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公開年:1992年
公開国:アメリカ
時 間:131分
監 督:クリント・イーストウッド
出 演:クリント・イーストウッド、ジーン・ハックマン、モーガン・フリーマン、リチャード・ハリス、ジェームズ・ウールヴェット、ソウル・ルビネック、フランシス・フィッシャー、アンナ・トムソン、デヴィッド・マッチ、ロブ・キャンベル、アンソニー・ジェームズ、タラ・ドーン・フレデリック、ビヴァリー・エリオット、リーサ・レポ=マーテル、ジョジー・スミス、シェーン・メイア、アリン・レヴァシュー、シェリリーン・カーディナル、ロバート・クーンズ、ロン・ホワイト、ミナ・E・ミナ、ジェレミー・ラッチフォード、ジョン・パイパー=ファーガソン、ジェファーソン・マッピン、フィリップ・ヘイズ、ラリー・ジョシュア 他
受 賞:【1992年/第85回アカデミー賞】作品賞、助演男優賞(ジーン・ハックマン)、監督賞(クリント・イーストウッド)
【1992年/第27回全米批評家協会賞】作品賞、助演男優賞(ジーン・ハックマン)、監督賞(クリント・イーストウッド)、脚本賞(デヴィッド・ウェッブ・ピープルズ)
【1992年/第58回NY批評家協会賞】助演男優賞(ジーン・ハックマン)
【1992年/第18回LA批評家協会賞】作品賞、男優賞(クリント・イーストウッド)、助演男優賞(ジーン・ハックマン)、監督賞(クリント・イーストウッド)、脚本賞(デヴィッド・ウェッブ・ピープルズ)
【1992年/第50回ゴールデン・グローブ】助演男優賞(ジーン・ハックマン)、監督賞(クリント・イーストウッド)
【1992年/第46回英国アカデミー賞】助演男優賞(ジーン・ハックマン)
【2004年/アメリカ国立フィルム登録簿】新規登録作品

1880年のワイオミング。かつて強盗家業で悪名を轟かせていたウィリアム・マニーは、現在、二人の子供と農場を営み静かに暮らしていた。妻と出会ってから足を洗った彼だったが、3年前にその妻に先立たれてしまった。さらに、家畜は病気は伝染し続け、作物も順調に育たない苦しい生活が続いており、このままでは幼い子供達を育てることも困難に。そんな中、農場にキッドっと名のる若いガンマンが訪れてくる。彼は、とある町の娼婦が、二人のカウボーイに傷を負わされて一千ドルの賞金がかけたという噂を聞きつけ、その町へ向かっている途中だという。キッドは、マニーがかつて荒事をやっていたと聞き、助っ人を頼みにきたのだ。困窮していたマニーは、子供達を残してキッドに同行することに。マニーは、かつての相棒であるネッド・ローガンを誘うことを主張。賞金の分配が減ることを嫌ったネッドは反対したが、ネッドを連れて行かねば俺も行かないというマニーの態度に折れるのだった。その頃、保安官のリトル・ビル・ダゲットは、娼婦たちが振りまいた賞金稼ぎの噂に吸い寄せられて町にやってきた殺し屋たちを袋叩きにして追放していた。マニーたちが到着すると、同様にダゲットのターゲットに。酒場にひとりでいたマニーは、ダゲット一味に暴行され重症を負わされてしまう。娼婦たちに介抱されたマニーは、逃げ延びたローガンとキッドと合流し、賞金首の二人の射殺に向かうのだったが…というストーリー。

李相日監督がリメイクしたっていうんで、改めて観直そうと思い借りにいったら、旧作なのに値段上げられてた。TSUTAYAめ、抜け目無い商売したやがる。でも、その時は借りないで、再び旧作料金になったのでレンタルしてみた。

一線を退いたロートルが、生きるために殺し屋家業に再び手を染めるというお話。よき妻との出会いからすっかり変わってしまった男という設定なんだけど、じゃあ、再び殺しをやるって考えたときに、ものすごく苦悩するか?っていうとそうでもなかったりするのがリアルに見える。あくまで、性根から改心したとか、命の大事さに目覚めたとか、そういうわけじゃなく、大切な人を守りたいというか、その人が悲しむ顔をみ見るのがイヤだっただけ。
ローガンの妻が夫が連れて行かれるとおもってイヤな顔をしたことについては、さほど心を痛めることがないというね。この他者への共感の薄さが、さすが元無法者…っていう設定をよく表していると思う。実に巧みだと思う。

娼婦を傷つけたカウボーイも悪者なんだけど、それ以上にジーン・ハックマン演じる保安官が邪悪。表面上、正義の庇護者を装いながらも、実は悪人、それも確信犯という設定自体が秀逸すぎる。中盤までは、むしろ主人公のマニー側が、蚊帳の外みたいな感じで、ストーリーが進行していくのが、ユニークだと思う。

程度の差はあれ、保安官、賞金稼ぎ、娼婦、女衒と誰一人としてまともな堅気は出てこないというね。心情的に正義を振りかざすわけでもないし、格好良く退治するわけでもない。殺し方がベタベタで泥臭いのがすごくよい。“許されざる者”っていうのは、賞金首のカウボーイや保安官だけじゃなく、マニーたちもそうだ…ってことだ。
風邪をひいちゃっててダゲット一味にやられちゃうって、けっこうマヌケだと思うんだけど、そこですら哀愁のようなものを漂わせるのは、マニーが持ってる虚無感というか、人間性のベースにある闇みたいなもののが、クリント・イーストウッドの演技で伝わってくるからだろう。

へっぽこ脚本家だと、顔に傷をつけられた娼婦を、農場につれていっちゃいそうになるところなんだけど、全然そんな展開の気配すら見せないのがいい。単に、今でも死んだ妻を愛している…っていう以上のものがあると感じた。いくら改心したって、俺は“許されざる者”だから…みたいな達観すら漂う。

人生って汚れながら、そして汚れていることを認めながら、諦めながら歩いていくことなんだな…なんて感じさせてくれる作品。きっと、年齢を重ねれば重ねただけ観方が変わってくるんだろうね。名作だと思う。 

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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