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image1216.png公開年:2005年 
公開国:アメリカ
時 間:136分
監 督:ジェームス・マンゴールド
出 演:ホアキン・フェニックス、リース・ウイザースプーン、ジニファー・グッドウィン、ロバート・パトリック、ダラス・ロバーツ、シェルビー・リン、ダン・ジョン・ミラー、ラリー・バグビー、タイラー・ヒルトン、ウェイロン・マロイ・ペイン、シューター・ジェニングス、ヴィクトリア・ヘスター、ケリス・ドーシー 他
受 賞:【2005年/第78回アカデミー賞】主演女優賞(リース・ウィザースプーン)
【2005年/第40回全米批評家協会賞】主演女優賞(リース・ウィザースプーン)
【2005年/第63回ゴールデン・グローブ】作品賞[コメディ/ミュージカル]、男優賞[コメディ/ミュージカル](ホアキン・フェニックス)、女優賞[コメディ/ミュージカル](リース・ウィザースプーン)
【2005年/第59回英国アカデミー賞】主演女優賞(リース・ウィザースプーン)、音響賞
【2005年/第11回放送映画批評家協会賞】主演女優賞(リース・ウィザースプーン)、サウンドトラック賞
コピー:型破りなラブストーリー、これは真実の物語

綿花栽培の小作の家に生まれたジョニー・キャッシュ。酔って暴力を振う父に怯える日々だったが、そんな彼の幼少時代を優しい兄とラジオから聞こえてくる音楽が支えてくれていた。ところがある日、その兄が不慮の事故で亡くなってしまう。父は「悪魔はできる子のほうを奪った」と言い、ジョニーは深く傷つくのだった。やがて成長したジャックは数年の空軍勤務を経て、初恋の女性ヴィヴィアンと結婚。訪問セールスの仕事に就き、父とは距離を置くことができたものの仕事はまったくうまく行かない。おまけに趣味のバンド活動に理解をしない妻との間には溝が深まるばかりだった。いよいよ生活に困窮し、妻の両親の元に身を寄せねばならなくなったとき、彼はミュージシャンの夢を諦めきれずに一念発起、レコード会社のオーディションを受けると、見事に合格しすぐにレコーディングに。すぐにツアー生活に入り、ヒット曲も生まれたが、妻との距離は広がるばかりだった。そんなツアー生活の中、幼いこところから聞いていたジョニーと出会い…というストーリー。

アメリカでは“生ける伝説”的な存在だったんだろうけど、まったく知らない。『アイム・ノット・ゼア』のボブ・ディランもそうだったが、知っているか否か、興味があるか否かで、受け取り方が全然違うんだろうな。
ただ本作の優れている点は、フィクションだと思ってみても充分に楽しめる内容だということ。主演の二人の受賞歴を見てもわかる通り、すんばらしい演技で、グイグイ引きこんでくれる。

コピーにあるように、“二人の愛”を前面に押す評価が多いけれど、私はそれに賛同しない。見所はそこだと思わない。一番興味深かったのは、ジョニーを薬物依存から脱却させるために、ジョニーの家族が協力するシーン。カトリックとしての純粋な行動なのか、娘の真の気持ちに応えてなのか。南部カトリック教徒の不寛容さも表現しているので、それに相反する行動が、良い意味で非常に奇異に映った。
#最近、やっと日本でも、アメリカのカトリック原始主義者の行動がTVで伝えられるようになった。ね、アメリカってそんなにまともに付き合うような相手じゃないって判ったでしょ。

一番すっきりしないのは、なんといっても父親との関係。ジョニーの人生に大きな影を落としているのは、“自分は愛されていない”という気持ちであり、本作としてもその解釈を強く押しているのだと思う。で、結局、ジョニーから愛されるということを獲得し、父から愛されていないという心の傷を埋めることができ、彼は立ち直ることができたのだよ…ということを言いたいのだろう。でも、いささか弱い。いつも言うことだけど、実話ベースの限界ということだ。
一つ注意したいのは、ジョニーの父を“単なる不器用な男”なだけで決して愛の無い男ではない…と解釈すること。子供の人間形成の失敗の失敗原因の半分は、愛されるべき子供が愛されなかったことで発生する。多少環境に問題があっても、親から愛されているという感覚があれば、反社会的行動をとることは激減する。やはり父親の行動は、人間が社会性動物であることを考えると“悪”以外の何者でもない。この世にいる一番の悪魔は、“愛のない親”だと私は考えている(漠然とした表現だけど)。

でも“愛のない親”というのは動物社会を観察しても出現するので、無くすことはできないのだろう。そして、往々にしてそういう親を後付けで教育することもできないし、時間のねじを戻して愛すべき時期に愛しなおすことはできない。それを補完するのが、愛情深い伴侶と結婚すること、愛情深い隣人に出会うことである(宗教で救われることもこれに含まれる)。ジョニーの場合は、父親だけでなく母親も同様であるという不運。はじめの妻も同様であるという不運。隣人も所詮ビジネス上の関係でしかなかったという不運。一番愛を傾けてくれた人がすでに人妻であったという不運。それらが重なったということだろう。

ラストの実話ゆえのぼんやり感を許容すれば、愉しめる作品だと思うので、軽くお薦め。
#その後、二人が何十年も添い遂げたというナレで、感動したという人もいるようだけど、羨ましいとは思うけど別に感動はしなかったかな…。そう、羨ましい。



負けるな日本

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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