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公開年:2005年
公開国:日本
時 間:123分
監 督:実相寺昭雄
出 演:堤真一、永瀬正敏、阿部寛、宮迫博之、原田知世、田中麗奈、清水美砂、篠原涼子、松尾スズキ、恵俊彰、寺島進、堀部圭亮、三輪ひとみ、原知佐子、荒川良々、京極夏彦、すまけい、いしだあゆみ 他
コピー:女は妊娠20ヶ月。いったい何を身ごもったのか――。
あなたの憑物(つきもの)、落とします。
戦後間もない東京を舞台に、“憑物落とし”の顔を持つ博覧強記の古書店主・京極堂とその仲間たちが、久遠寺医院にまつわる奇々怪々な事件に挑むというストーリー。
『魍魎の匣』を観始めたら、前作を観ていないことに気付き、レンタル。
たかだか5年ほど前の作品なのだが、10年以上前の作品に感じるのは、画質の問題か実相寺監督の演出のせいか。『帝都物語』から変わりないなぁ(いい意味でも悪い意味でも)。
双子、多重人格、心理学、人の記憶が見える男、屍蝋、巫女の家系、いろいろ都合のいい要素ばかりで、なんだかなぁ…と思わざるを得ない。原作は読んでいないのでわからないが、元もこんな感じなのだろうか。さすがに阿部寛のキャラクターの能力は、小説でいくら魅力的であったとしても、たかだか2時間の映画に出してしまうと、その能力があれば、ほぼ、なんでも解決できてしまうように思えて、興醒めしてしまう。あえてはずしてもよかったかもしれない。
ただ、こういう要素の詰め込みだから、即、悪いという気はない。よく漫画と小説の比較で、漫画はビジュアルイメージが押し付けられるが、小説ではそれを脳内で構築するので、脳に良い。漫画ばかり読まずに小説を読むべきという意見がある。おそらく本作は、その典型で、小説を読んで沸いたイメージがとても魅力的な作品なのだろう。横溝正史の作品だって、おなじように都合のいい設定ばかりだが面白いのがいい例だ。
でも、横溝正史原作の映画はなかなか面白いのに、なんで本作はピンとこないのか。
致命的なのは、謎解きの説明がちょこちょこわかりにくいところ。もうちょっとゆっくりと効果的にわかりやすビジュアルで説明すればよいのだが、へんな効果ばかり優先で説明は二の次だから(というか実相寺監督テイストなのだが)、どうしても迷子になってしまう。そのプアなビジュアルをセリフでカバーするものだから、ますますわからない。晩年の横山光輝の歴史漫画みたいで、ストーリーの説明がほぼセリフで、漫画のくせに絵が挿絵状態…みたいな状態に近い。
ただ、実相寺監督に意見を言いえる人もいなかったことだろうし、どうにもならなかっただろう。
変な話だが、本作を救ったのは、いしだあゆみの怪演(というか、叫び声)だろう。CMにも使われたからご存知だろうが、あれがすべてかも。
ちょっとかわった雰囲気の作品であるのは事実なので、何も観るものがなければどうぞ、、という感じだが、無理して観る必要はなし。
『魍魎の匣』についてはいつか別途レビュするが、先走って言ってしまうと、まだ本作のほうがマシ。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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