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image0678.png公開年:2007年  
公開国:アメリカ
時 間:117分  
監 督:ザック・スナイダー
出 演:ジェラルド・バトラー、レナ・ヘディ、デヴィッド・ウェンハム、ドミニク・ウェスト、マイケル・ファスベンダー、ヴィンセント・リーガン、トム・ウィズダム、アンドリュー・プレヴィン、アンドリュー・ティアナン、ロドリゴ・サントロ、マリー=ジュリー・リヴェス、スティーヴン・マクハティ、タイロン・ベンスキン、ピーター・メンサー  他
受 賞:【2007年/第16回MTVムービー・アワード】格闘シーン賞(ジェラルド・バトラーvs“The Uber Immortal”)
コピー:300人VS1,000,000人、真っ向勝負!

史上最も熾烈な闘いのひとつといわれるテルモピュライの戦いを、斬新な映像で描いた作品…とのことだが、お恥ずかしいことに、高校地歴の教員免許もっていながら、テルモピュライの戦いってなんだっけ状態で、慌てて調べる始末。ヘロドトスの『歴史』にのっている、ギリシャ史上、非常に有名な戦だった。300人という人数はもちろん、戦力差・戦地・戦術・勝敗等々、史実にほぼ忠実なようだ。

まあ、言い訳しても仕方ないのだが、歴史の授業でスパルタなどの国の制度などを教えることは多いだろうが、個々の戦争を教えることはほぼないと思う(ましてや過程や戦術までは)。出てきてもペロポネソス戦争とかカイロネイアの戦いくらいだろう。これを読んでいる皆でも、ああ、あの時教えてもらったあれかぁ…という人は、ごく少数だと思う。

ただ、その史実を忠実に再現することが、この映画の目的でないのは明白であるから、気にする必要はまったくない。原作コミックが元のようだが、とにかく、漢(おとこ)臭さ満開で、憎ったらしい強大な敵に対して、義心を通り越してマゾ的に、戦いに向かっていく姿が描かれる。

本作では、スパルタは侵略される側で、国民の自由を守るために、死をも厭わない姿に描かれるが、実際は基本的に侵略国家だし、ペルシアから奴隷の話が出ると自由を主張して、まるで奴隷制度自体を快く思っていないようにも見えるが、当然スパルタも他のギリシアの国々と同じく奴隷や半自由民がいる。それどころが、自分らは戦闘だけに明けくれ、食糧生産・商業のすべては専ら彼らが担っているという、偏った制度を持っている。
そのあたりをクローズアップしてしまうと、彼らに共感しにくくなるので、ほとんど語られない。語られるのは戦士がいかにして育成されていくか…という過程くらいなもので、他にはあえて蓋をして、スパルタVS.ペルシャの善悪の構図をつくっていき、圧倒的な困難をその肉体と精神で乗り越えるという、わかりやすい勧善懲悪モノに仕上げていることが、功を奏している。だから、むしろこの戦争のこともスパルタのことも知らないほうが、楽しめるはずである。

乗り越えるとか勧善懲悪とか言っているけど、結局最後は負けるわけだから乗り越えていないよね?という意見はあると思うが、私は十分乗り越えていると思う。観ればわかる。

『ウォッチメン』のレビュの時にも書いたが、監督は同じザック・スタイナー。原作を手にとってみたことはないが、何かで紹介されいたのを見る限り、基本的なビジュアルイメージ(色の彩度を抑えた統一感)は原作由来と思われる。やりすぎればモノクロと大差ない状態になってしまうところだが、肉体や構造物が際立って美しく表現できており、かなり注力したことが伺える。戦闘シーンの速度変化表現もごく自然で効果的。下手な監督がやると、わざとらしくなってしまうところだろう。
他にもビジュアルセンスに長けた監督はいるが、ここまで(いい意味で)病的に細部まで気をめぐらすことができる能力は評価したい(ビジュアル面での穴は見つからない。まったく引っかかった部分はない)。彼には、今後も、コミック作品の映画化のようなオファーが続くと予想する。次作に期待したい。

まず、本作は歴史ドラマとしてみないこと。彼らの信義の正しさを深く追求しないこと。この戦いの先に何が残ったか?とか考えないこと。ただ、もっともらしい詭弁ばかり吐く憎たらしいやつ(皆さんの周りにもいるでしょ)を、ただ単に憎たらしいと思い、そのイラっとした気持ちを、スパルタ戦士と一緒に勇気を奮ってバッサリやる。そういうノリで観てほしい。

#まったくの予断だが、クセルクセスの(役者の)顔を見ていると、日ハム・ダルビッシュは、ペルシャ系の遺伝子が濃いのだなぁ…と思う。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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