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公開年:2009年
公開国:アメリカ
時 間:80分
監 督:シェーン・アッカー
出 演:イライジャ・ウッド、ジェニファー・コネリー、クリストファー・プラマー、ジョン・C・ライリー、クリスピン・グローヴァー、マーティン・ランドー、フレッド・タタショア 他
古びた研究室の片隅で、腹部に大きなジッパー、背中に数字の9が描かれている麻布で作られた人形が動き出す。その人形は意識を持っているが、自分が何者か判らない。研究室の外に出てみると周りは廃墟の世界。すると彼の前に、背中に2と描かれた人形が現われ、9の壊れていた発声装置を修理し、自分は仲間だと言うのだった。しかし、二人の前に巨大な機械獣が出現し、2はさらわれてしまい9も力尽きてしまう。気を失っていた9は、人のいい“5”、リーダー格の“1”、体格のいい“8”、変人アーチストの“6”たちに助けられる。9は2の救出に行こうと提案するが、1に却下されてしまう。諦めきれない9は5を誘い、2がさらわれたであろう機械獣の居場所を目指すのだったが…というストーリー。
って、観ていない人には、さっぱり意味不明なあらすじだね。
元はシェーン・アッカー監督の学生時代の卒業制作作品で、2005年の米アカデミー賞短編アニメ部門にノミネートされる。それをティム・バートンが気に入って長編化をプロデュースしたというもの。たしかに、ダークな世界観はティム・バートンの好むところだろう。近頃のバートン作品が失った“先の読めない感”があって、昔の自分を思い出したりしたのかもしれない(なんて勝手に思いながら観ていた)。
綺麗すぎるCGで味が無いなと感じたのだが、人形たちのデザインやキャラ付けが秀逸なので、早い段階で気にならなくなった。『NBC』のブギーに通じる麻布の質感や、丸目で統一されていながらも表情豊かで且つ個性を発揮できている点はすばらしい(丸目は岡本太郎の作品みたいでとても好き)。
#まあ、1の三角目は、ワタクシ的にはNGだけどね。
感情どころか命までをもっているこの人形の存在は何なのか、そしてこの世界はどういう経緯でこんなになってしまったのか、根本的に私達人間の世界の延長なのか否か、とにかく謎だらけ。9が何もわからず動き出したの状況と、観ている私達も同じなので、すっかり引き込まれてしまった。
徐々に、人間の所業と世界が荒廃した経緯が見えてくるのだが、手取り足取り解説するような感じではないので、どちらかといえば判りにくいかもしれない。でも、勢いのある映画には、必ずこういう置いてきぼり感が付いているものだ。何の救いも希望も見えない、とてもハッピーエンドでないところなど、大人の童話としてほど良い具合だと思う。
以下、ネタバレ。
強いて難点を言うと、魂が開放されるラストの演出が、私にはピンとこなかった。秘密がわかったと言うものだから、てっきりまた魂を人形に戻す術でも発見したのかと思ったのだが、そうではなかった。逆に、マシンをつぶしただけだったら、あの魂はどうなっていたというのだろう。
一見、成仏したような感じで仏教的に見えるけど、“魂”が救済されるか否か(極端に言えば、魂が天国に行けるか否か)を極端に恐れている、キリスト教的な表現。だから私にはピンとこないのかもしれない(エクソシスト的感覚だな)。
結果といて、たった80分なのに、若干長く感じてしまったのは残念である。元の短編は11分らしいが、それを80分にするには、加えるべき要素が足りなさすぎたのかもしれない。場面場面のエピソードを膨らますだけではなく、大きくもう一本ストーリーの軸を作るくらいしたほうがよかったのかもしれない。
『NBC』の突き抜けた感じは無いので、多くのコアファンを獲得するレベルまではいかないと思うが、長編一作目でこのデキとは、この監督の次回作には期待せざるを得ない。お暇なら是非観てほしい。近頃のどんなファンタジー映画やSF映画とて比べてみても、同じような作品は見当たらないと思うのでお薦めしたい。
#元の短編を是非観たいのだが、どうすればいいのかなぁ。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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