デモテープを送った事務所の社長に見初められたのの、望んだ音楽ではなく、悪魔系デスメタルバンド“デトロイト・メタル・シティ”のギター兼ボーカル“ヨハネ・クラウザーⅡ世”としてデビューさせられてしまうのだった。いやいやながら活動しているものの、1stシングル“SATSUGAI”は予想外の大ヒットとなってしまう。そんな中、大学時代の憧れの女性・相川さんと再会。根岸と同様にオシャレ系ポップス好きの彼女に、クラウザーとして活動していることバレないようにひた隠す根岸だったが…というストーリー。
原作漫画はまったく読んだことが無いので、どれだけ似ているのか(または乖離しているのか)まったく不明。
シャケ写を見てマトモな話じゃないと思う人も多いだろうし、漫画原作にありがちなお祭り的な感じで、やっぱり駄作だった…てがっかりさせられちゃうんでしょ?なんて先入観があってあたりまえだと思うが、完全に裏切られる(いい意味で)。
自分のやりたいことと、人から求められることとのギャップに悩むなんてのは、だれもが身近に感じることだから、共感しやすい。意外とテーマがはっきりしているので、明らさまに不自然な演出(逃げて実家に帰ったのに、フル衣装とメイク道具を全部もっていくかね…とか、いくらメイクしてたって家族はわかるでしょ…とか)が多数あるけれど、そういう点もどうでもよく感じてしまう。
あとは、深く考えさせないように、くだらなかろうがなんだろうが、ノリを壊さないように注力したってところか。
まあ、“これこそ夢なんだ”なんて劇中のように言い切られると、それは違うと思うけどね…といいたくなるけど、その辺を深く掘り下げたいわけじゃないから別に問題なし。
この面白さが、原作から包含されている面白さなのか、映画になってからの面白さなのかよくわからないので、李闘士男の評価が非常にしにくい(他の彼の作品は観たことがないので)。ただ、短い時間内に必ず注目できるポイントを作ることができる監督だなとは感じた。要するに飽きさせない工夫はできる人だなと。なので、おそらくTVドラマとかは向いているかもしれない。
どう考えても松山ケンイチ以外では成立し得なかっただろう(他にできる俳優が思いつかない)。ダダ滑りしちゃっても不思議じゃないところを彼一人の双肩でがっちりささえたってことだ。
逆に、松雪泰子を高めに評価している人も多いが、いまいち賛同できず。きわどいセリフを連発してはいるけれど、べつにそろそろベテランの域に入ろうという女優にはどうってことないだろうし、ちょっとドスがたりないというか体力不足なんじゃないのかな。
昨今に漫画原作映画と比較すれば出色の出来映えといっていいでしょう。佳作だと思う。軽くお薦め。「くだらねー」って思うだろうが、そのリアクションを望んで製作されているのだから、始終正しいのである。文句言うやつはべーべーしちゃう。
負けるな日本
公開年:2001年
公開国:アメリカ
時 間:135分
監 督:ジョン・ウー
出 演:ニコラス・ケイジ、アダム・ピーチ、ピーター・ストーメア、フランシス・オコナー、クリスチャン・スレーター、クリスチャン・スレイター、ノア・エメリッヒ、マーク・ラファロ、ブライアン・ヴァン・ホルト、マーティン・ヘンダーソン、ロジャー・ウィリー、フランシス・オコナー、ジェイソン・アイザックス 他
コピー:この友情は、戦場で誇れるただひとつの名誉。
1943年。エンダースは、ガダルカナルの作戦で失敗し多くの部下を死傷させてしまい、自分も心と体に深い傷を負い帰還する。強く責任を感じたエンダースは戦線への復帰を強く要望。ようやく認められるが、彼に課せられた任務は、ナバホ族の通信兵とペアを組み護衛し、彼の戦場での安全を確保することだった。これまで日本軍はアメリカ軍の暗号をことごとく解読していたため、ナバホ族の言語を暗号に使うことを切り札と考えていたのだ。しかし、本当に守らなくてはいけないのは通信兵ではなく暗号の秘密で…というストーリー。
『プライベート・ライアン』は、ただ単に一兵卒を保護することが目的だったが、本作では保護に加えて別の密命が…。保護したいのは人でなくて特殊能力で、それを日本に奪われることだけはイカン!と。そういう非常な密命が下っているのでエンダーズは必要以上にヤージーと親密になろうとしない。元々差別主義者ではないけど、偏見によるイジメすら見てみぬふりをするほど。正直なところ、軍人としての忠誠心と人間としての良心の間で揺れ動く様子をみせるなんて、ドンパチ戦争モノのくせに地味なこと極まりない。でも、そこが普通に面白かった。
#受賞歴どころかノミネートすらまったくなしなんて、そんなにヒドいとは思わないんだけど。
本作での日本軍関連の扱いの悪さについては、別に気にならなかった(たとえ監督が中国人であろうとも)。日本人の弾は当たらないのが不自然とか、日本側の描写が変とか(サイパンの村とか軍の装備とか)、その手の指摘にはまったく賛同できず。兵力差を考えたら、本作の日本軍はむしろ鬼のように強いから。当時、サイパンに日本人の村あるから。原音の日本語はヘンテコで興醒めなのかもしれないけど、吹替えでは気にならない。吹替えでは「ホリョダ」は「ほりょだ」と聞こえるよ(あたりまえだ)。
「アメリカ人と日本人が一緒に仲良く酒を飲んでいる日がくるかもしれない」的な会話がされるのだが、仲良く酒を飲む日がなかなかこない中国人が監督なのがおもしろいじゃないか(本来、人間は長々と憎み続けることは難しいはずなのに、中国・韓国がそれを平気でできちゃうのは、憎しみ続けることに利益があるからだよね)。
将来分かり合えるかもしれないと想像できるくらいなら、やっぱり、なんでこんな戦争になっちゃったのか…って考える。劇中の軍人さん達は考えても仕方ないから考えないだろうけど、鑑賞している私たちは考えられる。日本が海外進出の野望を持っていたから?中国・韓国はそういうけど違うと思うよ。経済封鎖で生殺与奪を外国に握られたからでしょう。昔の日本はそうだったろうけど、今の日本が海外と戦争するなんてありえない…なんていうだろうけど、同じように経済的に孤立したらどうする?なんて、今の人は考えているのかしら。本当ならEUみたいなブロック経済には敏感に反応しなきゃいけないし、グローバルスタンダードを振りかざすFTAなんかは真剣に熟慮しないといけない(少なくとも韓国のように簡単にFTAに参加するなんて、危険極まりない)。その辺がわかっているのなら、簡単に技術供与なんかできないよね。団塊世代に人たちは、特に判っていない気がして仕方が無い。団塊世代の害悪は、この先30年くらい、日本にとてつもない不利益を及ぼすのではないか。
まあ、戦争ってイヤだわ。こうならないように真剣に勉強しなきゃね…と思うには充分な作品。世の中の評価もかなり悪いのだが、あえて言おう。私は良作だと思う。本作を観て不快に感じた人は、何で自分がこれを不快に思うのか自己分析されると良いのではなかろうか。作品云々ではない別の理由があるのではないかね。
負けるな日本
公開年:2008年
公開国:ドイツ、アメリカ
時 間:97分
監 督:ジョージ・ギャロ
出 演:アントニオ・バンデラス、メグ・ライアン、コリン・ハンクス、セルマ・ブレア、キース・デヴィッド、イーライ・ダンカー、トム・アダムス、トレヴァー・モーガン、エンリコ・コラントーニ、マルコ・セント・ジョン 他
FBI捜査官のヘンリー・デュランドが、3年間の海外赴任を終えて帰宅すると、巨漢だった母親マーティがすっかりスリムな体型に変貌しており仰天。加えて、性格まで奔放になり、複数の男性と関係を持つまでなっており困惑するヘンリー。一方、有名な聖母子像を盗むために、ヘンリーたちが住む町に窃盗団がやって来るが、窃盗団のメンバートミーとマーティは偶然に出会い互いに惹かれ合ってしまう。そんな中、ヘンリーはFBIでの窃盗団の写真の中にトミーを発見し…というストーリー。
日本未公開作品。というか、メグ・ライアン出演作は『イン・ザ・カット』より後はすべて日本未公開なんじゃなかろうか。メグ・ライアン自身、恋愛コメディは久々だったのかな。ロマンティックコメディの代表者だったんだけど、そのイメージの脱却を意図してか、この手の作品は避けていたのに。よほど仕事に恵まれていなくて、えり好みしてられなくなったのか。でも、ロマンティックコメディとはいっても、見た目の劣化ぶりから、純粋なヒロイン像を演じるのはさすがに無理がある。陰鬱な巨漢ママが頑張ってキレイになった…という、けっこう無茶な設定をもってこないと、美人のアイコンにするのは難しかったか。
バンデラスも出ていながら未公開って、そこまでヒドイのか?と思うかもしれないが、オチのご都合主義はちょっと問題かもしれないが、全体的にそれほどヒドくはない。ただ、アメリカでは単なるジョークになるのかもしれないけど、日本において親の性生活を盗聴するなんていうシーンは、不快を超えてタブーに近いだろう。日本人のトラの尾を踏んだ感じがする。
まあ、それ以外はコメディとしては可もなく不可もないってレベルで、旧作料金のレンタルなら全然問題ない作品。適度なドタバタ映画ですな。あと、話のネタとしておもしろいのは、息子役の人(コリン・ハンクス)はトム・ハンクスの息子ってことかな(言われれば似てきたかもーって思うよね)。まあ、何も考えたくないときに観る作品としては、軽くお薦めかも。
#マーティのコーヒーに小銭が入れられるシーンで、ふとこんなことが頭をよぎった。日本にはホームレスはいるけど物乞いはないなよな…って。路上に物乞いのいない国って日本だけなんじゃね?
負けるな日本
公開年:2007年
公開国:カナダ、アメリカ
時 間:108分
監 督:ジョー・カーナハン
出 演:ライアン・レイノルズ、レイ・リオッタ、アリシア・キーズ、アンディ・ガルシア、ジェレミー・ピヴェン、ベン・アフレック、ピーター・バーグ、タラジ・ヘンソン、クリス・パイン、マーティン・ヘンダーソン、ジェイソン・ベイトマン、コモン サー・アイビー、ネスター・カーボネル、ジョセフ・ラスキン、ジョエル・エドガートン、トミー・フラナガン、ケヴィン・デュランド、モーリー・スターリング、アレックス・ロッコ、ウェイン・ニュートン、クリストファー・ホリー、スコット・ハルバースタッド、マシュー・フォックス、マリアンヌ・マルラライリー、ダヴェニア・マクファデン、カーティス・アームストロング、デヴィッド・プローヴァル、パトリック・セント・エスプリト、マイケル・マーフィ、ブライアン・ブルーム、クレア・ケアリー、ウラジミール・クリッチ、ザック・カマー、マイク・ファルカウ 他
コピー:ターゲットは1人――報酬100万ドル 殺るのは誰だ!?
マフィアのボス・スパラッザ邸を盗聴していたFBI捜査官メスナーとカラザーズは、スパラッザがイズラエルという男を殺すためにスウェーデンから暗殺者を雇い、100万ドルの賞金をかけたことを知る。ターゲットのイズラエルは、“エース”と呼ばれた元ベガスの人気マジシャンで、ギャングたちに気に入られて裏社会に入ったものの、その奔放な振る舞いで裏社会全体から目をつけられていた。FBIはスパラッザを逮捕するために、イズラエルに司法取引を持ちかけている。そんな中、エースに100万ドルもの賞金がかけられた噂が広がり、世界中の暗殺者がエースが隠れているタホ湖のホテルに集まってきて…というストーリー。
『ジャッキー・ブラウン』とか『スナッチ』が大好きなので、このテイストは嫌いじゃない。テイストっていうか真似だよね…ってレベルではあるけれど。個人的には、同好の士なんだろうな…と好意的に見てあげたんだけど、一般の人は、真似っコしてるダサさのほうに目がいっちゃうんじゃないかな。所々出てくる下ネタ系の話が、それこそタランティーノっぽくやってますみたいな感じだけど、おそらく監督自身はそれほどエロの人じゃないんだろうね。ぜんぜんドキっともしなくて、わかってないわ~って気分になる。
それに、色々とごちゃごちゃすぎ。キャラ設定自体は漫画のようにわかりやすいんだけど、ビジュアル的な印象づけはイマイチで、例えば、油断すると変装さんと拷問さんが、どっちがスウェーデンでどっちが傭兵なんだっけ?となったりする。お菓子の袋開けてジュース注いでいる間に目をそらしてたりすると、なんかよくわからなくなちゃって、「ありゃ、見落としたわ。こりゃ巻き戻さなイカン』と巻き戻してみるのだが、別に何もなかったりする(笑)。ただ、格好のいい編集のつもりで、カットが飛んでいただけだったりとかね。交通整理するのも監督の仕事だと思うが、その点では落第かも。
救いなのは、ごっちゃごちゃになってこそいるけど、案外、伏線の張り方はまともだってこと。振り返って考えれば、なかなか練られたストーリーではある(振り返らんとわからんようでいいのか)。
まあ、どんでん返しにもなっていない上に、突然シリアスになる最後の展開は、好みがわかれるかもね。
でも、私は嫌いじゃない(いつかもう一回何気に観ようと思う気がする)。『ジャッキー・ブラウン』とか『スナッチ』が好きな人には、「まあまあ」ってところだろう。そうじゃない人には、お薦めしない。スタイリッシュさ、バイオレンス、スピード感、ストーリーの巧みさ、アクション、すべての要素が至っていない作品ってところか。
負けるな日本
公開年:2010年
公開国:アメリカ
時 間:125分
監 督:ジョセフ・コシンスキー
出 演:ギャレット・ヘドランド、ジェフ・ブリッジス、オリヴィア・ワイルド、マイケル・シーン、ボー・ガレット、ブルース・ボックスライトナー、ヤヤ・ダコスタ、セリンダ・スワン、ジェームズ・フレイン、エリザベス・マシス、オーウェン・ベスト 他
ノミネート:【2010年/第83回アカデミー賞】音響賞[編集](Addison Teague、Gwendolyn Yates Whittle)
【2010年/第16回放送映画批評家協会賞】視覚効果賞
【2011年/第20回MTVムービー・アワード】ブレイクアウト・スター賞(オリヴィア・ワイルド)
コンピュータ業界のカリスマ・エンコム社CEOケヴィン・フリンが失踪して20年。ある日、27歳となった息子サムのもとにケヴィンからと思われるメッセージが。その導きに従い父の営んでいたゲームセンターへとやって来たサムは秘密の小部屋を発見。そこにあったコンピュータ・システムを起動すると、肉体が電子変換されコンピュータ内の世界に引きずり込まれてしまう。捉えられたサムは、強制的に命をかけた危険なゲームに参加させられるが、謎の女性クオラに窮地を救われ…というストーリー。
本家『トロン』を観ないとアウトということはないけれど、多分本作だけ観ると「たいしたことなんじゃね?」って感じになっちゃうような気がする。いまどきこのレベルの作品はたくさんあるからね。だから、本家を観ておくことを強くお薦めしたい。「あの世界がこうなっちゃった」っていう別の感動がそこにある。その後の技術進歩に沿って、トロン世界自体も革新されていたってノリで、元のトロン世界からのグレードアップも違和感無く説明されていて良し。
タイトルの“トロン”が悪役として登場するのも違和感があるだろう。一応説明はあるものの「で、結局トロンってなんなのさ」って感は否めない。でも、それも本家を観ておけば、腑に落ちるはず(まあ、あの扱いで終わらしたのが正解か否かは微妙だけど)。
新OSといいつつUNIXコマンドなのはご愛嬌(MacOSがUNIXベースなのと一緒ってことで)。psコマンドでプロセス探して、killコマンドで簡単に止まる程度なら、私にも簡単にハッキングできそうだ(笑)。ここまでやるなら、ケヴィンはデーモンプロセスになってて他のやつらからは見えないとか、トロンは特定時間だけソケットの口が開くので、タイミングをみはからって通信できるとか、UNIX技術者にしかわからんネタでも仕込んでくれればカルトムービー化したかもしれないのに。
#「Wi-Fi?80年代に思いついていた」ってこのセリフで、「あ、こいつ死亡フラグ立ったな」って思ったのは私だけ?
3D映画にはうってつけの素材なので、今続編が作られるのはタイミング的に理解できる。その他の技術的テーマとしは、若めのジェフ・ブリッジスをCGで表現しているところ。どれだけ違和感なくCGで若返らせることができるか。その点に関してはA-ってとこかな。映画版『ファイナルファンタジー』のころの技術とは隔世の感があるけれど、まだ顔の筋肉の動きなど違和感はある。
また、本家同様、いまいちストーリーに緩急がないのが難点か(そこまで引き継がなくても良かったのに)。本家もそうなんだけど、所詮コンピュータなので、内部で何かの作戦を実行していてうまくいきそうなときに、だれかがコンピュータを操作してしまって、作戦が失敗してしまうとか、そういう類のピンチがあってもよかったと思う(chmodコマンドを含むシェルが起動して書き込みできなくなっちゃうとか、そういう低レベルでもいい)。まあ、本作の場合、コンピュータが人目に付かない場所にあるから、どうしようもないんだけどさ。
エンコム社のOSは世界に拡散しちゃったし、トロンの世界では電脳生命が誕生しちゃう奇跡が発生したわけだから、他のどこかで同じような世界が生まれ、現実世界に進出してくるってことも可能。次回作は完全にその流れでしょう。そして、これが後の『マトリックス』世界になりましたとさ……なんて感じには、ディズニーとワーナーだからなるはずがない。
とにかく、本家⇒レガシーの順で観れば、なかなか味わい深い。軽くお薦め。
#個人的には仮面ライダー555が頭をよぎる(ってか、555のデザインは『トロン』のパクリだって訴えられてもおかしくないような…)。
負けるな日本
公開年:1982年
公開国:カナダ、アメリカ
時 間:98分
監 督:スティーヴン・リズバーガー
出 演:ジェフ・ブリッジス、ブルース・ボックスライトナー、デヴィッド・ワーナー、シンディ・モーガン、バーナード・ヒューズ、ダン・ショア 他
受 賞:【1982年/第55回アカデミー賞】衣装デザイン賞(Elois Jenssen、Rosanna Norton)、音響賞(Jim LaRue、Michael Minkler、Lee Minkler、Bob Minkler)
大人気ゲーム“スペースパラノイド”を開発したものの、プログラムを同僚のデリンジャーに盗まれ発表されしまったフリン。その後、デリンジャーはエンコム社長となり、フリンは場末のゲームセンターの管理人に。怒り収まらぬフリンはデリンジャーが盗作をした証拠を掴むべく、毎晩エンコム社へのハッキングを続ける。だが証拠のデータはデリンジャーが開発したMCP(マスター・コントロール・プログラム)によって厳重に遮蔽されており到達することができない。ある日、エンコム社員アランと恋人ローラが、フリンがハッキングしていることを知る。二人は、社内のコンピュータに直接アクセスするためにフリンをエンコム社に導くことを了承し、アランも不正調査とMCP破壊のために、開発途中の監視プログラム・トロンを起動することを決意するのだったが…というストーリー。
『トロン:レガシー』 をレンタルしたのだが、本家を観ておかないとわけがわからないのでは?と思い一緒にレンタル(本家は未見)。
1982年であることを考えると、驚異的な技術だと思う(ファミコンの発売が1983年)。技術は時間とともに陳腐化していくので、技術だけをウリにしていく作品は忘れされれていく…なんて評価をしている人がいるが、絶対に同意しない。その努力が画面から伝わってくれば卑下されることなどないのだ。当時の技術ではフルCGは不可能で、アニメなどで補完していることを、マイナス要因として指摘する人もいる。しかし、別にそれっぽく見えれば良いわけで、それが問題ならば、『ジュラシックパーク』でCGとマペットの両方を使っていることだってダメってことになる。
まあ、さすがに今みると、ピコピコ感は否めないのだが、独特の音楽と動きで様式美といえるところまで昇華されていると思う。技術的限界を逆手にとって、白黒フィルムと合成して雰囲気を出すなど、このような困難にぶち当たったときに発揮される知恵とセンスの融合に、私は感動する。将来、技術的に陳腐化しても味わいが感じられるようにすることを意識していたとすれば、相当の先見の明かと。
ライトサイクルのデザインは秀逸でカッチョ良すぎ(デザイナーのシド・ミードって、後に『『∀ガンダム』のデザインをした人だよね。私、ヒゲガンダムのデザイン好き)。
プロブラムによる人格っていうのは『攻殻機動隊』にも通じるし、日本の特撮番組だと『電光超人グリッドマン』なんてのもあった(←世に出るのが早すぎた作品だったね)。これにプラトンばりの認識論に仏教の“空”の概念でもくっつければ『マトリックス』になる。なんとなく不思議の国のアリスを匂わせるところも『マトリックス』と一緒だ。『トロン』がなければこれら作品が無かったとまではいわないが、仮想現実を具現化した作品のパイオニアであることは誰も否定できないと思う。
ただ、ストーリーが平板に感じるのは否めない事実。悪者を退治するヒロイックストーリーとして、ポイントは抑えられていると思うのだが、テンポに緩急がないから、飽きてくるのだろう。再編集すれば、かなりよくなるような気がする。お薦めかどうかは、明日の『トロン:レガシー』 を観て、一緒に観るべきか、単なる男の子向け作品どうかを判断させてもらいたい。
#お願いだから、ディズニーは吹替えありのDVD出して欲しい。
負けるな日本
公開年:2002年
公開国:カナダ、アメリカ
時 間:120分
監 督:マイケル・ムーア
出 演:マイケル・ムーア、チャールトン・ヘストン、マリリン・マンソン、マット・ストーン、ジョージ・W・ブッシュ 他
受 賞:【2002年/第75回アカデミー賞】ドキュメンタリー長編賞(マイケル・ムーア、マイケル・ドノヴァン)
【2002年/第55回カンヌ国際映画祭】55周年記念特別賞(マイケル・ムーア)
【2002年/第18回インディペンデント・スピリット賞】ドキュメンタリー賞
【2002年/第8回放送映画批評家協会賞】ドキュメンタリー賞
【2002年/第28回セザール賞】外国映画賞(マイケル・ムーア)
コピー:こんなアメリカに誰がした?
1999年4月20日、アメリカ・コロラド州リトルトン。早朝からボウリングをプレーしていた2人の少年は、その後大量の銃を手に彼らの通うコロンバイン高校へと向かった。そして、銃を乱射し12人の生徒と1人の教師を射殺し23人を負傷させた後、自殺した。なぜアメリカでは銃犯罪が多いのか?その疑問の答えを探すため、マイケル・ムーアはアポなし突撃取材を敢行する…というストーリ-。
やはり、『エレファント』を観てから本作を観たほうが、事件当時の雰囲気や緊迫感はよく伝わってきたし、マイケル・ムーアの問いもごもっともに思える。以前に本作を単独で観た時よりも腑に落ちたと思う。
私はマイケル・ムーアという人の手法は好きではない。実際、他の作品では、あまりにも恣意的な誘導や、フェアじゃない突撃取材や、「ちょっとそれは卑怯なんじゃ…」と思わざるを得ないシーンが多い。キツイ言い方をすると、この人の行動の7割くらいはクズだと思う。しかし、そう感じている私でも、この作品には価値があると思う。なぜか。
それは、本作に限って言えば、あまりぶっ飛んだ思いつきによる疑問からスタートしていないから。要するに銃問題というシビアな問題であることに加え、ホヤホヤの事件が問いのきっかけだからである。
そして、その問いかけは、まず仮説が設定され、愚直にその仮説が正しいか否かを検証する。そしてその答えが成立しなければ、また別の仮説…という流れが繰り返される。この仮説を立てる→検証する…という繰り返しは、科学者の態度であって、至極真っ当と言わざるを得ない(言い換えれば彼らしくないといえるのだが)。
本作において、アポなし突撃取材は、仮説の検証に用いられている。リアルな現状を把握するためには突撃のほうが望ましいわけで、その点も実に理に適っているといえる(他の作品では、問題をおこしている人に突撃取材して追い詰めることばかりやっている。本作にも一部あるけれど)。
で、こういう検証過程が評価されたのであって、突撃取材や無茶な行動が評価されたのではないことをマイケル・ムーア本人が理解しているのか?ということなのだが、残念なことに判っているとはいい難い(いや、判っているが彼の内なる衝動を抑えられないのかもしれない)。
多分、マイケル・ムーア作品の中で、本作は奇跡の作品なんだと思う。お薦めの作品。まあ、本作を観てアメリカ社会がうらやましいなんて思う人はいないでしょ。
#ん~、『エレファント』にボーリングのくだりは一切出てこない…。サント監督はこの点は重要視していなかったってことか。それにしても、、『エレファント』がいくら緊張感やスリルがあっても、本作の最後に出てくる実際の事件の監視カメラ映像にはかなわんな…。
負けるな日本
公開年:2003年
公開国:アメリカ
時 間:81分
監 督:ガス・ヴァン・サント
出 演:ジョン・ロビンソン、アレックス・フロスト、エリック・デューレン、イライアス・マッコネル、ジョーダン・テイラー、ティモシー・ボトムズ 他
受 賞:【2003年/第56回カンヌ国際映画祭】パルム・ドール(ガス・ヴァン・サント)、監督賞(ガス・ヴァン・サント)
【2003年/第70回NY批評家協会賞】撮影賞(ハリス・サヴィデス「ジェリー」に対しても)
コピー:アイダホ州ポートランド。アメフト、図書館、カフェテラス、写真部、ダイエット。ごく普通の高校生たち。
いつもと同じ1日だと思ってた。
オレゴン州ポートランド、ワット高校。ジョンは車で学校に送ってもらうが、運転していた父が酒に酔っていたため運転を交代。なんとか到着するが遅刻してしまったため、校長から居残りを言い渡されてしまう。写真好きのイーライはポートレート制作のために、生徒たちにモデルになることをお願いしている。アメフト部のネイサンはガールフレンドと待ち合わせ。食堂では女子3人組がダイエットや買い物や男の子の話を。そんな中、アレックスとエリックは、ネットで入手した大量の銃器をカバンにいれて学校へ向かっていた…というストーリー。
コロンバイン高校銃乱射事件をモチーフいした作品。『ボウリング・フォー・コロンバイン』は観ていたけど、そういえばこっちは観てなかったと、思い出したようにレンタル。カンヌのパルム・ドールと監督賞をダブル受賞って、すごいことなんだろうけど、ちょくちょく言っている通り、私はカンヌの評価はアホだと思ってるので、逆に期待値はダウン。
先にいってしまうと、最高賞を与えられるほど価値のある作品ではない。
ふつうの田舎高校の日常でこんなことが…という切り口はわかる。美しい風景、いじめや素行の悪い生徒の様子も含めてありきたりな学校生活、問題のある家庭環境。色々あるけどみんなそれなりに日常を生きているってことを表現しながら、それが無碍にぶち壊され行く虚無感や現実に存在する不条理と、感じさせてくれるものは色々あると思う。
じゃあ、淡々と事件の一日を切り取ったようになっているか?というと、あったかどうかもわからない同性愛シーンを差し込んでみたりする(本人たちはお亡くなりになってるので、確かめようも無い)。フィクションはいけないわけではないけれど、これは、いくらなんでも勇み足だろう(犯人の性向として重要すぎる)。製作者のスタンスとして納得しかねる。
そのくせ、いじめ、殺人ゲーム、ナチスのビデオと(まあ客観的事実なんだろうけど)、タブロイド紙的結論への誘導にしかなってというのも、ちょっと芸がないかと…。これを「観客に考えさせる作品」というのは、的外れだろう。私に言わせれば“投げっぱなし”。
ただ、あくまで最高賞を与えられるような作品ではないというだけで、悪い作品ではない。「人間ってやつわ…」って、虚脱感はすごく感じるし、殺戮の様子は本当にゾっとする。そういう点では充分に製作意図を全うしていると思う。実は、観終わってから気付いたんだけど、舞台がコロラド州コロンバインじゃなくって、一応フィクションてスタンスなんだね(わかりにくいわ)。まあ、それを逃げと見るか、創造性と見るかは、人によるってことかな。
でもね、若いときなんて、偏狭な考えに固執することもあるし、極端な行動をとることがある。精神が不安定な子がいるなんてあたりまえ。想像の中では気に喰わない奴なんざ死んじまえ!って思う(おっさんになった今でも思うわ)。むしろ青春の特権だろうに。そういう時にそばに大量殺戮ツールがあるかどうか、勢いで手に取ってしまう可能性を排除するのって重要なんじゃね?っていう『ボウリング・フォー・コロンバイン』のアプローチが、やっぱり正しく思えてしまう。大統領選挙にものすごく時間をかける、なかなか賢い制度を持っている国なのに、なんでそれに気付かないのかね(まあ、ハートが因幡の白兎くらいチキンだから…銃が手放せないてオチなんだけどさ)。
佳作。お薦めするけど、本作と『ボウリング・フォー・コロンバイン』を連続で観るのが良い気がする。ということで、明日『ボウリング・フォー・コロンバイン』を再鑑賞。
負けるな日本
公開年:2010年
公開国:アメリカ
時 間:95分
監 督:トッド・フィリップス
出 演:ロバート・ダウニー・Jr、ザック・ガリフィナーキス、ミシェル・モナハン、ジュリエット・ルイス、ジェイミー・フォックス、ダニー・マクブライド、RZA、マット・ウォルシュ、トッド・フィリップス、キーガン・マイケル・キー、ティンバリー・ヒル、アーロン・ラスティグ、ジョン・クライヤー、チャーリー・シーン 他
ノミネート:【2011年/第20回MTVムービー・アワード】コメディ演技賞(ザック・ガリフィナーキス)
妻の出産予定日を5日後に控えたピーターは、アトランタでの仕事を終えると、出産に立ち会うためにロスの自宅へ向かう。急いで飛行機に搭乗すると、乗り合わせたイーサンという男のせいで、テロリスト扱いされ搭乗拒否に。おまけに荷物だけロスに向かってしまい、財布も身分証もない状態に。帰る手段を失ったピーターが途方にくれていると、同様に搭乗拒否されたイーサンがレンタカーにのって現れ、ロスまで送ろうと持ちかけてきた。他にアテのないピーターは怒りを抑えて渋々同乗し、一緒に大陸横断の旅をすることに…というストーリー。
この手のコメディロードムービーというのは、結構ある。『大災難P.T.A』なんてのが思い浮かぶし、『ホーム・アローン』でお母さんがポルカバンドの車に同乗して家に帰るなんてのもよい。基本的に好きなジャンルだと思う。しかし、決してネット上の評判は悪くない作品なのだが、個人的な評価としては最悪。完全に好みに合わない。
何とかして目的地に到達しなくてはいけないが、その道すがらトラブルが次々と…ってのが基本パターンだけど、本作で巻き起こるトラブルってのが、面白くもなんともない。
脚本家陣が会議室で、「車で旅してて、同乗者がこんなことしてきたら最悪~ってこと、挙げてみ」とか言って、ホワイトボードに書き出して、ただ単にそれを並べただけにしか思えない。ただ、気持ち悪い、不快、微笑ましさを感じるエピソードがない、友情が芽生える要素がない、ダメ人間すぎて愛すべきポイントが一切ない。結局どのエピソードも見事に空回りしているから、車を暴走させて大回転させてみたり、メキシコ国境をぶっちぎってみたり、銃で撃たれてみたりと、ただただインフレ化するしか手がなくなっている。
大体、出張先にもどって事情を説明して金借りるとか、まだ5日もあるんだからロスの空港でだれかに荷物を引き取ってもらって、必要なものだけ送り返してもらうとか、いくらでも方法はあるじゃないか。でも、車でアメリカ横断させたいもんだから、どうしても5日前じゃないといけないってことなんだよね?なんかそれって本末転倒じゃね?基本プロットおかしいでしょ。こういうのは、トダバタとイライラとほんわかが絶妙に噛みあってこそ愉しいのだが、トタバタとイライラしか存在しない。稚拙、浅はか、笑いのセンスなし。褒めるところは一つもなし。多分、クソみたくおもしろくない人間が脚本を書いているにちがいない。作品がどうのこうの以前に、職業人として虫唾が走るわ。
まったくお薦めしない。時間の無駄。レンタル料金30円くらいなら許す。いやぁ~久々にとことん気分悪い。
『アイアンマン』で第一線に躍り出たロバート・ダウニー・Jrだけど、貪欲に(なのかどうかわからんが)こういう作品にも躊躇なくでちゃう。いろんな役を経験して幅を…って思っているのかもしれないけど、なぜか品性の悪い役ばかりしかこないよね。
負けるな日本
公開年:2006年
公開国:インド、イギリス、アメリカ
時 間:118分
監 督:ターセム
出 演:ビル・ミルナー、ウィルリー・ペイス、カティンカ・ウンタルー、、ジャスティン・ワデル、ダニエル・カルタジローン、レオ・ビル、ショーン・ギルダー、ジュリアン・ブリーチ、マーカス・ウェズリー、ロビン・スミス、ジットゥ・ヴェルマ、エミール・ホスティナ 他
コピー:君にささげる、世界にたったひとつの作り話。
1915年、ハリウッド。スタントマンのロイは、撮影中の事故で重傷を負い入院中。未だ足の感覚が戻らずスタントマンとして復帰する目処が立たず、自暴自棄となり自殺願望にとらわれていた。一方、5歳の少女アレクサンドリアは、オレンジ収穫を手伝っているときに樹から落下して腕を骨折し、同じ病院に入院中。じっとしていられず院内を歩き回っていて、ロイの病室へ紛れ込む。ロイはあることを思いつき、退屈しているアレクサンドリアに自作の冒険話を聞かせる。ロイのお話に夢中になってしまうアレクサンドリアだったが…というストーリー。
おもしろいかどうかは別にして、ものすごく雰囲気のある作品。ロイの物語の映像がいかにもスペインとかトルコってな彩りでとてもステキ。オーギャンの絵みたい。なぜか『ザ・セル』の美術を思い出してしまったので、調べてみたら『ザ・セル』の監督はターセム・シンという人で、本作はターセムとクレジットされている。あれ?同一人物?(もしそうなら、私の眼力もなかなかのものじゃないか)。
こんな嘘みたいな映像が、CGじゃないってのが素晴らしい。いや、若干は画像処理しているのかもしれないが、そう思わせない映像であることは確か。こういう作品を観ると、本当に海外旅行にいきたくなる。こんなに画の力を感じるのは久々かも。これは、ちょっとやそっとの期間では撮りきれる映像ではなかろう。センスの問題でなく、根気よく撮影し続けられるのが脅威。こういう作風の監督の場合、多作は無理だろうが、それこそ一作入魂の心意気が感じられるので高く評価したい。
#ブルーレイで買うべき作品かも。
そして、衣装は日本人・石岡瑛子。これも、ものすごく美しくて格好良い。
ストーリー的には、彼女を寝取られたってくだりが無駄な気がする以外は、全体的にほのぼのとした感じで貫かれている。お話をするほうもされるほうも、かみ合ってはいないながらも、それぞれに生じているの心の変化が、鑑賞者の心を温めてくれる。まあ、緩いといってしまえばそれまでだけど、私はだから良いのだ…といいたい。
ロイの心境とお話はリンクしているので、お話が終盤つまらなくなってしまうのは仕方が無いのかもしれないけれど、それならばもっと退廃的な映像にしたほうがよかったとは思う。そう、たしかに終盤の尻すぼみ感は否めないが、逆に美しい美術を際立たせるために、さらっと話を終わらせるのは、手法としてありだと思うので許容する。
名作でも快作でもないけれど、決して凡作ではない。こういうユニークな監督は、温かく応援すべきだと思う。お薦め。
負けるな日本
公開年:1999年
公開国:アメリカ
時 間:123分
監 督:ロジャー・ミッシェル
出 演:ジュリア・ロバーツ、ヒュー・グラント、リス・エヴァンズ、ジーナ・マッキー、ミーシャ・バートン、リス・アイファンズ、ティム・マキナニー 他
受 賞:【1999年/第53回英国アカデミー賞】観客賞
コピー:世界一の映画スターが、街角で本屋さんとぶつかった…
ウェストロンドンの街ノッティングヒル。離婚暦のある冴えない男ウィリアムは、旅行本専門の書店を営んでいるが、経営は非常に厳しい状態。そんなある日、見覚えのある女性が来店するが、それはハリウッドの大スター女優アナ・スコット。本を購入したアナは店を出て行くが、その後、飲み物を買いに出たウィリアムと街角で衝突し、彼女の服がオレンジジュースで汚れてしまう。彼は近くの自宅で着替えることを勧め、渋々ながらも彼女もしれに同意し…というストーリー。
こんなことを言われたらうれしいとかカッコいいとか、そういうのを並べている感じ。その場面場面での小ネタを重ねているだけで、全体としては、それ以上のダイナミズムとか緩急とはは存在しない。小ネタの連発については、恋愛だけでなく、貧乏ネタ・格差ネタでも多くて、まあ、この作品を貫く軽いノリってことなんだろう。
でも、それはそれでありなのかもしれない。悪役チックな恋敵が出てくるような作為もないし、ウィリアムの友達の反応も面白いし、パパラッチの行動もさほど極端ではないし(普通、書店に押しかけられたりすると思うけど、そういう煩わしい展開もない)、余計なものが排除されていて、全体がほのぼのとしている。イライラせずに観れたのは事実で、恋愛映画のくせに、心休まるいい作品だったと思う。
ありえない展開だ!なんで二人が恋に落ちたのか理由がわからん!とか文句をいう人が結構いるんだけど、そう思われることを判った上で逆手に取ってるわけで、そこに突っ込むのは野暮の極みかと。大体にして、恋に落ちるのに理由なんかない!っつーことを究極的に表現したらこうなると思うんだけど(世の中のみんなは、理由がないと人が好きになれないのだろうか。不思議に思う)。
で、肝心の恋愛モノとしての評価はどうかというと…。これはウィリアムが白馬の王子様ならぬ王女様に見初められる話なので、男はワクワクする話なんでしょ?と思うだろうが、実際のところ男性は萎える恋愛映画だと思う。男を上から見ている女性側目線の映画だな…と。
記者会見のシーンでわかるように、『ローマの休日』を匂わせている作品なんだろうけど、どうもピリっとしない。愛が結実するシーンにも関わらず、男の私には、カレー味のうんこかうんこ味のカレーか究極の選択を迫られている気になるのが、なぜだか不思議。「しょうがねえなぁ…」って感じで、恋愛といういうよりも父性が発揮されてるのが否めない。これを大人の恋愛といってよいのかどうかは微妙だが、案外、長く続くカップルって、こういう感情からスタートしているのかもしれない。
私にはジュリア・ロバーツがかわいくも綺麗にも見えなくて、なにか痛々しさを感じてしまった。個人的な好みの問題じゃなくて、これ自体も、父性の顕れな気もする。そういう意味では、まんまと製作側の意図にハマってしまっているのかもしれない。
エグい映画とか重い映画が続いたときは、本作はかなりアリだと思う。ふわふわしていて掴みどころが無いけれど、別に掴む必要にも迫られないという、この感じ。恋愛映画なのに性的感情が抑制されまくるという、ちょっと特殊な映画なのかもしれない。まあまあ、お薦め。
負けるな日本
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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