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公開年:1983年
公開国:フランス
時 間:90分
監 督:リュック・ベッソン
出 演:ピエール・ジョリヴェ、ジャン・ブイーズ、フリッツ・ヴェッパー、ジャン・レノ 他
受 賞:【1983年/第11回アボリアッツ・ファンタスティック映画祭】審査員特別賞、批評家賞
近未来。世界の文明は滅びてしまい、生き残った人間もわずかに。大気汚染によって声帯に異常をきたした人々は、言葉によるコミュニケーションを取ることができなくなっていた。かつて都市だった土地は独裁者によって支配されていたが、彼らと組みすることなくビルの屋上に暮らす一人の若い男がいた。独裁者は奴隷を使って、かつての文明の利器を掘り出していたが、若い男は、独裁者が発掘した物から少しづつ部品を盗んでいる。男は、その部品で、こつこつと飛行機を作り、この土地を脱出しようとしていたのだ。いよいよ、バッテリーをつければ飛行機は完成という段階に。しかい、独裁者とその手下たちはバッテリーが盗まれたことに気付き、若い男を追跡。若い男は自室まで追いつめられるが、間一髪で離陸に成功。みごと逃げ切るのだった。若い男が目指すのかつてのパリ。若い男が訪れた場所では、老齢の意志が病院だった建物に籠城していたが、そこにある食料を狙って凶暴な男が日々攻撃を仕掛けていた。若い男は凶暴な男に襲撃され重傷を負ってしまうが、医師は若い男を治療するのだったが…というストーリー。
…と、あらすじを書いてはみたが、色々ネット上で情報を拾ってなんとかまとめられた状態。はっきりいって、観ただけで設定を把握できる人間なんかいないと思う。独裁者が部品を掘っていて、主人公がそれを盗んでいるなんていう状況を、人目で把握できたらすごい感性。これがリュック・ベッソンのデビュー作と考えるとちょっと困惑する。現在の作風の萌芽が感じられるなんて評する人もいるけど、私はそこまでは感じなかった。
若気の至りというか中二病というか、そんな内容。完全なディストピア物。少なくとも“医師”という肩書の老人が存在するわけで、その老人が仮に80歳程度だとしても、世界がこんな風に荒廃したのは、彼が医師免許を取得した年齢以降。長くても60年前に荒廃が始まったということになる。若い男はそれ以降に誕生したわけだから、十数年前までは女性は存在。そこそこ構造物は残存しているいるが、一方、骨とか一切見当たらないし、不自然さは感じざるを得ない(この状態になんでなったのか?については作中で語られることはない)。正直、地球の近未来じゃなく、架空の世界のお話だと思って観ていたほどだ。
でも、この作品が作られた当時の社会に蔓延する“どうせ…”という空気や、極端に個人主義を良しとする風潮が生む殺伐とした社会を、“ディストピア”として表現したと好意的に考えれば、悪くはないのかもしれない。
老人は、ある意味、人間の種の尊厳に関わる秘密を隠匿している。老医師は若い男に心を許していくが、完全に許すわけではなく、小出しに秘密を伝えていく。しかし、その一縷の希望も、ジャン・レノ演じる凶暴な男によって、無残に散ってしまう。この虚無感や虚脱感こそ、リュック・ベッソンが表現したかった部分なのかもしれない。
いずれにせよ、思いついたことを、ここまで形に持って行ける点については、感心する。やはり、こういうまとめあげる能力こそ、大成する重要な要素なんだと痛感する。日本人の場合、こういう才能をもっている人は漫画家になっちゃう人が多いのかな。いずれにせよ、思いつきを発表できる形にする能力に対して強いジェラシーを感じる(私には無い)。
はっきりいって作品自体は面白くないが、現在のリュック・ベッソンを踏まえた上であれこれ考察する分には、意味を感じられる作品かも。大学の映画サークル並みに見えるかもしれないけど、置きにいっていない突き抜け感が味わえる作品ではある。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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