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公開年:2009年
公開国:アメリカ
時 間:138分
監 督:ロン・ハワード
出 演:トム・ハンクス、アイェレット・ゾラー、ユアン・マクレガー、ステラン・スカルスガルド、ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、ニコライ・リー・コス、アーミン・ミューラー=スタール、トゥーレ・リントハート、デヴィッド・パスクエジ、コジモ・ファスコ、マーク・フィオリーニ 他
コピー:ガリレオの暗号が、ヴァチカンを追いつめる
『ダ・ヴィンチ・コード』の続編。コンクラーベが行われるヴァチカンにて、かつてガリレオを中心とする科学者によって組織された秘密結社イルミナティによって、最有力候補の枢機卿4人の誘拐され殺害予告が出される。その上ヴァチカン全体を爆破する計画が発覚し、それを阻止するために、宗教象徴学者ラングドンが奔走する…というストーリー。
原作は『ダ・ヴィンチ・コード』より前の作品だが、映画は後の作品として繋がっている。
で、以下はネタバレになるので、まだ観ていない人は読まないで。
まず、ストーリー上、特定の範囲を消滅させて且つ現場が汚染されないツールが必要なのはわかるのだが、反物質爆弾を持ち出すのはちょっと都合が良すぎる気がする。反物質の存在が確認されて、それが取り出されているのは科学上の事実だし、理論上はものすごいエネルギーが発生すると言われている。しかし、実際は日々、加速器で反物質が発生しては対消滅しているのに、そこで巨大なエネルギーが発生しているわけではない(おそらく、なにか別の現象によって、発生したエネルギーは何かに持っていかれているのだろう)。ましてや、反物質を電磁石で固定して容器に詰めてるなどということが、あまりにも漫画チックすぎて、冒頭のそのシーン観て、私は「なんだかなぁ…」状態になってしまった。途中で女科学者が、反物質を電力会社に奪われるのが怖かったというセリフを言っていたが、理論上発生しうるエネルギーよりも、反物質を得るために加速器に費やされるエネルギーのほうが何倍も大きいので、効率が悪すぎて発電に転用などということはありえない。科学者がそんなこという時点でさらに興醒めしてしまった。
ただ、ビッグバン時に発生したといわれるCP対称性の破れで消滅した物質を取り出せたこと自体は、科学者自身が「神の領域に踏み込んでしまった…」と悩むに足ることだと思うので、それが犯行動機になることは、納得できる。よって、本作に、反物質ネタを使うのも必須といえる。あとはSF的にも荒唐無稽すぎなければいいのであるが、その努力・工夫があと一歩だったと考える。
私は、CERNで取り出した反物質を固定したということにしないで、とある科学者が反物質を発生させる簡易な装置を考え出した(その原理はだれもわからない)が、そしてその装置が奪われた…くらいに徹底的にぼかしても良かったと思っている。小型バン1台く入るくらいの装置で、最後はヘリ吊り上げて…なんてのでどうだろうか。それなら電力会社に奪われることを危惧する理由にもなるしね。
演出の方に話を移すが、前作の雰囲気がしっかり踏襲されており、ミステリーとしてなかなか楽しめる作品である。ただ、『クリムゾン・リバー』→『クリムゾン・リバー2』ほどではないが、若干のレベルダウンは否めない。これは品質のダウンというよりも、既視感による慣れとか飽きのせいかもしれない。
前作よりも歴史的な謎解き部分は少なく、単純にミステリー色が強くなっているので、その辺が好きな人には物足りないかもしれない。とはいえ、週末に観る一本として私は充分に楽しめたので、お薦めする。
余談だが、スタッフロールの最後に、本作に出てくる団体と名称はすべて架空であることが、日本語字幕でも付けられていた(めずらしい)。作中のカトリック教会すらフィクションですよ…として断り書きをいれないといけないという宗教の恐ろしさよ。イルミナティが存在する理由も思わず頷けてしまうほど、本作に一番リアリティを感じさせてくれたのが、最後の字幕だった。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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