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image1507.png公開年:2009年 
公開国:アメリカ
時 間:108分
監 督:スティーブン・ソダーバーグ
出 演:マット・デイモン、スコット・バクラ、ジョエル・マクヘイル、メラニー・リンスキー、ルーカス・キャロル、エディ・ジェイミソン、ラスティ・シュウィマー、リック・オーヴァートン、トム・ウィルソン、クランシー・ブラウン、スコット・アツィット 他
ノミネート:【2009年/第67回ゴールデン・グローブ】男優賞[コメディ/ミュージカル](マット・デイモン)、音楽賞(マーヴィン・ハムリッシュ)
【2009年/第15回放送映画批評家協会賞】音楽賞(マーヴィン・ハムリッシュ)
コピー:ある企業内部告発者を描く本当にあった物語。

食品添加物製造大手のADMに勤めるマーク・ウィテカーは、工場で発生したウイルスによる損失の責任を追及される。彼はウイルスをばらまいたのは日本のライバル企業で、1000万ドル払えばやめると脅迫されたことを会社に報告。会社側は恐喝事件としてFBIに捜査を依頼する。これを受けてFBI捜査官がウィテカーに事情を聞くと、その事件とはまったく無関係の、ADMと世界中の企業による価格カルテルの存在を告発しはじめる。FBIは、ウィテカーを内部協力者(インフォーマント)として迎え、確たる証拠を掴むために潜入捜査を開始するが…というストーリー。

ソダーバーグ作品というだけで、どういう話なのかまったく予備知識を入れず、コピーすら知らずに鑑賞。やたら“味の素”だ“協和発酵”だ実名が出てくるので、薄々気付きはしたが、エンドロール前のテロップを見て、やっぱり実話だったかと認識。実際の談合事件が元になっているので、“味の素”も“協和発酵”も文句のいいようがないということだろう。

なにやら、大企業の不正という重いテーマなのに、思わず笑ってしまう憎めないキャラと評されたり、希代の詐欺師の映画といわれたりするのだが、そういった指摘は大きく的外れだろう。彼は単なるパラノイアだ。作中でも、パラノイアと妄想性人格障害の境界をいったりきたりしているのだが、主人公の内証の台詞と実際の行動が並行して流れるので、観ている側(私)が干渉してしまって、吐き気すら覚えてくる(ちょっと感受性ありすぎ?)。
パラノイアは理路整然としているので、よほど知識があるか勘が鋭くないと見抜けずに振り回されるし、その上、本作のケースでは多くの事実が入り混じっているので、見抜けなかったのは、ある程度理解できる…。しかし、この狂人が、現在もアメリカのどこぞの会社のCEOとして社会的地位を得ている事実。これが許容されるアメリカ市場は狂っているではないか?アメリカにおける信用とは何なのか?

どうも、今、ソダーバーグは、常人を越えた能力(正義とか社会性とは無関係な純粋な“能力”)を保持する実在の人物ご執心のようだ。そして、その常人を越えた能力が造る渦に巻き込まれる人々の姿を描くことに興味があるようだ。そういう意味では、目的は達成できている作品だ。『チェ 28歳の革命』も同じノリだったと思うが、ゲバラの心の内はあまり伝わってはこないで、イベントの羅列に終わった感じもあったので、狂人の頭の中を覗かせてくれた本作は、『チェ~』を超えた、失敗を挽回したといっていいだろう。しかし、狂人の内証を映画で表現…というと、最近のデヴィッド・リンチを思い出してしまうけど、ソダーバーグにはそこまでイッちゃっうことなくほどほどの所で留まってほしいと切に願う。

狂人の頭の中に入って世の中を除くという稀有な体験ができる、ある意味実験的な作品としてお薦めする。攻めの作品として評価したい。

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