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image1959.png公開年:1987年
公開国:アメリカ
時 間:103分
監 督:ポール・ヴァーホーヴェン
出 演:ピーター・ウェラー、ナンシー・アレン、ダニエル・オハーリヒー、ロニー・コックス、カートウッド・スミス、ミゲル・ファーラー、ロバート・ドクィ、レイ・ワイズ、フェルトン・ペリー、ポール・マクレーン、デル・ザモラ、カルヴィン・ファン、リー・デ・ブロー、マーク・カールトン、エドワード・エドワーズ、マイケル・グレゴリー、ニール・サマーズ、チャールズ・キャロル、タイレス・アレン、ジェシー・D・ゴーインズ 他
受 賞:【1987年/第60回アカデミー賞】特別業績賞[音響効果編集]
【1988年/第16回アボリアッツ・ファンタスティック映画祭】高等技術委員会賞、SFX賞

かつて自動車産業で隆盛を誇ったデトロイトも、今は犯罪としと化していた。犯罪があまりにも多発し、警察のコストが肥大化したため、コスト削減のために警察の経営を民間企業のオムニ社に委託している。オムニ社は、凶悪犯罪に効率的に対応するために、大型警察ロボットを開発するが、失敗。早急に別プロジェクトが必要になったため、かねてより暖めていたサイボーグ警官“ロボコップ”製造計画案にスポットがあたる。そんな中、マーフィー巡査は女性警官ルイスとコンビを組み、連続警官殺しで指名手配中のクラレンスら強盗一味を追跡していた。潜伏先を急襲するが逆に捕らえられ惨殺されてしまう。しかし、彼の遺体は生体部分を部品として使われ、ロボコップとして蘇り…というストーリー。

ドラマなのか映画なのかわからないが、リメイクされているようなので、おさらいを。何度観てもやはり面白い。
マーフィーの正義感が報われずに死んでしまい、ロボコップとして蘇るものの、家族には死んだことになっているし、記憶まで消去されてこれでは蘇ったとはとてもいえない。断片的に蘇る記憶に苦悩し、真の復讐を遂げていく過程は共感しやすい。

ロボコップ自体の魅力ばかりに目が行きがちだが、このシナリオが巧みなのは、敵が重層構造になっている点だと思う。オムニ社の野心溢れる若い取締役、無法な強盗団、オムニ社の副社長という三重構造。もっと広い視点でいえば、公共サービスで利益を追求するオムニ社自体も敵だし、コスト優先で公共サービスを全部民間企業に任せてしまう政府も敵だ。
ヒーロー作品は、敵がしっかりしているか、または魅力的かで、出来不出来が決まるといってもよい。本作は花マルで合格なのだ。

幹のしっかりしたシナリオだからこそ、マスコミのインタビューで「マジメにやれ」っていうところとか、ラストのクビにしてロックがはずれるくだりとか、そういう小ネタが、最大限に生きてくる。
ルイスもロボコップになっちゃうのかな?とか、もうマーフィーだってはっきりしたんだから家族とはあえるようになるのかな?とか、色々考えちゃう。だけど、説明はしすぎない。色んな部分で説明しすぎを排除することで、全体の良いテンポをキープしている。シナリオの教科書だといってもよい。

1980年前後だと日本脅威論が根強くて、アメリカも今の中国みたいに日本車を燃やしたりしていた。いろんな映画にも露骨に登場する。『グレムリン』なんかもその一つだろう。でも、1980年終盤の『ロボコップ』では、ちょっとその色合いは薄れてくる。舞台はデトロイトだし、直球で日本を悪者に描いてもよさそうなものだが、日本に関するちょっとしたセリフはあるが、意外と悪い表現ではない。

オムニ社の重装備ロボットは、ハリーハウゼンばりのストップモーション・アニメで表現され、途中に出てくる怪獣が街を荒らすCMもストップモーション・アニメである。敵を日本にしたいならば、この怪獣はゴジラを意識すべきで、気ぐるみであるべきなのだが、アメリカ流の特撮技術。一方の主役は、それこそ気ぐるみヒーローで、日本のお家芸。
どうも、自分たちの景気が悪いのは、日本のせいではなく政府のせいなのではないか?という気付きが感じられる…と私には思えるのだが、ちょっと穿った見方だろうか。

とにかく、ヒーロー物映画の大傑作。本作の前では、『アイアンマン』なんか霞んでしまうほど。ガンガン撃って血しぶきは舞うし、廃棄物で悪人の体は溶けちゃうし、子供に観せるのはどうかなーって思うシーンは多々あるんだけど、なぜか、子供に観せたい!っていう欲求が湧いてしまう作品。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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