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公開年:2012年
公開国:アメリカ
時 間:84分
監 督:ジョシュ・トランク
出 演:デイン・デハーン、アレックス・ラッセル、マイケル・B・ジョーダン、マイケル・ケリー、アシュリー・ヒンショウ 他
高校生のアンドリューの家庭は、寝たきりの母親と無職でいつも泥酔している父親との3人暮らし。学校でも孤立ぎみの彼は、中古のビデオカメラに生活のすべてを収めることだけを、唯一のたのしみに生きていた。ある日、同じ高校に通っているいとこのマットに誘われてパーティに出かける。そこで、思いきって気になっていたケイシーという女の子に声をかけてみるが、ビデオカメラをまわしていたことで、他の参加者にいちゃもんを付けら殴られてしまう。マットとアメフト部のスター選手スティーヴは、落ち込むアンドリューを元気付けようと、近くにある洞窟探検に誘う。そこで不思議な物体を見付け、それに触れたことがきっかけで、3人に超常的な能力が身に付いてしまう。はじめは、スカートをめくったり、車を動かしたり、軽いイタズラを楽しむ程度の3人だったが、ある日、彼らが乗っている車を執拗に挑発してくる車を、怒りに任せて横転させ沼に鎮めてしまう。何とか運転手は救出し事なきを得たものの、自分達の能力に危機感を覚えたマットは、力を使う際のルールを設けようと提言する。アンドリューにはその提言が納得できなかったが、渋々承諾。その後、空が飛べるくらい能力を開眼させた3人は、学校のタレントショーで密かに能力を使ったマジックを披露する。嫌われ者だったアンドリューも人気者になるのだったが…というストーリー。
突然超能力を身に付けてしまうお話はめずらしくもないが、未熟な若者の感情の起伏と絡めて暴走していく様子をうまく表現していると思う。『AKIRA』がそれじゃね?って思う人はたくさんいるみたいだけど、日常生活の中への織り交ぜ方は、スマートに演出できていると感じるね。
まあ、同じ能力を持っていても、持ち前の性格によって発現の仕方や使い方が違うっていうのも『AKIRA』と一緒か。アンドリューは非常につらい家庭環境の少年で、暗くて友達もいないわりには、それなりに折り合いをつけて生きていた方だと思う。父親が究極のクソ野郎で、あれだけアンドリューの心を折りまくっているのに、彼はよく踏ん張っている。むしろ感心するくらい強い少年だと思う。
それが、逆に能力を得ることで、我慢できない人間になってしまう。人間として、下卑ていってしまう…いうのが、ストーリー上、おもしろいのだ。
クモを殺すシーンなど、シリアルキラーが形成される過程を丁寧になぞっているのも良い。小動物を殺すことから、猟奇的な殺人を犯す人間が形成される…という演出が安易に見えるかもしれないが、幼少期の積み重ねがそういう人格を形成するのは事実。そこそこ成長した後だと、ちょっと不自然な気もするけど、超能力を得たという特異な状況なので、通常よりも加速度的に人格形成されていくと考えればよい。
いろいろ切羽詰まって強盗するに至るわけだが、そんだけ巧みに超能力を扱えるんなら、こっそりお金を浮かせて盗むとか、いくらでもできるやんけ…と思っちゃう。でも、母親が今にも死にそう、それもクソオヤジの怠惰のせいで。杓子定規の対応で薬も売ってもらえねえ…っつう追い詰められ方は、高校生が一線を超えるのには十分すぎる。暴走していく過程はごく自然に写る描写だったと思う。
加えて、メインの3人が欠けてしまうし、ラストも見事なバッドエンドというのは、ありそうでなかった展開かもしれない。
鏡を使ったカメラワークが多用されているが、好きな演出だ。奇を衒うだけではなく、しっかりした“普通の”映画の演出ができる監督だと思う。これはレンタルして観る価値あり…というか、抑えておく価値ありっていう表現が正しいかな。メジャー監督の誕生を間近で観た!って感じ。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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